本校講堂で、令和5年度「修了式」を行いました。1年生・2年生が講堂に集合し、校長先生の式辞に続いて、教務部長、生徒指導部長、進路指導部長がそれぞれ講話をしました。

 また、式の最後には、3学期に優秀な成績を収めたクラブ等の表彰を行いました。

校長式辞

 令和5年度の修了式となりました。昨年4月の始業式入学式で、本校は本年度151年目を迎えること、それにあたり、鴨沂の学びをリニューアルしたことを話しました。ほぼ1年前ですので、内容はあまり覚えていないと思いますが、スクール・ポリシーとそれに応じた「育てたい生徒像」を定め、実現のために必要な7つの資質・能力について話しました。4月、5月に当初の状況を知るために「鴨沂ルーブリック」自己評価を実施し、その後、学校行事の後や2学期期末考査の後に科目毎の自己評価も実施しました。年度当初と比べ、評価については学校行事、例えば文化祭の後などには、「チャレンジする力」や「協働する力」などが大きくステップ・アップしていました。やはり、行事の後には資質・能力の高まりが実感しやすいと思います。一方で科目については、普段の学習が直ちに「チャレンジする力」に直結するようなイメージが持ちにくいこともあるのではと思います。学校行事よりはステップ・アップの幅が小さくなっていましたが、学校行事も教科科目も、そして各学年ともに、いずれの資質・能力も年度当初よりステップ・アップしていることを確かめることができました。

この鴨沂ルーブリックによる自己評価は、2つの目的を持っています。一つは、ちょっとしつこいなぁと思うかもしれませんが、何度も見ることによって、鴨沂高校が目指すところを理解し、自分自身の活動や学習を振り返り、育てたい生徒像に近づいているか確認してもらうことです。もう一つは、皆さんの自己分析に活かすことです。ステップ・アップしていることは素晴らしいことですが、皆さんが成長していくとともに、冷静にルーブリックを見ていくと、実は自分はまだこのレベルに達していなかったと考えるようになることもあるのではないかと思います。以前の回答では、Aレベルと答えたけど、よく考えるとまだBレベルだったなとダウンすることがあっても、それも成長の証であり、構わないと思います。アップ、ダウンを繰り返すうちに、等身大の自己評価ができてくると思います。そして、その等身大の自己評価から、自分にはこんな資質・能力があるんだと自信を持ち、自己肯定感を高めて欲しいと思います。例えば、3年生になって進路希望先に自己推薦書などを提出しなければならないようなときも、鴨沂高校でどのような活動をして、どんな資質・能力が身についたのか自信を持ってアピールすることもできるのではと思います。次年度も鴨沂ルーブリックによる自己評価を続けていきますので、上手く活用してください。

 さて、明日から約3週間の春休みとなります。ここ2,3日は肌寒い日が続いていますが、だんだんと暖かくなってきますので、春の陽気に誘われて、気分転換に遊びに出かけることもよいでしょう。ただ、遊んでばかりと言う訳にもいきません。この間に新年度を迎えるに当たっての自分自身の課題と向き合い、学習あるいは部活動などに、しっかり取り組んで欲しいと思います。健康面や安全面に十分注意して、新年度に良いスタートが切れるような春休みしてください。

生徒表彰

【弓道部】

〇令和5年度 京都府公立高等学校弓道大会

・女子個人の部  優勝 第4位 第6位

・男子個人の部  第6位

【吹奏楽部】

〇第15回 たかつきスクールJAZZコンテスト

JMM亀岡ジャズ・ストリート賞(総合第3位)

・ラテンパーカッションセクション 審査員特別賞 

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〇京都府立高等学校PTA連合会京都市部ブロック 交通安全啓発事業

・「自転車交通マナー」啓発標語の部 優秀賞

 〇インターネットの安心・安全に関する動画フェスタ2023

・鴨沂高等学校生徒会 団体賞

・「こぶたくんとネットの友達うまくん」 敢闘賞

 
 
 

 3月1日(金)、第76回卒業証書授与式を講堂にて挙行しました。九条家ゆかりの御門を開放し、御来賓や保護者の皆様に御臨席いただく中、3年間の学びを通してたくましく成長した卒業生が、晴れやかな面持ちで思い出の学び舎を巣立ちました。

