サマーセミナー(芸術)

8月4日に京都市立芸術大学にて芸術科のサマーセミナーを実施しました。
このサマーセミナーには、嵯峨野高校生のほかに、府立福知山高校、立命館宇治高校、立命館守山高校の生徒も参加し、制作や意見交流を行いました。

今回は、「素材から思考する」というテーマで、工芸科陶磁器専攻の森野彰人教授らによる授業を受けました。

午前中は、「素材とは?」というレクチャーと制作ワークショップを行いました。
講義では、陶磁器の粘土がどのような場所で、どのような状態で採集されるのか、それをどのように精製するのか、また、私たち人類がどのように素材と関わり、文明や文化を発展させてきたのか、そして現代では、陶磁器は器だけでなく、化粧品やスマートフォンの部品、白紙にも陶磁器の原料が使われていることを話されました。

素材についてレクチャーを受けた後は、「水をいれる」をテーマに与えられた粘土で制作するという課題です。

「水をいれる」といってもただ単に「器物」を作るだけでは素材を思考することになりません。どのように使うのか、どこの水を入れるのか、与えられた土を触り、手を動かし、思考しながら制作します。
40分ほどの制作の後はグループで意見交流です。作者以外の生徒が、作品の良いところやどのような意図で制作したのかを考え、発言します。最後に作者が制作意図や工夫点を述べ、答え合わせをする鑑賞方法を取りました。
初対面の生徒たちでしたが、活発な交流ができました。

午後からは、「木」「石」「粘土」を与えられ、何かに使う道具を制作する課題です。

それぞれの素材の良さや特徴をどのように扱いながら、「道具」にしていくかを思考しながら制作します。
長い木の使用方法は色々とアイディアが生まれますが、石が難しかったようです。

完成した作品です。
それぞれの素材と道具について思考できおり、午前の作品よりも発展したのがわかります。

最後の意見交流会でも、活発な意見交流ができました。
自分以外の人のアイディアに触れることで、視野が広がります。

今回の講義では、文明や文化がどのように発展させてきたのかということを疑似体験できるものでした。
この経験をきっかけに参加者には今後、素材やものづくりにより興味をもって学んでほしいと思います。