中井 蒼空
北海道での共進会に参加させていただくことができるとわかったときから、楽しみで楽しみでしょうがありませんでした。日が近づくにつれ、本場北海道の酪農家さんのところで、共進会に出る牛の管理だと考えると、緊張が増してきました。
作業は、最初の荷下ろしから始まり「いよいよ始まる」という高揚感がありました。私がお世話になった「大樹町」の同志会の方々は大変優しくしてくださり、過度な緊張感は和らぎ、作業を楽しむことができました。また、一つ一つの作業の意味を考え、「大樹町」の出品牛のために頑張りました。
私は今回のウインターフェアにおいて、とても悔いていることがあります。それはリードマンコンテストで、上位入賞できなかったことです。始まる前に先生から「集中しろ」と何回も言われたにもかかわらず、集中しきれず結果を残すことができませんでした。集中できなかったというより、「勝つ気持ちが全然足りなかった」と、猛省しています。どんな時でもどんな状況でも「強い気持ち」を持って、「絶対に勝つ」と自分を鼓舞して挑まなければならないのに、不甲斐ない自分にとてもガッカリしています。前日の夜のリードマン講習会では、名だたる牧場のレジェンドと言われる酪農家の皆様に、丁寧に教えていただいたのに、それを最大限活かせなかった自分に、本当にガッカリしています。「絶対に勝つ」と思わなければならないのは、そこに至るまでに多くの人の努力や夢や想いがあるからです。私一人でその場に立っているわけではないからです。多く人の気持ちに報いるために、私は「勝つ」という気持ちを忘れてはいけなかったのです。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
このように私にとっては心苦しい大会でしたが、本場の北海道の牛群レベルの高さを目の当たりにできたこと、大樹町の皆様の暖かさに出会えたこと、乳牛と本気で向き合う人たちに出会えたことは、とても良い思い出です。この全ての想いを心に留め、来年10月、必ず北海道の地に立ち、雪辱を果たします。
最後になりましたが、このような機会を与えてくださった「十勝乳牛改良同志会連合会」の皆様、本当にありがとうございました。
立木 蒼乃
私は今回、北海道ウィンターフェア後継者育成事業に参加して、たくさんのことを学びました。初めての共進会で、何をすればいいのかも全くわからず、会う人たちも初めての方ばっかりで、ワクワクよりも緊張の方が大きかったです。
大会の前は、「牛を汚さないようにすること」しか知らなかったのですが、本番で自慢の牛を最高の状態で見てもらえるように、やることがたくさんありました。あまり餌を食べていないようなら、餌の種類を変えてあげて、食べるものを与えることや、出場時間に合わせてタイミングを見計らって搾乳をすること、餌を工夫してお腹の張りを強調させることなど、牛の体調やそれぞれの牛の特徴を考慮して大会に備えることを知りました。
牛が汚れないように一緒に見ていた大学生の方は、牛が糞や尿をしようとした瞬間に素早く反応して、バケツで受け取るまでのスピードがとても速くて驚きました。「牛を絶対に汚さない!」という強い気持ちが伝わってきて、私も頑張りました。一人一人が、「この牛が絶対に勝つんだ」と思い行動されているのだと分かり、私もその一員にならなければと思いました。
そして、リードマンコンテストにも初めて出場しました。前日の夜のリードマン講習会で、歩くスピードや牛の背筋を真っ直ぐにする方法などを教えていただき、牛が優雅にきれいに見えるような「見せ方」も大切なのだと知りました。コンテスト自体は、とても緊張していて、ほとんど覚えていませんが、終わった後の「やりきった感」は、とても心地よかったので、また挑戦したいと思います。他のリードマンの方たちは、牛の首が安定していたり、足の揃えが上手だったりなどし、私はどのようにすれば牛がきれいに見えるのかを考えるようになりました。これも講習会を開いてくださったので、様々な視点からリードを観察できるようになったからだと思います。また学校でも練習を重ね、牛の良さを上手く見てもらえるリードマンになりたいです。
この2日間は、本当に初めてのことばかりで、戸惑うこともたくさんあり、たくさん迷惑をかけたと思いますが、皆さんに本当に優しく親切にしていただき、多くのことを学ぶことができました。今回の経験で、自分自身の改善点も見つけることができ、これからの自分が楽しみになってきました。今回、本当にお世話になった「帯広市川西」の同志会の皆様、このような機会を設けてくださった「十勝乳牛改良同志会連合会」の皆様、本当にありがとうございました。