1年生
「どうぞのいす」
作)香山 美子 ひさかたチャイルド
うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰り広げられるとりかえっこ。
「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本です。
みんなよく知っている絵本でしたが しっかり聞いてくれていました。
愛らしい動物たちが次々に登場し、ページをめくるたびに、食べ物がテンポ良くとりかえっこされていく様子は、何度読んでも愉快です。
温かく優しい絵と共に、みんなの心にも残る絵本なんでしょうね。
年を重ねて そのたびに読むことも 大切だな、と 改めて思いました。
「せんたくかあちゃん」
作)さとうわきこ 福音館書店
洗濯が大好きなかあちゃんは洗濯板で、家中のものすべてを洗ってしまいます。
子どもたち、猫や犬、靴や傘まで、みんな洗濯して干されています。
干された子どものへそを狙って雷さまが落ちてくると、かあちゃんは雷さままで洗濯!
ゴシゴシ洗ったので、雷さまの顔からは、目も鼻も口もきれいさっぱり。
でも大丈夫、かあちゃんに新しい顔を描いてもらい大満足で、空に帰っていきました。
しかしその翌日、さらにびっくりすることが……。
こちらも 何度も読んで よく知っている絵本でしたが それでも ずらりと洗濯物を干す場面はみんなの興味を引くようで 身を(顔を!)のりだしてみてくれていました。
2年生
「ルラルさんのにわ」
作)いとうひろし ほるぷ出版
ひとりぐらしのおじさん・ルラルさんが大切にしているにわ。
どんなものが入ってきても、ゆるしません。ところが、ある朝――。
丸太がワニだったことに みんなちょっとおどろいたみたいで 「えっ!」「もう一回もどって」「ほんまや」と 楽しんでくれていました。
「ひめさま! じいがかぜをひいたでござる」
作)丸山 誠司 光村教育図書
風邪をひいたじいのため、特産物を届けに 全国からやって来た忍者たちが言うことには、じいは、お腹がにやにやする、歯が走っている、と。
心配した姫様は…。
忍者がもってくる特産物で どこの地方かは だいたいわかりますが「おなかがにやにや」とか「むねがはっかはっかする」などの方言は なんのことだかよくわかりませんね。
最後にどういう意味か、どんな時に使うのか 忍者の解説がありますが 2年生には ちょっとむずかしかったかもしれません。
ちなみに このストーリーは、東日本大震災後、全国から応援にかけつけた医師たちが、症状を聞き取っても方言がわからず苦労したというエピソードをヒントに生まれたそうです。
3年生
「こびとのくつや」
グリム童話 西村書店
正直者の靴屋さん。でもだんだん貧しくなり、ついに靴一足分の皮だけになってしまいます。
ところが翌朝、不思議なことに見事な靴ができていて、すぐに売れました。
同じことが続いたある夜、靴屋さんが工房をのぞいてみると、二人のこびとがあらわれて・・・。
グリム童話のお話で 定番なのですが あまり知っている子はいなかったようでした。
いろいろな人が挿絵を描いているので、読み比べも楽しいです。
この絵本は やさしく 暖かさをさそう絵なのでじっくり見てほしかったので 間合いをしっかりとって 読むようにしました。
4年生
「星どろぼう」
作)アンドレア・ディノト ほるぷ出版
星が欲しくてたまらなかったどろぼうは すべての星を盗んで自分のものにしてしまいます。
村では大騒ぎ。今度は月を盗もうとするに違いないと、月にわなをかけ、見事どろぼうをつかまえます。
星を見つけたものの、星は空にかえっていきません。
最後は願い事をすれば星が空にかえることが分かり、みんな1人1人願い事をして 星はお空に帰っていきます。
星を盗んだどろぼうは悪い人だけど、なんだかユーモラスで 親しみがもてます。
星を盗む場面や 元に戻すところなど とても楽しいです。
5年生
「うちのこ みませんでした?」
作)ナンシー・タフリ 童話館出版
いなくなってしまった子ガモを探して母ガモときょうだいたちは 池の住人たちにたずねまわります。 さて、子ガモを見つけることができるのでしょうか?
お母さんがほかの動物たちに「うちのこみませんでした」ときいてまわっているのですが、文章はほとんどそれだけ。
最初に「どのページにもちゃんと8羽描かれているので みつけてね」といって 絵をしっかり見られるようにしたつもりですけど やはり 見にくかったようで 「もう一回」と。
導入の絵本で さらっと終わる予定だったんですけど・・・(笑)
「たねきのちょうちん」
作)浜田 廣介 金の星社
何か一つ役に立てればいい という教えを受けて、子どもの頃 ちょうちんに化けた話を孫に聞かせるおじいさんたぬき。
6年生
「あいつとぼく」
作)辻村 ノリアキ PHP研究所
タイプのちがう二人の少年が、二人三脚の練習をとおして近づいていきます。
でも、仲良しになるわけではありません。
その微妙な距離感をえがいた、絵本です。
はじめはやっぱりうまくいかないのですが、意外な一面を知ってお互いを知り、徐々に打ち解けていきます。
仲良しになる、というのが定番ですが、無理に合わせたりせず、距離を保ちつつもお互いを認め合う という関係になるのが いいですよね。