教職員・児童生徒の理解を進めましょう


理解を進めましょう(理解教育)

“みとめあう”集団づくりを

 読み書きに困難のある児童生徒が学級でICT機器を使うに当たっては、学級全体への理解教育を進めていくことも考えていきましょう。それには、担任と児童生徒との信頼関係や児童生徒同士がお互いを認め合うことができる学級経営が土台になります。日々の学級経営の充実を図ることが大切です。
 また、学級全体への理解教育にあわせて、教職員全体の理解も深まるような研修や取組、保護者への理解啓発も進めていきましょう。

担任から学級の児童生徒への説明を行っているイラスト。
担任の言葉「ICT機器は必要があれば誰でも遣うことができます。いつでも相談にのりますよ。」

児童生徒の理解を進める

【平成30年度研究】事例(小学校4年生)テストでの代筆

 通級指導教室についての理解教育を全学年で実施している。「学校には、一生懸命勉強しても学びにくい友達がいる。通級指導教室で、学びにくさを改善する勉強をしていること」を話した。対象児童が2年生の頃から「書くことの困難さ」等があり、その頃から授業中には、学習に対する支援を実施してきた。今回、合理的配慮をするに当たり、改めて在籍学級の児童に説明はしていない。

【平成30年度研究】事例(小学5年生)タブレット端末による音声読み上げ 音読をタブレット端末で「聞く」

 「タブレットを利用することは、特別なことではない」「利用したければいつでも相談に乗る」「必要があれば誰でも使っていい」と担任が学級の児童に説明した。

理解教育の実践例

 令和元年度の研究では、京都府スーパーサポートセンターに指導略案や資料などの作成協力をいただき、研究指定校2校で理解教育の授業を実施していただきました。多様性や社会の工夫に気付き、自分にできることを考えたり、具体物の操作を通して、合理的配慮の基本的な考え方を学んだりする授業です。一つの事例として参考にしてください。

指導略案、ワークシート、スライド資料の掲載ページに進む

理解学習A

 「勉強や生活に便利ないろいろな工夫について考えよう」をめあてに、社会にはいろいろな人が生活していること、勉強や生活に便利な道具や工夫がたくさんあることに気付き、人によって必要な「工夫」は違うことに気付いていくよう、班での話し合い活動を通して考えていく授業です。
 授業後の児童の感想から、「様々な道具や工夫は、今の自分には必要なくても、関係はあるんだ」と気付いたり、「どんなに頑張っても困るときはある」、「困ったときには相談したい」と自分に引き寄せて考えたりする姿が見えました。

理解学習B

 「誰もが暮らしやすい社会の工夫~自分にできることを考えよう~」をめあてに、視覚障害を例に挙げ、体験や班での話し合い活動をとおして、「工夫することで生活が豊かになること」、「人によって必要な工夫が異なること」に気付き、「誰もが気持ちよく生活するために、自分に何ができるか」について考えていく授業です。
 児童からは「社会には障害のある人も暮らしやすいようにしている工夫が、自分では気づいていなくてもたくさんある、隠れていることが分かった」、「自分でも生活の中の工夫を見つけてみたい」という感想や、「困っている人がいたら、自分から声をかけられるようになりたい」という感想もあり、身の回りのことや人に気持ちを向け、深く考えようとしている姿がありました。

理解学習Bの板書モデル。緑色の背景に『めあて:だれもが暮らしやすい社会の工夫~自分にできることを考えよう~』というタイトルがあり、左側には目を隠してじゃんけんをするときの工夫としてお互いの手を触って確認する、何を出したか声に出して確認する、誰かに見てもらいどちらが勝ったか言ってもらうという方法が示されている。右側には視覚障害のある人が歩いている場面で白杖を持っている人にどう対応するかという問いと、声をかける、安全なところまで案内する、自転車を移動させるという選択肢が示されている。下部には『見えないと困ることはたくさんあるけれど、工夫することで一緒に楽しむことができる』『いろいろな人が暮らすための工夫を知り、だれもが気持ちよく生活できるようにしよう』というメッセージが黄色の枠で強調されている。さらに、『工夫をしたら、みんなと同じことができるってわかったよ!』『生活について考え直すことができました!』『僕たちにとっても便利なものがたくさんあるんだね』という児童の言葉が書かれている。
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