ICTの活用
ICTの活用
学習指導要領の総則においては、「情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」と、されています。誰一人取り残されることのないように、学習環境を整えることは、学習や生活の意識向上につながります。個の学びや教科の本質に立ち返り、一律や一斉を見直す視点を持ち備える必要があります。
また、ICTを障害の特性や発達の段階等に応じて活用することで、個に応じた指導や支援を充実させることができます。

合理的配慮を目指して
合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なるものですので、多様かつ個別性の高いものと考えます。ついては、建設的対話による合意形成が基盤となります。
合理的配慮の提供における合意形成のプロセス
意思の表明→実態把握→話し合い〈合意形成〉→実施と定期的な評価・見直し
※意思の表明については、教職員の見立てがきっかけになることもあります。

合意的配慮とICTの活用~本質的な学びを考えましょう~
読み書きに困難があっても他の児童生徒と同じように学習のスタート地点に立ち、本質的な学びができる、そのための合理的配慮の一つとしてICTの可能性を探っていくことが大切です。
指導助言
ある日のプロジェクト会議で、研究協力者の先生から「漢字の学習指導要領には『漢字を書くこと』と書かれている。キーボード利用がこの子には(書字障害の状況から)必要だと思うが、本当にそうしてよいだろうか」という悩みが共有されました。
するとそこに参加していた国語の指導主事の先生から「小学校から中学2年までの学習指導要領には、確かに『漢字を書く』ことが示されている。しかし、中学3年の学習指導要領には、もはや『書く』という言葉はなくなり、漢字については『文や文章の中で使い慣れること』と書かれている。
つまり、義務教育段階を終えるまでに学校教育が本質的に目指すべきことは『使い慣れること』であって『書く』ことではない。書字障害によりキーボードが必要な生徒なら、「キーボードを使って『使い慣れている』状況を目指すことがやるべきことではないか」という発言がありました。深く印象に残っている対話の場面です。
合理的配慮と学びや問いの本質について、ICT活用のプロジェクトであるにもかかわらず、教科の指導主事の皆さんと特別支援教育担当の皆さんとの対話や連携を行う形に発展していったことは、まさにこの「本質」に教師が向かい合おうとする態度を、関係者皆が大切にしてきたからです。
(令和5年度研究 東京大学先端科学技術研究センター 近藤 武夫 教授)
- アクセスできる手段を多様に用意する
- 様々な方法を児童生徒が自分で試し、自分に見合ったやり方を見つける 等
誰一人取り残されることのないように、学習環境を整えることは、学習や生活の意欲向上に繋がります。個の学びや教科の本質に立ち返り、一律や一斉を見直す視点を持ち備える必要があります。
