3学期終業式

コロナに明け暮れた令和2年度。放送による終業式にあたり、小川雅史校長先生が次のような式辞を述べられました。

先日の卒業式翌日は朝からの大雨に加え突風、自転車置場の自転車は次々と倒されていました。そこへ進学補習のために登校してきたある3年生(卒業生)が“後輩”の自転車を一台一台起こして整理をしてくれていました。その光景から、本校創立者、矢代仁兵衛氏が「人知れずそっと行動することの大切さ」を述べられていたことを思い起こしました。今年は創立70年、今なお創立時の精神が息づいていることを、とても嬉しく思います。人が生きるとは、人のために自分を使うことだとも言えます。それを「使命」といいます。自分のかけがいのない命を何に使うのか、どの様に生きるのか、将来の自分を思い描いてみてください。                                     

「自靖自献」(じせいじけん)という言葉があります。(出典「書経」)「自靖」とは心の平安を保つこと、「自献」とは世のため、人のために自らを尽くすこと。イライラせずに自分の心の平穏を保ってください。それは人に安心感を与えることになります。人に安心を与えることは、翻ってあなたの信頼を築くことにもなります。何かに苛立ちを覚えたとき、まず自分の心を整えてください。そうすれば自ずと周囲は変わってくると常々思っています。

話は転じて、二次元バーコード(QRコード)産みの親 原昌宏さんの開発にまつわるエピソードの中で、遅々として進まない研究の最中において「継続は力なり」「これしかないという強い思い」を大切にされていたことを紹介されました。そして高い目標、困難こそが自分を育ててくれていると信じて来年度以降の高校生活を贈って欲しいとのエールが続きます。             

桜には早咲きと遅咲きがあります。人にも早くに頭角を現す人もあれば、「大器晩成」と呼ばれる人もいます。生きにくい世の中になったと嘆く大人もいますが、自分の生き方を貫けば、生きにくいなどと嘆息をもらすこともありません。「人の生き方を物差しにせず、自分らしく生きることを大切にしてください。ただし他人の意見に耳を傾け、独りよがりにならないように努めることも忘れてはいけません。」という卒業式での卒業生へのメッセージをあらためて在校生にも贈られました。そして最後に、校長先生の好きな言葉「3つの“な”」で締めくくられました。

コロナ禍を生き抜く嵯峨野高生へ 「怒るな  焦るな  諦めるな」