災害の教訓から学ぶ

 29年前の1月17日に「阪神淡路大震災」が発生しました。12年前には「東日本大震災」、8年前には熊本地震が起こりました。そして元日に能登半島を襲った地震。これらの地震は、どれも最大震度7の大地震です。

 先日、地震を想定した避難訓練を実施しました。子どもたちは、事前学習を踏まえ、教職員の指示をよく聞き、約束事をしっかり守って訓練ができました。その態度は立派でした。

 東日本大震災では、被災された多くの学校でかけがえのない命を救ったのは、子どもたち自身の判断と素早い避難行動であることが明らかになっています。一人で自宅から自主的に避難した子。揺れが収まっても避難しない家族を説得して避難した子。また、避難場所を巡って意見が分かれながらも安全を優先し、釣りをしていた岸壁から高台に避難した同級生の仲良しグループなど、日頃の訓練で学んだことを生かして身に付けた主体的な判断と行動が多くの命を救ったのです。

 本校では、年間に何回も様々な状況を想定し、避難訓練を行っています。2学期には遊歩時の避難訓練を行い、教職員の引率がない場合に、自ら安全な避難行動をとる訓練をしました。いざというときのために真剣に訓練に臨み、体で覚えることはとても大事なことです。知識としての安全を受け身ではなく、自分の命を守り、さらに社会の一員として意識して行動することで、多くの命を救うことにつながります。

 しかし、本当の災害は訓練とは違います。突然襲ってきます。避難訓練の際には、「実際には、震災で停電になり、避難放送ができないかもしれない」、「指示を出してくれる大人が近くにいないかもしれない」、「避難する経路が障害物で閉ざされているかもしれない」という話を子どもたちにしました。そんな時は、誰の指示がなくても、自ら考え、判断し、安全に避難する必要があります。

「助けられる人から助ける人へ」の転換は、一人では生きられない人間にとって私たちの生き方そのものに関わることです。それだけに、学んだことを日々の生活に生かすことが、学校だけでなく、生活の拠点である家庭や地域においても求められます。

 ご家庭でも、災害時の避難経路や連絡体制を確認したり、非常用リュックを用意したりするなど、準備や対策をしていただきますようお願いします。

                                                              校長 北村 宏司

教職員一同

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