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今、峰高生の皆さんに伝えたいこと

 
 本当に早いもので今年も残すところ約1ヶ月となりました。例年、この頃には今年の流行語大賞は?今年の漢字は?などが話題に上がってきます。いずれも今年は、皆さんも容易に想像ができるように、現下の大問題、コロナ禍に関するものが占めてしまうものと思われます。
 私たちは近い将来に2020年を振り返った際に、今年の様々なことをどのように捉えそしてどんな評価を加えるのでしょうか?私たちはこの間に失ったものの大きさと引き換えに、何を得ることができたと総括するのでしょうか?
 確かなことがあります。私たちは、このコロナ禍の中で人の心の奥底に潜む「鬼」の醜さを痛感した。感染者、濃厚接触者、さらには医療従事者や社会を支えるエッセンシャルワーカーの人々への多くの誹謗中傷や差別があった。自粛警察、マスク警察と称される同調圧力を押しつける「鬼」も跋扈していた。平時には決して見えない気配すら感じさせない「鬼」が非常時には我が物顔で暴れ回ること、人の心の弱さと恐ろしさを思い知らされた。
 でも、もう一つ確かなことがあります。私たちの心には、私たちの社会には、跋扈する「鬼」を追い払う「善なる心」があるということです。医療従事者やエッセンシャルワーカーの人々への敬意を表する拍手の広がり、誹謗中傷や差別を許さないという多くの人々の凜とした意思表示、社会全体の世論も少しずつであっても確かなものとなっていった。人の心には、社会には、まだまだ「鬼」を追い払うことができる力を持つ「善なる心」があることも分かった。
 まさに人の心の弱さと恐ろしさ、逆に人の心の確かさ「善なる心」の双方を実感することができた1年であった・・・。・・・とは言え、まだ今年は約1ヶ月も残っています。現在、感染拡大の第3波が来ていると言われています。感染経路が不明な市中での感染が広がる中、そして家族間での感染が増える中、誰もが感染者・濃厚接触者となるリスクが確実に高まっています。このような中、私たちには今まで以上に新しい生活様式を実践し、「密閉・密集・密接」のいわゆる3密を避け、マスク着用と手指消毒の励行に取り組むことが強く求められています。
 皆さんに感染予防とともに切なるお願いがあります。仮に峰高生が感染したり濃厚接触者となったとしても、仮に私を含めて教職員の誰かがそうなったとしても、仮に皆さんの近所の方がそうなったとしても・・・。絶対に「なぜ、感染したの?」と責めない。「残念ながら・・・」とは言わない。「ごめんなさい」なんて言わせない。そして誹謗中傷や差別をする醜い「鬼」には絶対にならない。デマや流言飛語には絶対に加担しない。
 峰高生である皆さんには、感染された方の一日も早い回復を祈り、復帰後は「戻ってくれて『私は』うれしい」と伝えることができる確かな人であって欲しく思います。今、私たちは紛れもなくwithコロナの当事者であり、コロナ禍の当事者であり、そして人権を守り切る当事者としての「善なる心」が試されています。皆さんが校歌に謳う「求めてやまじ高き理想を!」の下で、「まことの道」を力強く歩んでくれることを心より切に願っています。
令和2年11月24日
校長 長島雅彦
 
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