高等部

(高)理療科 スポーツ選手の怪我ってどんな状態?

 みなさん、こんにちは。スポーツ大好き理療科教員です。今回は、スポーツ選手にフォーカスを当てて、体の構造についてお話していきたいと思います。

 新聞やニュースで見かけるスポーツ選手の怪我ですが、名前が難しくて「何のことだかさっぱりわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
 今回は、話題沸騰中の大谷翔平選手の怪我についてお話していきたいと思います。
 インターネットで調べてみると、ここ数年で右肘の内側側副靱帯損傷と左肩の関節唇断裂の手術をしているようです。野球選手というと、肘・肩の怪我はとても多いように感じます。
 この2つの怪我の名前を見て「内側側副靱帯」「関節唇」が何なのかがわかれば、どんな怪我かわかりそうな気がします。
 では早速、解説していきたいと思います。

 初めに、「内側側副靱帯」についてです。
 簡単に説明すると、肘の内側を縦に張っている靱帯で、肘の関節が動き過ぎないように外方向の制限をかけています。靱帯は全身のいたるところにありますが、基本的には関節が動き過ぎないように制限する役割があります。
 野球の投球動作は肘の外反(外側方向)にとても負荷がかかる動作であり、肘の内側にある内側側副靱帯を損傷する可能性が非常に高いです。
 野球選手の肘の怪我としてはとても多いようで、練習内容や身体的ケアがとても重要になるようです。

【写真】内側側副靭帯

 最後に、「関節唇」についてです。
 まず、関節について簡単に説明すると、ある骨の凹に別の骨の凸がはまってできています。動きは関節の種類によって様々で、肩関節についてはあらゆる方向に動く特徴があります。あらゆる方向に動くためか、肩関節の凹は浅い窪みになっていて、骨と骨の接触だけではすぐに外れてしまいそうです。
 そこで、出番がくるのが「関節唇」。「関節唇」は、浅い凹の周縁を縁どる軟骨で、凹の深さと大きさを広げる役割があります。これで、関節がすぐに外れないようにしてくれているわけです。

【写真】肩関節関節唇


 ここまでくると、なぜ大谷翔平選手が関節唇を断裂してしまったのかが想像できるのではないでしょうか。
 野球選手は肩をよく動かします。それも、非常に強い瞬発力で投球をします。大谷翔平選手でしたら160kmを超える投球の負荷が肩にかかっていると考えると、軟骨でできた「関節唇」が断裂しても不思議ではないように感じます。

 今回は、スポーツ選手の怪我から体の構造についてお話させていただきました。今回の内容については、理療科1年生の1学期の間に勉強する体の構造で、生徒たちはニュース等を見ながら、体の構造をイメージしているかもしれません。
 理療科で勉強する「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧」では、今回取り上げた怪我を治すことはできませんが、怪我予防などでアスリートに対して施術を行うことはできます。

 また機会がありましたら、色々と語らせてもらえたら嬉しいです。 

理療科では、視覚に障害のある方で就労にお困りの方の入学相談を随時募集しています。お気軽にご相談ください。
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