4月10日(月)、第76回入学式を講堂にて挙行しました。九条家ゆかりの御門を開放し、御来賓や保護者の皆様に御臨席いただく中、これからの3年間、本校で色々な経験をして成長してくれる入学生が、やわらかな春の日差しの中、笑顔で本校に入学してくれました。
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「校長式辞」を掲載します。
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式辞
若葉の緑がまぶしく輝く春の佳き日に、令和五年度京都府立鴨沂高等学校の入学式を挙行するにあたり、本校PTA副会長 青山 あゆみ 様をはじめ多数の御来賓の皆様並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、高壇からではございますが、厚く御礼申し上げます。
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。みなさんの入学を教職員並びに在校生とともに、心から歓迎いたします。みなさんの心は今、高校生活への期待に満ちあふれていることでしょう。ここに全部で56の中学校から本校に入学された皆さんが集まっています。それぞれの中学校での経験には違いがあると思いますが、共通して言えることはコロナ禍と中学校生活3年間が重なってしまったことではないでしょうか。おそらく、様々な場面で教育活動が制限され、もっとこんなことがしたかったと言う思いを抱いている人もいるかもしれません。どうぞ鴨沂高校でその思いを晴らすべく、何事にも全力で取り組んでください。失敗を恐れず、むしろ失敗から多くを学ぶチャレンジ精神を大いに発揮してくれることを期待します。
さて、皆さんが入学された鴨沂高校は昨年度開校150周年を迎えました。今日の入学式と卒業式のみ開門する御門や、茶室は明治時代に旧五摂家のひとつ九条家から譲りうけたもので、この講堂がある棟は昭和10年に建てられた建物を活かしてリニューアルしたものです。伝統と最新の施設設備が融合した教育環境が整ったのは5年前、そして151年目となる本年度は、鴨沂高校の教育の礎である教育目標「世界平和を希求し、すべての人が幸福になりうる社会をめざして、事実に基づき真理を追究し、それに従って実践しようと努力する人間を育成」することはそのままに、スクール・ポリシーのうち、本校の教育方針となるカリキュラム・ポリシーを「未来社会を生き抜くために必要な力を身に付け、自他を尊重し、学ぶ意欲とチャレンジ精神をもって成長しようとする、豊かな感性をもった生徒の育成」とリニューアルしました。また、それに呼応する育てたい生徒像を明確化し、その実現に必要な資質・能力を7つ定め、皆さん自身がどのようにステップアップしていけばよいか目安となる「鴨沂ルーブリック」を作成しました。教科・科目の学習や総合的な探究の時間、あるいは学校行事や部活動などを通して、資質・能力の伸びを実感できるような取り組みを進めてまいります。
入学生の皆さんには、2つ心がけてほしいことがあります。
1つ目は「夢を育てる」ことです。
人は、知っていることの中からしかやりたいことは生まれてきません。高校で、これまで知らなかった色んなことに興味・関心を持ち、見通しを持って学び、振り返ることで、広い視野を持ち、そこから一生を託せる夢を見つけてください。そして、その夢を実現しようとするとき、現実の世界との接点あるいはギャップが生まれます。そこには、事実に基づき真理を追究する姿勢が求められます。「夢を育てる」とは、夢の実現に向けて実践していこうと努力することです。
2つ目は「向上心」を持つことです。
鴨沂高校生として、仲間や先輩、先生方とともに、学習、部活動、学校行事、そして学校を離れても、今より少しずつ「より良く」していこうと思う心「向上心」を持ってください。自他をリスペクトし、みんなとともに「より良く」していくことが、「より良く」生きること、【well-being】すなわち「幸福」に生きることにつながります。みなさんとその周りの人々が「幸福」になることを目指し、今より少しずつ「より良く」していきましょう。
この2つを心がけ、一日一日を大切にしてください。充実した日々を過ごし、「鴨沂で良かった」と思える素晴らしい高校生活にしていきましょう。ともに鴨沂高校の151年目からの新たな歴史を築いていきましょう。
後になりますが、保護者の皆様には立派に成長され高校生となられた姿を目のあたりにされ、そのお喜びはいかばかりかと拝察いたします。お子様の、本校ご入学を心からお祝い申し上げます。大切なお子様をお預かりし、教職員一同、安心してのびやかに、しなやかに、たくましく成長できる教育環境を整え、皆様の期待に応えるべく、最大限の努力をしてまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。
結びにあたり、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、並びに保護者の皆様には重ねて御礼申し上げます。本日、御列席の皆様に、本校教育の充実・発展のため、今後とも変わらぬお力添えを賜りますようお願いを申し上げ、式辞といたします。
令和5年4月10日
京都府立鴨沂高等学校
校長 松井 佳代美