災害の教訓から学ぶ

28年前の1月17日に「阪神淡路大震災」が発生しました。子どもたちが生まれるずっと前のことです。12年前の3月11日に「東日本大震災」が起こりました。5年生以下の子どもたちはまだ生まれていません。これらの地震は、規模はどちらも震度7でしたが、揺れ方も特徴もまったく異なる自然災害です。 

昨日、本校では地震を想定した避難訓練を実施しました。子どもたちは、教職員の指示をよく聞き、約束事をしっかり守って訓練ができました。その態度は立派でした。

東日本大震災では、被災された多くの学校でかけがえのない命を救ったのは、子どもたち自身の判断と素早い避難行動であることが明らかになりました。震災前は多くの学校の避難訓練では、放送をよく聞き、指示に基づいて安全に避難することが重点でした。

本校では、2学期に遊歩時の避難訓練を行い、教職員の引率がない場合に、自ら安全な避難行動をとる訓練をしました。ただ、その時は放送で指示が入りました。いざというときのために真剣に訓練に臨み、体で覚えることはとても大事なことです。知識としての安全を受け身ではなく、自分の命を守り、さらに社会の一員として意識して行動することで、多くの命を救うことにつながります。

しかし、本当の災害は訓練とは違います。「実際には、震災で停電になり、避難放送ができないかもしれない」、「指示を出してくれる大人が近くにいないかもしれない」という話を今日も子どもたちにしました。そんな時は、誰の指示がなくでも、自ら考え、判断し、安全に避難する必要があります。

「助けられる人から助ける人へ」 の転換は、一人では生きられない人間にとって私たちの生き方そのものに関わることです。それだけに、学んだことを日々の生活に生かすことが、学校だけでなく、生活の拠点である家庭や地域においても求められます。

ご家庭でも、災害時の避難経路や連絡体制を確認したり、非常用リュックを用意したりするなど、いつでも対応できるように、準備や対策をしていただきますようお願いします。

校長 北村 宏司

教職員一同

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