令和318日(金)、3学期の始業式を行いました。

新型コロナウイルス感染症対策として、放送による式となりました。

井上校長は式辞において、剣道での経験から「合気」について話されました。

「合気というのは、剣道において対戦相手と気を合わすこと。それは、相手と自分がその気になって、勝負することです。もう少し言うと、剣道の極意は強い者が弱い者を一方的にやっつけることではなく、相手を勝負する気にさせておいて、仕留めること、これが剣道では一番大切です。そのためには、相手と気持ちをしっかり合わさなければならない。互いに『さあ、どこからでもかかってこい。』という気持ちにならないとよい勝負ができない。互いに合気になる、その気になることが必要です。

剣道だけではなく、日常生活の中で、相手と気を合わせること、真剣に相手の気持ちになって考えることで、自分にとっても、相手にとってもよいものが生まれてくる、そういうことはいっぱいあると思います。先日挨拶の話をしましたが、その言葉とつながるところがあると思っています。

多くの人と関わりを持ち、相手の立場に立って、相手のことを一生懸命考えることで、生まれてくるものが高校生活の中でいっぱいあると思うので、ぜひそういう視点で自分と人との気持ちを合わせることを考えてみてほしい。

始業式の後には、生徒指導部長の西山先生と進路指導部長の山添先生より講話がありました。

 
 
 
 
 

 化学の先生より、七宝焼きは世界に誇れる日本の工芸の一つで、その美しさにひそむ化学について、講義を受けました。釉薬とは何であるか?釉薬の着色方法については、イオンによるものと、コロイドによるものがあるということを、図を用いての説明でした。

 七宝焼き体験では、あらかじめ白の釉薬を焼き付けた銅板素地に、不透明釉薬で模様をつけて、800度で焼成しました。色とりどりのブローチが出来上がりました。

 
 
 
 
 

 福祉科と芸術科の横断的授業として、外部講師による認知症についての講義と、認知症の進行を緩和させる芸術療法を体験しました。今回の講師は、京都大学大学院在宅医療学の木下教授です。認知症の原因は脳内で老人斑やリン酸が増えることや、認知症に至るまでの3段階の症状のことも学びました。また、将来認知症にならないために、若いうちから気をつけることがあることも学びました。

 音楽療法の体験では、音楽療法の基礎知識や種類、行われている場所やその効果について学びました。最後には脳を活性化させるプログラムとして、ミュージックベルで音楽を演奏して、楽しみました。



 
 
 
 
 

 様々なことを見たり、聞いたり、考えたり、学んだりしている人間の心の働きをどのように科学的に調べるのかということについて、具体的な実験例を示しながら分かりやすく説明していただきました。講師は京都工芸繊維大学繊維学系実験心理学の近藤あき先生です。心理学は美術とかけ離れているように思えますが、実はデザインを行う上で大変重要な役割を果たしています。芸術・デザイン系に進学する生徒が多い描写授業選択者にとって、将来の職業で活かせる貴重な体験授業でした。

 
 
 
 
 

GSP 高大連携授業「理数化学」

  教養科学科では、1年次から目的・進路意識を高め、探究心や創造力を培うため、大学や研究機関との連携授業を通して様々な取組を行います。
  そして専門性を高める機会を充実べく、グローカル・スタディーズ・プログラム(GSP)として系統的に位置づけています。
  自然科学や科学技術に対する興味・関心を高め、科学的・数学的な思考力や物事を論理的に考察・分析する能力を錬磨し、より専門性を高める機会と捉えています。

  教養科学科2年次生の取組として、11月27日(金)、大阪府立大学の八木繁幸教授を講師にお迎えして、「化学発光から化学を学ぶ」という授業を実施しました。
  内容は、炎色反応の実験とルミノール反応の実験、さらにルミノール反応の実験を元に警察の鑑識官になったつもりで、血液のしみこんだハンカチを探し出すというものでした。最後に、ウミホタルの発光現象の実験も行いました。

 
 
 
 
 

 教科横断型の授業展開をするアートミックスでは、校内の教員も担当します。音楽の教員による「時代と音楽」では、能の歴史を学び、能を鑑賞しました。また、幽玄とは能の世界では「美しいさま」を表すことも学びました。総合芸術としての茶道の締めくくりは、地歴・公民科の教員による「茶道の歴史と日本文化」です。お茶の原産地のルートについてや、お茶の日本史など、わかりやすく講義をしていただきました。一連の授業をとおして、茶道をいろいろな角度から深く学べたことは、宇治にある本校の生徒にとって、とても良い機会でした。

 
 
 
 
 

 伝統文化事業制度を活用し、着付け体験と茶道体験を行いました。着付けの講師は西川ちせ子先生、裏千家茶道の講師は松本宗美先生です。今年は煎茶と抹茶の作法を事前に練習しました。体験の前日には、本校のお茶室で「茶道についての講義」と茶道作法を松本先生に教えていただきました。着付けをした3名の生徒は、和服での所作を体験します。床には生徒が書いた茶掛けが掛けられ、拝見方法も体験します。そして、生徒がデザインした主菓子をいただき、自作の抹茶碗でお茶を点てて、ご自服します。茶室という日本独特の空間で伝統文化に触れる貴重な体験でした。

 
 
 
 
 

 描写の授業では例年12回校外学習を行います。今回は今春リニューアルオープンした京都市京セラ美術館の企画展「京都の美術250年の夢 第1部~第3部総集編-江戸から現代へ-」を鑑賞しました。時代の流れに沿って京都の美術・工芸作品を鑑賞しました。最後には高校生にはあまり鑑賞する機会のない前衛芸術作品も観ることができました。教科書やスライドでは味わえない、本物の芸術作品を歴史のある美術館で鑑賞することは、生徒達にとって強く印象に残る大変良い機会でした。

 
 
 
 
 

 高校までの授業では余り学ぶ機会のない「ジャポニスム」について、京都工芸繊維大学の吉川順子先生より講義を受けました。大学での講義さながらに、ジャポニスムの定義や日欧文化交流の歴史について学びました。日本文化の影響を受けてどのような作品がうまれたのか、わかりやすい例を示していただきました。そして、なぜモードの世界でジャポニスムが起きたのかを考察しました。生徒の感想では、ジャポニスム、ジャポネズリの違いについての話や、流行なども歴史に因果関係があるのだとわかり、大変有意義な時間だったようです。

 
 
 
 
 

 和菓子づくり体験の前に、「秋」をテーマに和菓子のデザインをしました。これらの中から、晩秋のお茶会での主菓子が講師によって採用されます。今回は「伝統文化事業制度」を活用し、本校の近くの「きねや菓舗」の上田さんに和菓子づくり体験と和菓子のデザインの講評をしていただきました。菓子を作り出す職人技に皆感心しきりでした。いざ自分で作ってみると、ちょっと形が違うものの、講師の先生には「器用で上手く出来ている」と褒められていました。自分で作ったお菓子の味は、格別に美味しかったようです。これを機会に、和菓子に興味をもち、和菓子をいただく機会が増えることでしょう。