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「校長式辞」を掲載いたします。

 木々の芽吹きが始まり、春の気配を感じる今日の佳き日に、京都府立鴨沂高等学校 第七十六回卒業証書授与式を挙行するにあたり、本校PTA会長 樋口 幸則 様をはじめ御来賓の方々並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、高壇からではございますが、卒業生、教職員一同とともに厚く御礼申し上げます。日頃より本校の教育に深い御理解と御支援を賜り、誠にありがとうございます。保護者の皆様におかれましては、立派に成長されたお子様の姿に、感慨も一入のことと存じます。御卒業をお慶び申し上げます。

 ただいま卒業証書を授与しました皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんが鴨沂高校に入学された3年前はコロナ禍の渦中にあり、全員がマスクを着用し、不安な心をマスクの下に隠し、御門をくぐって来られたのではないでしょうか。3密回避、黙食推奨や様々な活動が制限された中で高校生活が始まりました。そのような中で、鴨沂高校においては、おそらく中学3年生で実施できなかった学校行事を、先輩達が感染防止に努めながらも生き生きと取り組んでいる姿を見て、「コロナ禍でも、今できることは何かを突き詰めていけば、学校行事もできるんだ」と実感されたのではないかと思います。しっかりと準備して、物事にチャレンジすることの大切さを学んだ皆さんは、様々な場面でその力を発揮してくれました。学校行事はもちろん、部活動においても優れた成果を挙げ、始業式や終業式における伝達表彰者が一層増え、校長として大変誇らしく思っておりました。また、学習や探究活動に真摯に取り組み、こちらも大きな成果を上げました。京都大学で開催されたサイエンスフェスタでの発表、昨年度ロームシアター京都にて実施した本校150周年記念式典における京都文化コースの発表、また「ラスティング京都」の発行など、学習・研究した内容の発信にも力を入れてくれました。そして、自分自身で決めた進路に向け、たゆまぬ努力を続ける姿を見せていただきました。

 今、卒業の時を迎え、進路目標を達成した人、これから結果を待つ人、そして思ったような結果がまだ得られていない人もいるかもしれません。ここで、進路の「進」、「進む」と言う漢字について少し紹介します。「進」という漢字は、「隹」と「辶」の部首から成り立っていることはご存じのとおりです。「隹」はまさに、鳥が羽ばたくように進むイメージです。もう一つの部首「辶」は多くの漢字に使われていますが、もともとは、行ったり止まったりしながら進むという道や歩く事に関することを表しています。高校を卒業する皆さんも、鳥のように羽ばたく時もあれば、時に立ち止まり、あるいは右へ行ったり左へ行ったり、曲がりくねったり、そしてすっと滑り台を滑るかのように進んだりと、いろんな進み方があるんだということを胸にとどめておいていただきたいと思います。大学や専門学校へ進学し、より専門的な勉強をする人、就職して社会人となり、経済的にも、精神的にも自立する人、進む道は異なり、進み方も、進む速度も人それぞれです。自分を見失わず、自分のペースで歩んで行ってください。

 さて、世界ではコロナ禍が明けたものの、各地で紛争が続き、悲しいニュースも絶えません。困難なこの時代において、鴨沂高校は教育目標「世界平和を希求し、すべての人々が幸福になりうる社会をめざして、事実に基づき真理を追究し、それに従って実践しようと努力する人間の育成」を目指し、様々な教育活動を実践してきました。今、卒業する皆さんの心に、この教育目標の灯が光っていると確信しています。この灯を絶やさぬようにするために、これからも皆さんに心がけてほしいと思うことがあります。それは「多様性の尊重」です。高度に情報化された社会である現代において、情報の波に飲み込まれてしまわないよう、取捨選択することも重要です。しかし、自分にとって耳障りのいいことばかりに目を向け続けると、やがて偏ったものの見方、考え方に固執してしまう恐れがあります。さらに、そこから自分と異なる意見を排除しようと言う行動につながり、やがて争いの芽となってしまう可能性もあるのです。物事を一方向からの見方・考え方だけではなく、多方面から、あるいは遠くから、逆にすごく近くからの見方・考え方を取り入れるため、積極的に新たな体験や経験にチャレンジしてみてください。住み慣れた土地を離れ、国内外に出掛けて、見聞を広めることも良いでしょう。そして時に全く異なる見方・考え方にも耳を傾けるようにしてください。それが「事実に基づき真理を追究し、それに従って実践しようと努力する」ことにつながります。様々な違いを知り、認め合う寛容な心、すなわち「多様性の尊重」が「世界平和を希求し、すべての人々が幸福になりうる社会」を目指すための灯りとなるでしょう。この目標は、世界中の大人たちが成しえていない崇高なものであり、こうすれば直ちに解決できるようなたやすいことでは決してありませんが、多様性を尊重して、一番若い大人である卒業生の皆さんと、我々大人たちが手を携えて、目標に一歩でも近づけるような未来を築いていきましょう。

