講義では、1年次に習った化学の授業の復習や、生葉の叩き染めの方法も学びます。葉脈を意識しながら丁寧に叩くときれいに写ります。1時間ほどしてから石鹸で洗うとさらに青くなります。
生葉染めは、刈り込む前日と当日の天気が良いことと、30分以内に染めることが条件です。今回はタイミング良く、両日とも晴れていました。
夏の間に大きく育った「藍」で生葉染めをする前に、化学の先生から『藍染めの化学』の講義を受けました。繊維と染料の結合についてや藍の抗菌成分「トリプタンスリン」の効果について、興味深く知ることができました。藍の生葉による叩き染めでは、布上に葉を叩くことで葉の成分を染みこませて葉の形を青く写すことができることを学び、実際に体験しました。また、生葉と水をミキサーにかけて布で漉した染液に、絹と毛の布を染めてみて、繊維による色合いの違いを確かめました。乾燥葉による染色実験は、次回に行う予定です。
Art Mix(3年生選択授業)「土笛と振動」の授業で、音の鳴る仕組みを理解し、土笛をつくりました。オカリナをイメージし、専用のへらで歌口をつくり、穴を空けて音階をつくりました。指で穴を塞げば低い音、指を離せば高い音になります。途中、音が鳴らなくなったりしたときは、穴を粘土で塞いだり、歌口のリードの調整をしました。作品は焼成と彩色をし、演奏を楽しむ予定です。また、より深く学ぶために、理科の教諭から、振動と共鳴について特別講義を受けました。水道の流れに墨汁を流した「カルマンの渦」の実験で、空気の流れについてより理解を深めました。
5月30日(水)3年生の選択授業「描写」選択者が、京都国立近代美術館にて「第2回コレクション展」を鑑賞しました。まずは、学芸員の方からテーマごとに展示されるコレクション展の目的や意義についてお話を聞きました。「所蔵作品が何点あるでしょう?」という学芸員の方からの質問に、1,000点程度の予想をしていましたが、それを遥かに超え、なんと12,000点以上あるそうです。
いよいよ「コレクション展」の鑑賞です。日本画には絹本と紙本があること、軸の表装もそれぞれ違っていることを教えてもらいました。また、女性像では作者が男性の場合と、女性の場合では、視点が違うこともわかりました。
モンドリアンの3作品からは、作風の違いが、作者の意識の変化なのかと、皆でじっくり鑑賞しました。
最後に、「蝶の軌跡」(作者:長谷川三郎)の絵を皆で鑑賞し、意見を述べ合いました。「∞」が蝶に見えたり、黄色がまるでモンシロチョウのように感じたり、離れて見ることで「+」が集合していて少し心がざわつくような感覚になることなど、いろいろな見方や感じ方の違いを共有し合いました。