「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「にんげんごっこ」
作)木村 裕一      講談社


人間って一体、何?
知りたくなった動物達は 飼い猫だったノラが、皆に人間世界を教えようと「人間ごっこ」を始めます。
動物達のとんちんかんな奮闘ぶりを 長新太氏のダイナミックなタッチで描いた愉快な絵本。

 

いままで 読み聞かせの絵本をほとんど「しってるー」と 言っていた一年生ですが、この絵本は誰も知らなかったようでした。
ごっこ遊びは大好きだし 気に入ってもらえると思っていたのですが 後ろのほうの人が いまいちピンときていなかったようでした。
もしかしたら 長さんの絵が 輪郭がはっきりしていなくて色のトーンが同じで 分かりにくかったからかもしれません。
まだまだ 絵を楽しめる絵本のほうが いいのかもしれません。

2年生
「おおきくなったら きみはなんになる?」
作)藤本 ともひこ    講談社

おおきくなったら、きみはなんになる?
なりたいものは、きっと、いっぱいあって、みんなちがう。
いろんなことをやっているうちに、すきなものを、みつけることがある。
だれかがむりだって、いうかもしれない。
でも、そんなのかんけいない。
きみがやりたいことは、きみがきめるんだ。
きみがやりたいことを、きみがやるんだ。

絵本を読む前に みんなになりたい職業を聞いてみました。
野球選手、お菓子屋さん、ピアノ関係、などなど・・・いろいろ言ってくれました。
そして 読み終えてから 好きなもの、やりたいものはなにかな? と 聞いてみると また いろいろなこたえがあった中、「魚釣りがしたい、って言ったけど 船が好きなんだ」といった子がいました。
職業、というと 世の中にいろんな仕事があることを まだまだ知らないのだけど 好きなことは ひとそれぞれちゃんとありますもんね。
好きを大事に・・・まさに 今年の 美山小学校にぴったりの絵本でした。

3年生
「まゆとおに」
作)富安 陽子    福音館書店


山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。
鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。
まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。
その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。
ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……

 

おにのたくらみを ことごとく 打ち返してしまう まゆ。
「天真爛漫なまゆ、ド肝を抜かれていくおに」その表情の コントラストが おかしく 痛快で、思わずにやにやしてしまいます。
まゆのシリーズは どれも 面白くて子どもたちにも人気ですね。

4年生
「オニのサラリーマン しゅっちょぅはつらいよ」
作)富安 陽子    福音館書店


地獄勤めの赤鬼オニガワラ・ケンと同僚のオニジマは、えんまさまから出雲出張を命じられ、「ぜんこく神さまサミット」の会場警備を手伝うことになりました。
飛行船に乗りこんで出雲へ向かい、稲佐の浜に来てみれば、日本じゅうからやってくる神さまたちで大混乱。
ふたりは案内やら警備やらあっちこっちてんやわんやしながら、神さまたちをお迎えします。
開会を告げる神つどいの迎え太鼓が鳴り響き、出雲の夜はふけていきます。

 

お話も絵もユーモアたっぷり。
サミットのこととか 日本の神話などの基礎知識があればより一層楽しめるので、低学年よりは中学年以上向けかと思います。
お話をきっかけに興味が広がることもあるでしょう。
稲佐の浜の各ゲートが鳥居だったり、貧乏神様もいらしていたりが笑えました。
「おみやげ わすれてるやん」と いう声がありましたが そこはちゃんと裏表紙に描かれていましたよ。

5年生
「カミナリこぞうがふってきた」
作)シゲリカツヒコ     ポプラ社


雨、カミナリ、カミナリこぞう!? 雨の季節のファンタジー。
細部まで描きこまれた緻密な絵から、主人公の驚きと興奮が、まさにそのまま感じられます!!

 

たまたまなんですが この絵本がおもしろいからと先週の担当の方が 紹介だけしていたようです。(ナイスバトン!)
担任の先生の紹介にも使われているんですよね。
雨の日に起こったファンタジー。
そう聞くと、なんだかフワフワっとしたイメージがあるかもしれませが、この絵本は違います!
とことんリアルでクリアで 大迫力。
体験したことのないスケールの大きさの景色が、日常の世界に出現するのです。
すごいインパクト。そしてすごく面白い!!
先の読めないストーリーに、何といっても個性的でユーモラスな絵が魅力的です。

6年生
怪談「幽霊滝の伝説」
作)小泉八雲     偕成社文庫


明治のころ 肝試しに賽銭箱を持ってくることになり、お勝という女が 赤児を半纏にくるんでおぶり、幽霊滝へと向かった。
お勝が賽銭箱に手を伸ばすと「おい、お勝さん!」という声が 滝つぼの中から響いた。
何度も呼び止める声が聞こえたが 走り去った。
みんなのところに戻り 賽銭箱を得意げに見せ、幽霊滝での奇怪な出来事を話した。
ほっとしたお勝が 赤児に乳をやろうと半纏を解くと、中から血にまみれた赤児の体が転がり出た。赤児の首はもぎ取られていた。

 

なぜか怖い話の好きな子 多いですよね。
児童書でも 怪談を扱った本は数多く出版されていますが 小泉八雲のお話は日本的な恐怖が色濃く描かれています。
その中でも 平井呈一さんの訳したこの本は小学生にもわかりやすく訳されていると思います。
できるだけ淡々と読もうと思い 早口になってしまいました。
月曜日の朝から こんな怖い話でスミマセン・・・。

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