1年生
「おうちくん」
作)カワダ クニコ 303BOOKS
丘の上に並んで建っている、仲良しのきいろいおうちくんとあかいおうちくん。しかし、楽しく暮らしていた、ふたりに、悲しい別れのときが訪れました。希望を失いかけたとき、きいろいおうちくんを最後に待っていたのは……!?
今日も楽しい反応がずっと続きました。最後の場面では、思わず拍手も起こりました。子どもたちの心に、しっかりと届いたのですね。
2年生
「ねえ、どれがいい?」
作)ジョン・バーニンガム 評論社
「ねえ、どれがいい?」と問いかけながら、次々と繰り出される奇想天外な選択肢。子どもたちは「どれもイヤ」と言いながら、大喜びであれやこれや悩みます。
子どもたちの悩み方が、とても楽しいです。なんとなく、自然の中を選んでいるように思うのは、美山に住む子どもたちならではかもしれないですね。
「おやすみ みみずく」
作)パット・ハッチンス 偕成社
みみずくが眠ろうとすると、昼間の鳥たちのにぎやかなさえずり声で眠れません。さてさて、どうなることでしょう?
最後のオチを予測した子もいて、お話の世界に入り込んでいました。
3年生
「うみへ やまへ」
作)三浦太郎 偕成社
「ぼく」は家族で白い車に乗って出発します。牧場をこえて、田んぼの一本道を通り、街なかをすぎて、大きな橋をわたったら……灯台が見えてくる!
山沿いの家から海辺の町へむかう道中の風景が、美しい絵と日記ふうの文体でえがかれています。
この絵本には、もうひとり主人公がいます。
本をうしろから開くと、海辺にすむ「わたし」があかい車に乗って、母方の祖父母を山のふもとへ訪ねるお話になるのです。
前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本です。
ひとつのお話が終わったと思ったら、同じ絵でまた後ろからお話が始まります。その不思議さに引き込まれて、静かに聞き入っていました。
4年生
「これは すいへいせん」
作)谷川俊太郎 金の星社
”これはすいへいせん”の一文から始まって、ページをめくるごとに、つぎの文がくっつき最後はとても長くなる、“つみあげうた”の言葉あそび絵本です。
行が増えるたびに、子どもたちのテンションが上がっていくのが感じられました。
5年生
「おはなしのたねをまくと・・・」
作)クラウディオ・ゴッベッティ 工学図書
「おはなしのはじまり」のお話し。
おはなしは、時間をかけ、手をかけて育てられ、本という形になって、図書館へやってくる。それまでにたくさんの旅をしてくるという、本への驚きと読むことの嬉しさをイメージ豊かなイラストで描かれています。
このお話を読み聞かせてもらった子どもたちが、ぜひこんな本に出合えてほしいです。
6年生
「牧野富太郎ものがたり 草木とみた夢」
作)谷本雄治 出版ワークス
NHKの朝ドラでも有名になった、小学校中退の独学で日本初の本格的な植物図鑑を送り出し、「日本の植物学の父」とよばれた牧野富太郎。
貧しさや困難に見舞われながらも「草を褥に木の根を枕 花と恋して九十年」の言葉どおり、ひたむきに植物を愛し、その魅力を伝えることに情熱をそそいだ生涯を、簡潔な文と美しい絵で描く、伝記絵本です。
静かに聞き言ってくれた子どもたちには、きっと牧野富太郎さんの生き方が伝わったっことでしょう。