最初の一歩

1世紀に生きた古代ローマの哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカは、こんな言葉を残しています。

「難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから、難しくなるのだ」

今から2,000年くらい前の人物の言葉が現代を生きる私たちの心にも響きます。

この言葉を知り、「ファーストペンギン」のことが思い起こされました。歩き方がとても愛くるしいペンギン。ペンギンはどこかに移動するとき、まず群れの中の1羽が動き、その後に残りの群れが従って動くという習性があるそうです。

  ペンギンたちは、海に飛び込んで食料となる魚を捕る必要があります。ところが、海にはシャチやアザラシ、オットセイなど、ペンギンにとっては天敵である肉食獣が、ペンギンを狙って海の中で待っています。「魚は食べたいけれど、もしかしたら天敵がいて食べられてしまうかもしれない。」ペンギンは、そうしていつも氷の上で右往左往しています。

  しかし、中には天敵に食べられる危険をものともせず、自分を信じてチャンスをつかもうとする勇気のあるペンギンがいます。それがファーストペンギンです。

  ファーストペンギンは、天敵に食べられてしまう危険がありますが、誰よりも先に餌にありつき、お腹いっぱいになるチャンスがあります。それだけではなく、仲間が安心して海に入ることができる状況をつくることで、群れに大きな貢献もできるのです。

  学校での活動や普段の生活でも同じことが言えると思います。何か新しいことに挑戦するときは、ファーストペンギンのように、「行くぞ!」「やるぞ!」といった勇気や覚悟が大事になってきます。私たちは、自信や勇気がないから発言しなかったり、行動しなかったりすることがあると思います。でも、何をするにしても怖がって最初の一歩を踏み出さなければ、チャンスはつかめません。そして、進歩もありません。

  新しい学年になって波に乗ってきた今、子どもたちには、最初の一歩を踏み出す勇気や覚悟を持って、何か新しいことに挑戦し、自分の可能性を引き出し、それを伸ばしていってほしいと思います。

また、子どもたちに要求するだけでなく、大人もファーストペンギンを見習いたいと思います。

 

                                                       校長 北村 宏司

教職員一同

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