 最後になりますが、皆さんが母校を懐かしく思うときは、遠慮なく訪れてください。鴨沂高校は、これからもずっと皆さんが帰る場所であり続けられるよう、不断の努力を重ねて参ります。卒業生一人一人の御活躍と御健康を、そして何よりもみなさんの「幸福」を心より祈念し、式辞といたします。                                           

                             令和六年三月一日

                             京都府立鴨沂高等学校

                             校長  松井 佳代美                                              

 
 体育祭を行いました 【 2023/09/29 】
 
 

 9月29日(金)に「体育祭」を西京極補助競技場で実施しました。

 各学年ごとに青色・緑色・黄色・ピンク色・赤色・白色の6団で、それぞれの色のハチマキを締めた生徒たちが、西京極の芝生の上で体育祭を楽しみました。

 天気にも恵まれ、筋肉祭りの大きな拍手から競技がスタートしました。台風の目(1年)、40人41脚(2年)、惑星リレー(3年)といった学年種目や、障害物競走、騎馬リレー、借り人競走など様々な競技に汗を流し、笑顔いっぱいの体育祭となりました。

 学年を超えた応援にも力が入り、最終種目「色別対抗リレー」のアンカーが歓声の中ゴールテープを駆け抜け、今年の体育祭は幕を閉じました。

 今年も、委員会や部活動の生徒などが準備、競技運営、片付けと奔走してくれました。また、お昼休みにはPTAの方が水分補給のためお茶を配っていただくなど本当にお世話になりました。

 保護者の皆様にも観戦いただき、大きな歓声と笑顔が随所であがりました。好天のもと、あたたかい雰囲気に包まれた体育祭となりました。

 
 文化祭を行いました 【 2023/09/08 】
 
 

 9月7日(木)・8日(金)文化祭を行いました。

 校長先生のお話、生徒会長の開会宣言の後、書道部のパフォーマンスが行われ、文化祭がスタートしました。今年のテーマは「青春謳歌~今しか創れない思い出を~」です。

 1年生は前庭での「パフォーマンス」、2年生は講堂での「小劇場」、3年生は講堂での「演劇」。練習の成果を堂々と発表しました。

 コモンホールでは、PTAのバザーとマルシェが開催され、たくさんの保護者の皆様・生徒の来場がありました。皆様から提供された品や、マルシェでは府立高校や特別支援学校の生徒さんの作品などが並び、大変好評でした。

 また、資料展示室では、京都文化コース2年生による鴨沂高校所蔵資料展示解説があり、大変好評でした。

 演劇部、ダンス部、吹奏楽部、合唱部、軽音楽部、OHKIコンテスト等の発表も華やかで、本当に頑張って取り組んでいました。

 HRでの閉会式・表彰式。生徒会から結果発表の瞬間、一瞬の静寂後、クラスから歓声が沸き上がりました。一人一人が頑張った2日間の文化祭でした。

 
 
 

【研修旅行3日目】

 農業体験をしました。ハウス内での作業や支柱立てなどさまざまな作業を、長靴をはいたり農作業着を着たりして取り組んでいました。農業体験終了後は、羊ヶ丘展望台を経て、ホテルガトーキングダムサッポロに向かいました。とても豪華なホテルに生徒たちも大喜びで、お土産を買ったり北海道の最後の夜を満喫していました。

【研修旅行4日目】

 最終日は小樽班別研修を行いました。札幌からバスで小樽に到着し、運河沿いの風景から研修がスタートしました。スイーツやお目当てを見つけて微笑んだりと、思い思いに小樽浪漫の漂う道を散策していました。たくさんの思い出と、笑顔をお土産に、新千歳空港から伊丹に到着し、3泊4日の研修旅行が終了しました。

