サマーセミナー「京大防災研 宇治川オープンラボラトリー」

8月2日、表題のサマーセミナーが実施され、1・2年生35名が参加しました。

 宇治川オープンラボラトリーは、京都大学防災研究所のなかでも、主として水と土に関する災害の防止・軽減を目的とした研究を行っている「流域災害研究センター」の実験施設です。国内ではここだけにしかない実験施設も多く、共同利用研究施設として、京都大学の研究者のみならず、国内外の様々な研究者がここで実験を行っています。
 実験施設見学では、「雨水流出実験装置」、「流水階段実験装置」、「浸水体験実験装置」の3つの実験施設について、見学及び体験学習に取り組みました。

 「雨水流出実験装置」は滋賀県にある実際の地域の地形模型上に雨を降らせることにより、雨水がどのように流れていくかを調べる装置で、最大300mm/h に相当する雨を降らせることができるとのことです。今回は200mm/hに相当する量の雨を降らせ、雨水の流れる状況を観察しました。

 「流水階段実験装置」は、大量の降雨が階段を通って地下に流れ込む際の状況を再現するための施設です。水かさは低くても、階段を落ちてきた水のもつエネルギーは予想以上に大きく、避難することが難しくなります。生徒は実際に階段を登り、その危険性を体感しました。

 「浸水体験実験装置」は、舘屋や車などが浸水した場合、脱出することが困難となる状況を再現する装置です。浸水した場合にドアにかかる水圧は非常に大きくなり、水深が深くなるほどドアを開けることが困難になります。意外なことですが、車の場合は、スライドドアの方が水圧の影響を大きく受けるそうです。今回は家屋外部が浸水した状態を再現した装置で、水深20,30,40cmにおいてドアを開けるために非常に大きな力が必要になることを体験しました(40cmであけることができたのは35名中1名だけでした)。

 また、見学待機時間には、京大防災研の成り立ちや概要、および国内の近年の水害に関する報道映像などを編集した動画を視聴しました。今回見学・体験した装置による再現実験が多数使用されており、研究施設の重要性をより実感することができました。