6月17日(火)、岡山県瀬戸内市の長島にあるハンセン病国立療養所「邑久光明園」に行ってきました。午前中は納骨堂で献花、黙祷を行い、しのびづか公園(慰霊碑)や監禁室などを案内していただきました。午後からは、入所者自治会副会長から当時のお話や、これからの世代に伝えたいことなど、貴重なお話を聴くことができました。
《生徒感想》この学習をするまでは、ハンセン病について名前も知らなかった。なぜ一つの病気をこれほどまで深掘りして勉強するのか疑問に思っていた。どうせ普通の感染症と変わらないと思っていたが、ハンセン病の歴史や元患者がどのような扱いをされてきたかを学び、衝撃を受けた。特に驚いたことは、故郷から強制的に離れさせられ、名前を奪われ、一生故郷に帰ることができない人がいることだ。ハンセン病だと分かってしまうと、家族でさえ差別をしたり、家から追い出されたりすると誰も助けてくれず、自分のことを嫌いになり人生を諦めてしまうと思った。社会からも家族からも差別され続けてきたという歴史が、世の中に広まっていないことが悲しい。今でも差別を受けている人がいることに驚いたとともに、偏見や差別の根深さを改めて実感した。差別や偏見をなくすためには、まずはハンセン病という病気があることを知ってもらう必要がある。多くの学校でハンセン病の授業をしたり、テレビで放送したりするなど、知るきっかけを作ることで差別への考え方が変わると思った。実際に邑久光明園に行き、監禁室を見学すると、壁に当時の人が書いた落書きや文章があり、その内容が悲しくて心に残った。当時のハンセン病だから子どもをもってはいけないという考え方が恐ろしく、根拠のない情報を信じて広めることは、偏見や差別につながることを学んだ。昔よりはハンセン病に対する差別がなくなったと思うが、それはハンセン病を知る人が少なくなったからでもあると思う。「無知ほど怖いものはない」を心に留め、正しい知識を理解したうえで差別や偏見を少しでもなくしていきたい。