 お世話になった方々、本当にありがとうございました。

 
 
 

6月12日(月)~15日(木)の日程で第2学年は北海道に研修旅行に行っています。

【研修旅行1日目】

 伊丹空港・神戸空港から飛行機で北海道、新千歳空港に到着しました。京都とは違い少し肌寒いです。午後は行動展示で有名な旭山動物園でした。 みんな熱心に楽しんで動物の様子を観察し、夕方、宿泊する富良野ホテルベルヒルズに到着しました。

【研修旅行2日目】

 午前中は選択別のアクティビティ体験やインドア体験を楽しみました。雨のために予定を変更したコースもありますが、何とか無事に活動を終了しました。午後からは、各クラス北空知近郊地区の農家にお世話になり、ファームステイを行いました。

 
 遠足に行ってきました 【 2023/04/28 】
 
 

4月28日(金)1年生は大森リゾートキャンプ場、2年生はビラデスト今津、3年生はアクトパル宇治に遠足に行ってきました。好天に恵まれ、各学年・各クラス、バーベキューなど親睦を深めていました。

 
 
 

 4月10日(月)、第76回入学式を講堂にて挙行しました。九条家ゆかりの御門を開放し、御来賓や保護者の皆様に御臨席いただく中、これからの3年間、本校で色々な経験をして成長してくれる入学生が、やわらかな春の日差しの中、笑顔で本校に入学してくれました。

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「校長式辞」を掲載します。

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式辞

 若葉の緑がまぶしく輝く春の佳き日に、令和五年度京都府立鴨沂高等学校の入学式を挙行するにあたり、本校PTA副会長 青山 あゆみ 様をはじめ多数の御来賓の皆様並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、高壇からではございますが、厚く御礼申し上げます。

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。みなさんの入学を教職員並びに在校生とともに、心から歓迎いたします。みなさんの心は今、高校生活への期待に満ちあふれていることでしょう。ここに全部で56の中学校から本校に入学された皆さんが集まっています。それぞれの中学校での経験には違いがあると思いますが、共通して言えることはコロナ禍と中学校生活3年間が重なってしまったことではないでしょうか。おそらく、様々な場面で教育活動が制限され、もっとこんなことがしたかったと言う思いを抱いている人もいるかもしれません。どうぞ鴨沂高校でその思いを晴らすべく、何事にも全力で取り組んでください。失敗を恐れず、むしろ失敗から多くを学ぶチャレンジ精神を大いに発揮してくれることを期待します。 

 さて、皆さんが入学された鴨沂高校は昨年度開校150周年を迎えました。今日の入学式と卒業式のみ開門する御門や、茶室は明治時代に旧五摂家のひとつ九条家から譲りうけたもので、この講堂がある棟は昭和10年に建てられた建物を活かしてリニューアルしたものです。伝統と最新の施設設備が融合した教育環境が整ったのは5年前、そして151年目となる本年度は、鴨沂高校の教育の礎である教育目標「世界平和を希求し、すべての人が幸福になりうる社会をめざして、事実に基づき真理を追究し、それに従って実践しようと努力する人間を育成」することはそのままに、スクール・ポリシーのうち、本校の教育方針となるカリキュラム・ポリシーを「未来社会を生き抜くために必要な力を身に付け、自他を尊重し、学ぶ意欲とチャレンジ精神をもって成長しようとする、豊かな感性をもった生徒の育成」とリニューアルしました。また、それに呼応する育てたい生徒像を明確化し、その実現に必要な資質・能力を7つ定め、皆さん自身がどのようにステップアップしていけばよいか目安となる「鴨沂ルーブリック」を作成しました。教科・科目の学習や総合的な探究の時間、あるいは学校行事や部活動などを通して、資質・能力の伸びを実感できるような取り組みを進めてまいります。 

 入学生の皆さんには、2つ心がけてほしいことがあります。

 1つ目は「夢を育てる」ことです。

 人は、知っていることの中からしかやりたいことは生まれてきません。高校で、これまで知らなかった色んなことに興味・関心を持ち、見通しを持って学び、振り返ることで、広い視野を持ち、そこから一生を託せる夢を見つけてください。そして、その夢を実現しようとするとき、現実の世界との接点あるいはギャップが生まれます。そこには、事実に基づき真理を追究する姿勢が求められます。「夢を育てる」とは、夢の実現に向けて実践していこうと努力することです。

