過去の調査研究から
平成29年度に実施した通級指導教室担当者対象アンケートを、令和2年度に再度実施し、ICT活用に関する意識や実践の変化を探りました。
- 目的 比較分析を通してICT活用等に対する意識や実践の変容を探る。
- 時期 令和3年2月から3月
- 方法 Web上のアンケートフォームに回答
※平成29年度は紙面による回答
調査研究の有効回答率について
平成29年度の有効回答率
学校代表宛アンケート 有効回答率 96.5% (全体85校のうち有効回答数82校)
通級指導教室宛アンケート 有効回答率 97.7% (全体128教室のうち有効回答数125教室)
令和2年度の有効回答率
学校代表宛アンケート 有効回答率 99.1% (全体114校のうち有効回答数113校)
通級指導教室宛アンケート 有効回答率 99.4% (全体163教室のうち有効回答数162教室)
1.校内委員会で把握している読み書きに困難があると思われる児童生徒の在籍率
平成29年度の在籍率
割合2.1% (全体児童生徒数 32,641人のうち読み書き困難児童生徒数 680人)
令和2年度の在籍率
割合2.3% (全体児童生徒数 43,961人のうち読み書き困難児童生徒数 1,006人)
2.通級指導教室担当者年齢構成

3.通級指導教室担当経験年数

4.通級指導教室担当者の特別支援教育コーディネーター兼務の割合

5.特別支援学校免許状保有率(参考)
平成29年度
通級指導教室担当者の中で保有率 43.5%
令和2年度
通級指導教室がある学校の中で保有率 46.1%
- 経験の浅い通級担当者が増加している。
- コーディネーター兼務率が増加(通級担当者に求められる役割の拡大)している。
6.通常の学級におけるICT機器を利用した場合の評価
学習時の評価
平成29年度
- ICTを利用していない 86%
- 評価点に加えない 6%
- 参考点として評価している 4%
- 学習評価として扱っている 4%
令和2年度
- ICTを利用していない 76%
- 評価点に加えない 9%
- 参考点として評価している 5%
- 学習評価として扱っている 10%
試験利用時の評価
平成29年度
- ICTを利用していない 95%
- 評価点に加えない 3%
- 参考点として評価している 1%
- 学習評価として扱っている 1%
令和2年度
- ICTを利用していない 91%
- 評価点に加えない 3%
- 参考点として評価している 1%
- 学習評価として扱っている 5%
7.ICT利用環境 ※単位は台数

- 調査時点ではICT利用を学習評価まで連動させている割合はまだ少なかったが、平成29年時と比較すると令和2年時には増加している。また、持ち帰りを認めている学校はほとんどなかった。
- 通級指導教室のICT環境は、GIGAスクール構想が本格化する前から充実傾向にあった。
8.実施したアセスメント(顕著に増加したものを抜粋) ※単位は校数

9.アセスメントの実施機関 ※単位は件数

10.学級担任との連携
※5点満点で回答したものの平均値
- 充実していない
- あまり充実していない
- どちらでもない
- 少し充実している
- 充実している

- 令和2年の調査時には読み書きに関するアセスメントが増加しており、読み書き困難に対する客観的な把握が通級指導教室で進んでいる。
- 医療機関の利用も増加している。
- 他校通級における連携の減少については、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響が推測される。
11.試したことのある支援方法について(増加したもの上位10を抜粋) ※単位は%

12.試したことのある支援方法について(減少したもの上位5を抜粋) ※単位は%

- 小学校の通級指導教室では、ICT利用が増加した一方で、反復練習や紙媒体による支援等が減少した。
- 中学校の通級指導教室では、ICT利用も含めた多様な支援方法が増加している。
- 読み書き困難に対してのICT利用は、特に小学校の通級指導教室で拡大していると推察される。
今後に向けて
通級指導教室担当者の世代交代に対応した研修等のさらなる充実が求められる。
現在は1人1台端末の活用が日常となっており、授業での活用が進められている。それだけに留まらず、家庭学習や評価、通級指導教室担当者と通常の学級の担任間の連携等においてもICT活用の幅を広げていく必要がある。
