読み書きへのアクセスを保障しよう
令和元年度 東京大学先端科学技術研究センター 近藤武夫 准教授
子どもたちの中には、読み書きについて特別な支援を必要とする子どもがいます。平成24年の文部科学省調査では、通常の学級の児童生徒の2.4%に、こうした読み書きの困難という特性(学習障害の疑い)があると推計されています。「印刷された文字を読んだり、鉛筆で文字を書くことが難しいという特性」と「教室で使用されている教材が印刷物しかなく、筆記にも紙と鉛筆しか使えないという環境」の両方が相まって、その児童生徒の学習を困難にします。しかし、そうした特性は、子どもの外見からすぐに分かるものではありません。本人や保護者、教員も気付いていないことがあります。また、印刷物や紙と鉛筆の使用が難しいといっても、それに代わる教材や文具が教室に用意されていないことも珍しくありません。
近年、大学入試センター試験や一般入試でも、学習障害のある受験生に対する合理的配慮も行われるようになりましたが、通常の学級にいる子どもたちの中には、読み書き困難への配慮を経験したことがない子どももまだまだ多数存在しています。京都府では、(1)読み書き困難の状況を明らかにするアセスメントの実施、(2)ICT機器や音声教材を活用した読み書きの代替手段の確保、(3)児童生徒へのICTを活用した学びの指導、そしてそれらを可能にするための(4)地域および学校を挙げた支援体制の構築に取り組んでいます。紙と鉛筆で学ぶことは難しくても、音声教材やICTを使うと、読み 書きがスムーズになる児童生徒がいます。そんなユニークな特性をもった子どもたちの学習保障を、地域全体で協力して「当たり前のこと」に変えていきましょう。