  2つ目は「向上心」を持つことです。

 鴨沂高校生として、仲間や先輩、先生方とともに、学習、部活動、学校行事、そして学校を離れても、今より少しずつ「より良く」していこうと思う心「向上心」を持ってください。自他をリスペクトし、みんなとともに「より良く」していくことが、「より良く」生きること、【well-being】すなわち「幸福」に生きることにつながります。みなさんとその周りの人々が「幸福」になることを目指し、今より少しずつ「より良く」していきましょう。

 この2つを心がけ、一日一日を大切にしてください。充実した日々を過ごし、「鴨沂で良かった」と思える素晴らしい高校生活にしていきましょう。ともに鴨沂高校の151年目からの新たな歴史を築いていきましょう。

  後になりますが、保護者の皆様には立派に成長され高校生となられた姿を目のあたりにされ、そのお喜びはいかばかりかと拝察いたします。お子様の、本校ご入学を心からお祝い申し上げます。大切なお子様をお預かりし、教職員一同、安心してのびやかに、しなやかに、たくましく成長できる教育環境を整え、皆様の期待に応えるべく、最大限の努力をしてまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

  結びにあたり、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、並びに保護者の皆様には重ねて御礼申し上げます。本日、御列席の皆様に、本校教育の充実・発展のため、今後とも変わらぬお力添えを賜りますようお願いを申し上げ、式辞といたします。

                           令和5年4月10

                           京都府立鴨沂高等学校

                           校長 松井 佳代美

 
 
 

 本校講堂で、令和5年度「離着任式」及び「始業式」を2学年(新2・3年生)で実施しました。

 離着任式では、離任された方のお名前を校長先生から紹介していただき、また、今年度着任された先生方が壇上に並ばれ、生徒たちにご挨拶いただきました。

 始業式では校長先生の式辞に続き、2・3年生の担任紹介、分掌部長の紹介があり、続いて教務部長、生徒指導部長、進路指導部長が「学期はじめの心構え」について講話をしました。

 今日から始まる新しいスタートに、生徒たちは話しに聞きいって、決意を新たにしているようでした。

 
 
 

20230301 koutyou.jpg 3月1日(水)、第75回卒業証書授与式を講堂にて挙行しました。九条家ゆかりの御門を開放し、御来賓や保護者の皆様に御臨席いただく中、3年間の学びを通してたくましく成長した卒業生が、晴れやかな面持ちで思い出の学び舎を巣立ちました。

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「校長式辞」を掲載いたします。

 柔らかな日差しが春の訪れを感じさせる今日の佳き日に、京都府立鴨沂高等学校 第七十五回卒業証書授与式を挙行するにあたり、本校PTA会長 加納 万友美 様をはじめ御来賓の方々並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、高壇からではございますが、卒業生、教職員一同とともに厚く御礼申し上げます。日頃より本校の教育に深い御理解と御支援を賜り、誠にありがとうございます。保護者の皆様におかれましては、大切に育ててこられたお子様の成長された姿に、感慨も一入のことと存じます。御卒業をお慶び申し上げます。

 ただいま卒業証書を授与しました皆さん、卒業おめでとうございます。今日この日を迎え、卒業生の皆さんは今、どのような思いが胸に去来していますか。おそらく、在学中の印象深い場面が一人一人の脳裏に甦ってきているでしょう。楽しかったこと、うれしかったこと、あるいは辛く苦しんだこともあったかもしれません。しかし、そこには必ず苦楽をともにした仲間の存在があったのではないでしょうか。学校は、人が集まり、人との「絆」をつくる場所です。鴨沂の学びの場で育んだ「絆」をこれからも大切にしてもらいたいと思います。

 皆さんは、世界がコロナウイルス感染症と戦った日々と高校生活3年間が重なる学年となりました。入学当初に約2カ月の臨時休業となり、本来ならば新クラスや部活動で、新しい人間関係を築くための大切な時期に登校できない日々が続きました。ようやく6月に登校できたものの、まだまだ教育活動の制限が続きました。それでも、最初の年には、まさかこのような状況がここまで長引くとはあまり予想できず、私自身も1年程度で元に戻るのではと楽観視していた者のひとりです。しかし、その後も繰り返す感染拡大の波に飲み込まれ、何度も何度も教育活動が制限されてきました。常時マスクを着用し、昼食時も黙食を推奨され、顔の表情がわかりづらい状態で、密を避ける、不要不急は控えるなどの感染防止対策を常に求められてきた3年間でした。

