1年生

『おむすびころりん』
いもとようこ/文・絵 岩崎書店
みんなよく知っている日本の昔話ですが、結末のパターンがいろいろあるそうです。こちらのお話は、最後にとなりのよくばりじいさんがもぐらになってしまいます。いもとようこさんの柔らかなタッチのかわいらしい絵も、ほっとしますね。
いすをぎゅっと前に寄せて、反応豊かにしっかりと聞いてくれました。
2年生

『へびのニョロリンさん』
富安陽子/ぶん 長谷川義史/え 童心社
今回も干支にちなんでの1冊です。
「長谷川義史さんの絵だ!」と子どもの声。みんなたくさん読み聞かせをしてもらっているので、よく知ってますね。
お話は前回の『へびのクリクター』とよく似ています。おばあさんが自分の家の屋根裏に住む、へびのニョロリンさんとなかよしになります。おしゃべりできるニョロリンさんはおばあさんと一緒に朝ご飯を食べ、お散歩にも出かけます。ある日、家にどろぼうが入ります。「こんばんは、なにかごようニョロか?」暗闇でニョロリンを座布団だと思ったどろぼうは、おどろいて逃げ帰りました。
ニョロリンさんがとぐろをまいて正座をする場面では「正座やって!」と、どろぼうが泡をふいて倒れる場面では「つばはいてる!」とかわいい反応がありました。
3年生

「長~~いお話を読んでもいい?」と聞くと、「いいよー!」と元気に返してくれました。
1冊目は
『わゴムはどのくらいのびるかしら?』
マイク・サーラ―/文 ジェリー・ジョイナー/絵 ぽるぷ出版
「長い」と言ってもお話の長さではありません。
「あるひ、ぼうやは、わゴムがどのくらいのびるか、ためしてみることにしました。」
ベッドのわくにわゴムを引っ掛けて、部屋の外へ。自転車に乗って、バスに乗って、汽車に乗って、飛行機に乗って、船に乗って、ロケットに乗って……。わゴムはどんどん伸びていきます。
いろいろなツッコミを入れつつ、想像をふくらませて楽しんでくれていました。
2冊目は
『まあちゃんのながいかみ』
たかどの ほうこ/作・絵 福音館書店
こちらも想像力豊かな1冊です。
まあちゃんの髪はおかっぱです。もしも、まあちゃんが髪を「もっと、ずっとずっとずっとずっと、ずうーっと」のばしたら……。その長い髪で魚釣りができちゃいます。牛だって捕まえられるし、くるまって寝袋にもなります。「そんなにながかったらあらうのがたいへんじゃない?」、「だけど、ふだんはじゃまじゃない?」友達が言います。でも、まあちゃんはへっちゃら!シャンプーをつけて洗うと雲まで届く大きなソフトクリームに、じゃまな時はパーマをかけて森の生き物たちのすみかになります。「それってたしかにとってもいい……」と友達もうっとり。
1冊目と同じく、ツッコミを入れつつ楽しんでくれていました。
4年生

『うろおぼえ一家のおかいもの』
出口かずみ/作 理論社
あひるのうろおぼえ一家はみんなそろって何から何までうろおぼえ。そんなうろおぼえ一家がお母さんに頼まれておつかいへ。でも、何を買うのか思い出せません。うろおぼえで、「しかくい」もの、「おもい」もの、「しまる」もの、「つめたい」ものを買って帰ります。「つめたい」アイスはたくさん買ったので、食べるのが大変!「うちにれいぞうこがあれば…」「こんどかいにいきましょう」。…って、あれ!?冷蔵庫を買うはずだったのでは?うろおぼえ一家がちゃんと冷蔵庫を買える日はやってくるのでしょうか…。
うろおぼえ一家みんなが終始とぼけていて、思わず笑ってしまいます。子どもたちもニコニコ(ニヤニヤ?)しながら聞いてくれていました。
『うし』
内田麟太郎/詩 高畠純/絵 アリス館
「それ知ってるよ!」との声が聞こえました。
「うし うしろをふりかえった
うしがいた
そのうしろのうしもうしろをふりかえった」
たくさんのうし。
「うしどもはあきれはててつぶやいた
もう」
なんだか楽しくなりますね。子どもたちも笑顔で聞いてくれていました。
5年生

『かえるをのんだととさん(日本の昔話)』
日野十成/再話 斎藤隆夫/絵 福音館書店
ある日、おなかが痛くなったととさんはおしょうさまに「どうしましょうかのう」と聞きました。すると、「はらのなかにむしがいるせいじゃ」とかえるを飲むように言われます。かえるを飲んだととさんは、今度は「かえるがはらのなかをぺたらくたらあるくのできもちがわるくてたまらん。どうしましょうかのう」とおしょうさんに聞きます。すると、「へびをのむといいぞ」と言われ…。
普段は反応がおとなしい5年生ですが、楽しんで聞いてくれているようでした。最後には拍手をいただきました。
6年生

『からすたろう』
やしま たろう/文・絵 偕成社
作者の八島太郎さんは画家であり、社会運動家としても活動していた方です。第二次世界大戦がはじまる少し前(1939年)に渡米されました。この『からすたろう』はアメリカで出版され、コールデコット賞次席を受賞しています。
舞台は戦前の小学校。学校になじめず、みんなからのけものにされていた「ちび」と「いそべ先生」の出会いを描いたお話です。「ちび」の担任である「いそべ先生」は彼の自然や物事への高い観察力に気づき、みんなにその長所を伝えます。そして、みんなは今までの自身の言動を恥じ、「ちび」を受け入れます。
あとがきには、「恩師にささげる」とあり、八島太郎さんの実際の恩師二人の想い出をあわせて「いそべ先生」をつくったそうです。作者の強い思いが伝わってくる、ぐっと心が動かされる絵本です。みんなも一生懸命聞いてくれていました。