8月27日(火)に2学期始業式がオンラインで行われました。柏木校長先生の式辞では、本校が目指す教育目標の5つの柱の話がありました。その中から、「探究活動と研究の桂の推進」と「地域連携や地域貢献のさらなる充実」の2つを挙げてお話をされました。

~柏木校長先生の式辞より~
 皆さんが、元気に2学期を迎えることができて、大変うれしく思っています。2学期のスタートにあたり、私自身がこの夏休みの間に、見たり、聞いたりしたことから、うれしかったことを紹介し、これからの桂高校を考えてみたいと思います。

― 「探究活動と研究の桂」の推進 ―

 特に専門学科はTAFSや農業クラブの活動を通じて、以前から研究活動に取り組んできました。また普通科においても、総合的な探究の時間を利用して、すべての生徒が探究活動に積極的に取り組んでいます。
 この探究活動は、自らが課題を発見し、解決していくための資質・能力を育成することが目標であり、このような力は、変化の激しいこれからの時代において、重要となってきます。しかし、すべての課題に明確な答えを見つけることは非常に難しいのも現実です。そして、答えを見つけ、課題を解決することができたなら、それを自分自身のこれからの人生や地域社会に還元できれば、こんなに素晴らしいことはありません。たとえ課題解決に結びつかなかったとしても、そのプロセスは、皆さんにとって、大きな成長につながる貴重な経験だと思います。
 そこで、8月21日の京都新聞にも大きく取り上げられた記事を紹介します。
『フジバカマ育苗 桂校生挑む 府絶滅寸前種 猛暑で生育難」』というタイトルで紹介されました。
 秋の七草のひとつで、万葉集や源氏物語にも登場するなど、古来から日本人に親しまれてきたフジバカマという植物があります。フジバカマという名前のとおり、藤色の花をつけ、非常にいい香りがする植物で、昔から匂い袋の材料や、漢方薬の材料にもなってきました。このフジバカマですが、近年の都市開発などで環境が変化し、個体数が激減していることから、京都市内の市民団体が保全に乗り出されました。しかし、最近の猛暑も要因となり、いろいろなウイルスに感染したことで、市民団体が育てる千株の内、約3割が死滅してしまったということです。そこで、今年度、はじめに市民団体の方から、京都市内唯一の農業専門学科を持つ本校に相談があったのがきっかけで、この取り組みがスタートしました。  このフジバカマは、従来から挿し木により、増やしていくというのが一般的で、ウイルスに感染した株から茎を取って増やしてもウイルスに感染したままで死滅してしまいます。そこで、本校の持つバイオ技術を用いて、茎頂培養という手法で栽培することにより、ウイルスに感染していない株を育てようとしています。現在、研究途中ですのでウイルスフリーの株ができれば、画期的なことであり、市民団体の皆さんとコラボしながら、絶滅危惧の植物の保全に貢献しようとする取り組みです。
 これらの取り組みは国内の農業関係者からも注目されており、農業関連企業などで作られた組織のコンテストにおいて、全国一番となる高校生科学教育大賞の最優秀賞を受賞することができ、8月9日に、本校の校長室において、コンテストの主催者と生徒に集まっていただき、受賞式を行いました。
 この取り組みのように、地域の課題に対し、校内で培った研究成果やバイオ技術を融合させ、課題を解決するとともに、最終的には地域社会に還元し、絶滅危惧種の保全、そして、日本の伝統文化の継承に生かしていくという素晴らしい取り組みとして認めていただいたということで、非常にうれしい話題です。農業科の先生方の御指導の賜物であり、何よりも活動グループの生徒の皆さんの努力の成果ではありますが、校長として、非常に誇らしく感じた出来事でした。

― 地域連携や地域貢献のさらなる充実 ―

「地域に根ざし、地域に愛される「地元の高校」を目指し、学力の向上と調和のとれた人格の形成を図る」という目標を掲げています。
 この教育目標は、生徒の皆さんが決めたわけではありません。しかし、教職員は、この教育目標を達成するため、日々の教育活動を展開しています。皆さんもこの教育目標をパンフレットなどで見た上で、桂高校を選び受験し、入学してくれています。つまり、この教育目標は、教職員の目標であると同時に、それを実践していく生徒の皆さんの目標でなければ意味がありません。
 地域の方々が、制服を見れば桂校生とわかります。部活動の服装やバッグに桂高校何々部と書いてあれば、学校名だけではなくクラブ名までわかります。つまり、良い意味でも、悪い意味でも皆さんは、桂高校の看板を背負って、日々生活しているわけです。そんな自覚を持ってください。
 私たち教職員も生徒の皆さんとともに、この桂高校の発展、そして、継続に努力していきますので、一緒に頑張っていきましょう。


  最後になりましたが、いよいよ2学期のスタートです。2学期は、文化祭や体育祭など、クラス全員で協力して取り組む学校行事が待っています。部活動においても、多くの大会や発表会が予定されており、運動部では、新チームとしての大会がスタートします。また、3年生にとっては、いよいよ進路実現に向けての大切な時期となります。
 まだまだ暑い日が続きますが、健康には十分留意し、それぞれの生徒にとって、有意義な2学期になることを願って始業式での挨拶とします。

 その後、教務部長、生徒指導部長、進路指導部長がそれぞれ、2学期のスタートにあたり、生徒の皆さんに注意してほしいことやチャレンジしてほしいことについて話されました。 

 生徒たち一人ひとりが「桂高校の5つの柱」と「桂プライド」を胸に、地域から信頼され愛される桂高校の生徒となってくれることを期待します。

『桂高校の5つの柱』
❶学力の向上と希望進路の実現
❷学習と部活動の高いレベルでの両立
❸「探究活動と研究の桂」の推進
❹生徒の自主活動の推進
❺地域連携や地域貢献のさらなる充実。

 

 
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