 そのような中で、鴨沂高校では大切なことを見失わないように努めてきました。学校では教科等の学びが重要であることは言うまでもありませんが、学校行事などの特別活動も人間関係形成、社会参画、自己実現を図る上で、非常に重要です。不要不急と言って取りやめるのではなく、皆さんと教職員が一緒になって「今、何ができるか」を常に考え、時期を変え、形を変えながらも、ほぼすべての行事を実施してきたことは、何よりも鴨沂生として誇りに思えることではないでしょうか。遠足は今年度のみでしたが、文化祭、体育祭はこの3年間毎年実施、そして一番の思い出となったであろう北海道への研修旅行も実施できました。このような取り組みを通じて、物理的な密を避けながらも、人間関係は密にできたからこそ、本年度「笑顔満祭」の文化祭、体育祭が成功したのだと確信しています。また、厳しかった制限も徐々に緩和され、本年度は部活動の公式戦やコンクールも開催できるようになりました。高校生活最後の大会は、声援はなくとも、友からの心のこもったメッセージが書かれた旗を掲げて臨み、持てる力を発揮して大きな成果を残してくれました。校長として大変誇らしく思っています。

 この3年間、社会は様々に大きく変革していきました。その一つとして、昨年4月1日より成年年齢が18歳に引き下げられたことが挙げられます。4月の始業式で、皆さんに話したことを覚えていてくれていますか。「成人になるとは、自分の船に乗り込み、自分の力で漕ぎ出すようなイメージで、自分でオールを動かさなければ前に進みません。ただ、まだそこは学校という大きな港の中、皆さんが進むべき航路へと、水先案内人として先生方が導きます。」と伝えました。今、ここにいる皆さんは3月末までに全員18歳成人となります。今日、鴨沂高校という港を離れ、いよいよ大海原に漕ぎ出す日を迎えました。前途洋々、自分のコンパスを信じ、前へ進んできましょう。大きな帆を上げれば、皆さんを支援してくれる風が吹くでしょう。時には、逆風が吹いたり嵐に巻き込まれたりすることもあるかもしれません。しかし、鴨沂高校で培った「今、何ができるか」を考えて、困難に立ち向う精神を発揮し、仲間とともに乗り越えてください。また、大海原ではたくさんの新たな出会いがあるでしょう。思わぬところで、鴨沂高校の大先輩である同窓生の方々に出会えるかもしれません。そんな時、自分たちは150周年記念式典に出席した学年だと高校時代を話してみてください。同窓生として同じ学年の横の繋がりだけでなく、150年を超える歴史を持ち、多くの優れた人材を輩出してきた鴨沂高校だからこそ、大先輩との縦の繋がりは、みなさんの人生に深みを与えることになるのではないかと思います。大先輩だけでなく、いろんな人と出会い、互いを理解し、そして互いを尊重することで創る「絆」は、人生の宝物となるでしょう。希望と勇気をもって、「絆」という宝探しの航海に出かけてください。

 多くの多様な人と互いに理解し尊重して「絆」を深めることは、教育目標に掲げる「世界平和を希求し、すべての人々が幸福となる社会を目指す」ための礎となります。未だ世界には紛争が絶えず、悲しい出来事も溢れていて、大人たちが全力で取り組んでいても解決に至っていません。そんな甘いことでは到底無理だと思うかもしれませんが、「平和」と「幸福」の追及を諦めてはいけません。一番若い大人であるみなさんを含め、すべての大人たちが手をたずさえて、「絆」のネットワークをどんどんと広げることで、「平和」で「幸福」な社会の礎を築いていきたいと願っています。

 最後に、みなさんが母港(校)に立ち寄りたいと思ったときは、いつでも歓迎いたします。先日の150周年記念式典には府立第一高等女学校卒業の同窓生の方もお越しいただいていました。いつの日か、みなさんが中心となって200周年記念事業を行っていただく日がくるかもしれません。卒業生一人一人の御活躍と御健康を、そして何よりもみなさんの「幸福」を心より祈念し、式辞といたします。

 

                                令和五年三月一日

                                京都府立鴨沂高等学校

                                校長 松井 佳代美