「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「うろおぼえ一家のおかいもの」
作)出口かずみ   理論社


お父さんにお母さん、お兄さんに弟、妹。揃いも揃って<うろおぼえ>が多いあひるの一家は、ある日、お母さんから買い物を頼まれて出かけたけれど、何から何までうろおぼえ。道中ヒントをもらいながら、はてさてどんな結末になることやら。

「うろおぼえって何かわかる?」「なんとなくおぼえているってこと?」
楽しいやりとりとともに、お話が進んでいきます。
最後には「ぼくといっしょや!」との声も。
目指していた結果が得られなくても、現状に満足できる広いゆったりとした心持で、ほのぼのとさせてもらえるお話です。

2年生
「おそばのくきはなぜあかい」
作)石井桃子    岩波書店


昔、冬の大きな川のそばで、そばとむぎが老人に出会います。老人は、おぶって川を渡ってほしいと頼みます。むぎは断りますが、そばは、川の向こう岸へ老人をおぶって冷たい川を渡ったので茎が赤くなってしまいます。その老人は穀物の神で、そばは荒地でも育つよう、むぎは寒い冬に雪をかぶらなければならないようにしたというお話。おそばの足は冷たい川の中で凍えたので、赤くなったと言われています。

美山ではおそばの白い小さな花が咲いているのを、見たことがある子どもが多いでしょうが、実際に花を持ってきていただいて、茎が赤いことを初めて知った子もいたようです。実も見せていただいて、その実が粉になりおそばとなることも知りました。おそばに興味津々の様子でした。


3年生
「オニのサラリーマン じごく・ごくらく運動会」
作)富安陽子          福音館書店


美山小学校の運動会は終わりましたが、オニの世界でも親善運動会の日がやってきました。白組、ほとけさんたちの”ごくらくチーム”と赤組、オニさんたちの”じごくチーム”が玉入れ合戦に綱引き、借り物競走、騎馬戦と大奮闘! お弁当の後はいよいよ勝負を決める最後の競技、かけっこです。声援にこたえて走るお父ちゃん。さて、勝つのは”ごくらくチーム”か”じごくチーム”か?・・・

最初は静かに聞いていましたが、奇想天外な展開に思わず黙っていられなくなる子どもたち。やっぱり運動会は、だれでも楽しめるものですね。


4年生
「せかいのひとびと」
作)ピーター・スピアー    評論社

私たちのこの地球には、いったいどんな人たちが暮らしているんだろう? 体の大きさ、肌の色、顔の形、住んでる家、好きな遊び、話す言葉…。世界にはさまざまな民族、風習、言語、文化などがあることを、やさしく説明。それぞれがちがっていることの素晴らしさを伝える大型絵本。アダムとイヴの楽園からはじまり、宇宙まで広がるこの世界の様々な「ちがい」が、何度も読み返してもあきることのない精緻で丁寧に描きこまれた絵で表わされています。

世界に目を向けるきっかけになってほしい本です。
こんなにたくさんの人が住んでいて、そして一人一人が違っていて、みんなステキだということが伝わってきます。その思いをずっと持ち続けていてほしいです。


5年生
「りゆうがあります」
作)ヨシタケシンスケ   PHP研究所

この絵本の主人公である男の子は、鼻をほじるクセがあります。なので、いつもお母さんに注意をされてしまいます。注意をされる理由は、お行儀が悪いから。男の子は、逆に鼻をほじる理由があればと考えます。男の子のユニークな発想とお母さんのさらっとした切り返しが面白いです。


「あるかしら書店」
作)ヨシタケシンスケ   ポプラ社

書店の店主が、お客の「あるかしら?」にたいてい「ありますよ」と本を差し出してくれる。「あったらいいな」という夢いっぱいの本が、次から次へと出されてきます。ますます本っていいよねと言いたくなるような一冊です。

ヨシタケシンスケさんの本は、子どもたちにも大人気。いつもたくさん借りられています。読み聞かせてもらうのは、自分で読むのとは違った楽しさがあり、みんな引き込まれて聞き入っていました。



6年生
「たのきゅう」
作)松谷みよ子   童心社

むかしむかし、『たのきゅう』という旅芝居の役者がおりました。ところがある時、母親が病気になったので、たのきゅうは急いで故郷に帰ることになりました。途中、山の麓の茶屋で「夜の山にはウワバミが出て人間を喰ってしまう」という話を聞きましたが、先を急ぐ『たのきゅう』は構わず歩き続けました…。
 

紙芝居を表現力豊かに面白おかしく聞かせていただき、紙芝居の魅力を堪能しました。特にウワバミとの知恵比べでうまくだます最後のオチでは、思わず胸がすく思いがしました。病気の母親を思いやり、怖い夜道もいとわない『たのきゅう』の優しさは、きっと子どもたちの心に届いたことでしょう。

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