2月28日金曜日、第76回卒業証書授与式をおこないました。

  3年間、学習に、部活動に、学校行事に全力で取り組み、大きく成長した皆さんを心から祝福します。
  以下に答辞を全文掲載いたします。

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答辞 

 冷たかった風は穏やかになり、暖かい日差しが近くを流れる桂川の水面をきらきらと照らし、春の到来を間近に感じられる季節となりました。優しい陽の光が満ちたこの善き日に卒業式を迎えられたことを、大変嬉しく思います。そして、ご多忙の中ご臨席くださいました皆さまに、卒業生一同、厚く御礼申し上げます。

 思い返してみると、入学してから今日までの三年間はあっという間に過ぎていきました。新しく出会った仲間たちと、協力したり、時には意見がぶつかることもあったりしながら、この桂高校で様々な経験を重ねてきました。そんな仲間たちともう別れるときがきたのだと思うと、とても寂しく感じます。それでも私たちは、輝く未来を前に、大きな一歩を踏み出します。

 一年生の頃は、感染症予防のためにマスクをしていたため、なかなかお互いの素顔がわからないまま学校生活を過ごしました。今までと違う環境で友達ができるかどうか、難しくなった授業やテストについていけるのか、レベルの上がった部活動ではがんばっていけるのか、不安で頭がいっぱいになることもありました。しかし、クラスメイトや先輩は皆優しく、授業にも部活動にも自分から積極的に参加することで、そういった不安は自然と消えていきました。今では、あの頃の自分は心配し過ぎだったかな、とも思いますが、それもきっと私たちを成長させる大切な経験であったと感じています。

 専門学科での学びがスタートした時、座学では初めて聞くような農業の用語が多かったり、友達や先生に相談しながらとうもろこしの栽培を行なったり、たくさん汗を流しながら夏の実習に取り組んだりと、大変なことが多く苦労しました。そんな中、地域を回って野菜を販売しに行った際に、地域の方々から、「桂高校の野菜は新鮮で美味しい」「販売している姿を見ると活力をもらえる」と温かいお言葉をいただいたことは、ますます頑張ろうと思える原動力になりました。

 二年生になると、感染症の収束とともにマスクなしでの学校生活になり、ようやくみんなの顔を見ることができるようになりました。マスク越しではわからなかった表情が見えて、より一層友達との仲が深まった気がしました。そして、冬には待ちに待った一大イベントがありました。北海道での研修旅行です。人生で初めて乗った飛行機からの眺めは美しく、目を奪われました。慣れないスキーに苦戦したり、非日常的な空間で友達と美味しいご飯を食べたりと、貴重な経験をすることができました。また、空港で思い出を語り合ったり、お土産を選んだりと楽しい時間を過ごしました。

 新しくTAFSが始まり、先輩方と関わることが多くなっていきました。TAFSでは、やってみたいことの実現のために先生や地域の農家の方々など、色々な人の助けを借りました。また、大会では率先して発言し、何度も助けてくれた先輩方のようになりたいと強く思い始めました。そして、二年生の最後に先輩なしで行った発表はまだ課題も多く、改めて先輩方のすごさを実感し、ますます憧れるようになりました。

 三年生の文化祭では、どのクラスも体育館のステージを使った本格的な劇に挑戦しました。役者として毎日練習したり、宣伝板の制作のために夏休みに何回も学校に行ったりと、それぞれに努力を積み重ねました。このような活動を通じて出来た新たな人間関係や、本番をやり切った時の達成感、クラスメイトの笑顔は、何物にも代え難い宝物になりました。

 新たな後輩もでき、教える側になることが一気に増えました。先輩が卒業して抜けた穴は想像以上に大きく、数々の作業に追われ、帰るのが夜遅くなることも珍しくありませんでした。辞めたい、逃げ出したいと思うことも多々ありました。けれども、遅くまで残って作業している仲間と一緒に夜ご飯を食べて、いろいろなことを語り合っていると、不思議と疲れが吹き飛ぶような気がしました。そして、三年生として臨んだ農業クラブの大会。良い結果で終わった人もいる一方で、結果が振るわなかった人もいました。しかし、どのような結果だったとしても、仲間と協力して精一杯奮闘した経験は、一生心に残る大切な財産になると確信しています。

 そして、いよいよこれからの進路と今まで以上に真剣に向き合う時期が来ました。志望校や就職先を決めるため、何回も先生に相談し、悩み抜いた末の決断は、決して容易なものではありませんでした。志望校を決定した後、親身になって何度も小論文を添削してくださったり、過去問題を用いての実践演習や模擬面接を行ってくださったりした先生方、重圧に押しつぶされそうな時に励ましてくれた友達には、感謝してもしきれません。おかげで本番も落ち着いて、自信を持って試験に立ち向かえました。

 専門学科では、進路実現のために、さまざまな大会やコンテストに出るなど、周りより早い段階で受験や将来を意識した活動を始めることも多くありました。全力で大会に取り組んだ経験や、その過程は間違いなく自分の強みになり、試験でも、その強みを活かして、それぞれに希望進路の実現を果たすことができました。

 家族にもたくさんお世話になりました。毎日朝早くからお弁当を作ってくれてありがとう。美味しいお弁当を食べると、午後も頑張ろうという気持ちが湧いてきました。部活動やTAFSで帰りが遅くなっても、いつも温かいご飯を用意してくれて、その優しさで胸がいっぱいになりました。勉強や進路のことで悩んだ時には、いろいろ相談に乗ってくれたおかげで、克服し乗り越えることができました。反抗してしまうこともあったけれど、それでも支えてくれた両親には、本当に感謝しています。お父さん、お母さん、これから少しずつ恩返しをしたいから、元気に長生きしてください。我儘を言ってしまうときもあるけれど、これからもよろしくね。

 こうして三年間を振り返ると、卒業したくない気持ちも出てきてしまいます。しかし、そう思えるほど素敵でかけがえのない時間を過ごせたのだと思います。そんな思い出や桂高校で学んだことを胸に、私たちは新しい世界へと旅立ちます。どうか、これからも暖かく見守って頂けると嬉しいです。

最後になりましたが、三年間支え導いてくださった先生方、地域の皆さま、そして大切な家族に、卒業生を代表して、改めて心より御礼申し上げます。桂高校で過ごせたこと、本当に幸せに思います。この感謝の気持ちと今後の桂高校の発展を願いまして、答辞とさせていただきます。

 

令和7年2月28日

 卒業生代表 3年1組 海老名恵冴

       3年9組 白澤友貴

 
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