京丹後市立久美浜中学校いじめ防止基本方針
京丹後市立久美浜中学校
京丹後市立久美浜中学校
はじめに
いじめは生徒の教育を受ける権利を侵害し、心身の健やかな成長及び豊かな人格の形成に甚大な影響を与えるだけでなく、その生命をも傷つける危険性を持つ。また、加害者および傍観者についても、「違いを認め、ともに歩む」という人間社会におけるもっとも大切な精神の構築に歪みを生じさせる恐れがある。
また、いじめは「どの子にも起こりうる、どの子どもも被害者にも加害者にもなりうる。」という事実を踏まえ、すべての生徒が安心して生活し、ともに学び合い、いじめに向かわせないための教育環境づくりを家庭及び地域社会の協力も得て、すべての教職員で進めなければならない。
そのために、学校は良好な友人関係や教師との信頼関係の中で、分かる授業づくりや一人ひとりが生かされ活躍できる学級づくり、学校づくりに取り組むことが大切である。加えて、生徒が自主的にいじめ防止に向き合う活動を取り組むことにより、生徒の集団の一員としての自覚や自信がはぐくまれ、互いを認め合う人間関係・学校風土の構築につながることが期待できる。
いじめの未然防止のための取組が成果を上げるためには、日常的に生徒の実態を把握し、定期的なアンケート調査などの検証を通して、改善や新たな取組の必要性について定期的に検討し、PDCAサイクルに基づく取組を継続することが重要である。あわせていじめの問題を取り扱う上で、いじめの有無やその多寡のみを評価するのではなく、日常の生徒理解、未然防止や早期発見、いじめが発生した際の迅速かつ適切な情報共有や組織的な対応等が評価されることを、すべての教職員へ周知徹底することが不可欠である。
本校では、京丹後市及び家庭、その他関係者との連携の下、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71 号 平成29年3月14日改訂 以下「法」という。)第13条の規定に基づき、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処(以下「いじめの防止等」という。)のための対策を、京丹後市教育委員会の「指導の重点」、並びに「学校教育指導の重点 推進上の留意点」も踏まえ、総合的かつ効果的に推進するため、京丹後市立久美浜中学校いじめ防止基本方針(以下「基本方針」という。)を策定する。
第1 いじめの防止等の組織
1 いじめの防止等に関する取組を実効的に行うため、校内に「いじめ対策委員会」を置く。
2 「いじめ対策委員会」の構成員は次のとおりとし、必要に応じて担任や、部活動指導に関わる教職員等、関係する教職員や専門家等※を加えることができる。
「いじめ対策委員会」構成員:校長・教頭・教務主任・生徒指導主任・各学年主任・養護教諭
※ 専門家等:スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医師、弁護士(医師・弁護士等については、教育委員会との連携により、いじめ対策委員会への参画を要請する)
なお、いじめの未然防止・早期発見を実効的に行うために、学校のいじめ対策の企画立案、 事案対処等について、学級担任を含めたすべての教職員が参画できるようにするなど、柔軟な組織運営を推進する。
3 「いじめ対策委員会」は毎週金曜日に開催する。なお、緊急に必要があるときはこの限りではない。
4 「いじめ対策委員会」では、次のことを行う。
(1) 基本方針に基づく取組の実施、具体的な行動計画の作成、実行、検証、修正
(2) 生徒や保護者へ学期ごと等にいじめ防止等組織の役割(いじめの相談・通報の窓口であること等)を周知するとともに、基本方針の説明を行う。
(3) 警察や児童相談所等の関係機関、弁護士事務所や医療等の専門機関との連携
(4) いじめの疑いや生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有
(5) いじめの疑いに係る情報に対して、関係する生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制及び保護者との連携等対応方針の決定
(6) 重大事態が疑われる事案が発生したときに、その原因がいじめにあるかの判定および報告
(7) 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査、記録及び報告
(8) 重大事態に係る調査において教育委員会と連携し、可能な限り弁護士や医師等の専門家の参画を要請する。
(9) 当該重大事態を踏まえた同種の事態の発生防止のための取組の推進
第2 いじめの未然防止
1 基本的な考え方
いじめは、どの子どもにも起こりうるものであるとともに、どの子どもも加害者にも被害者にもなりうるものである。また、いじめの背景には子どもの心の問題とともに家庭、友人関係、学校などの環境の問題があり、複雑に絡み合っていると言われている。
これらのことを踏まえて、すべての生徒を対象に互いの個性や価値観の違いを認め、自己を尊重し、他者を尊重するなど、豊かな感性をはぐくむ学級づくりを実践し、生徒と教員との信頼関係を高めながら、いじめを許さない集団づくりのために、生徒が自主的にいじめ問題について考え、議論すること等のいじめ防止に資する活動に取り組む。合わせて、全教職員がPTA等と一体となって継続的に取組を行う。
2 いじめの未然防止のための取組
(1) 分かりやすく規律ある授業の推進
ア 肯定的な評価を大切にする授業づくり
イ 少人数授業及びティームティーチングの推進
ウ 言語活動の充実
エ 定期的な授業評価の実施と活用
オ 授業研究の推進
カ ベル着の徹底
キ 教室環境の整備
(2) 自己有用感をはぐくむ取組の推進
ア 行事等を活用し生徒指導の三機能が生かされた学校・学級づくり
イ 就学前から10年間を見通した保幼小中一貫教育の推進
ウ 異年齢集団による各種行事、ボランティア活動の充実
(3) 豊かな心をはぐくむ取組の推進
ア 道徳教育、人権教育の推進、異文化等を含む多様な価値観の尊重
イ 体験活動、地域学習、読書活動の推進
ウ 規範意識、コミュニケーション能力の向上
(4) いじめについて理解を深める取組の推進
ア 学級活動、学年集会、全校集会など特別活動の充実
イ 人権週間、人権旬間での実施
ウ SOSの出し方教室など、いじめへの対応策を学ぶ活動の推進
(5) いじめについて、生徒の主体的な活動の推進
ア 生徒会活動、各種委員会活動の充実
イ 生徒が自主的にいじめの問題について考え,議論する場の設定
(6) 教職員の資質能力の向上を図る取組の推進
ア 校内研修の実施
イ 公的な校外研修等の有効な活用
(7) 配慮が必要な生徒への合理的配慮の推進
ア 配慮が必要なすべての生徒(※)への合理的な配慮や支援の推進
イ 合理的配慮を行う上で、保護者との連携や周囲の生徒に対する必要な指導の組織的な実施
※ 配慮が必要な生徒:障害(診断の有無は問わない)のある生徒、外国にルーツを持つ生徒、性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒など
3 いじめの防止についての共通理解
(1) 道徳教育を始めとする教育活動全体を通して、いじめが重大な人権侵害に当たり、決して許されないことを生徒に理解させる。
(2) いじめが刑事罰の対象となり得ること、不法行為に該当し損害賠償責任が発生し得ること等について実例を示しながら、人権を守ることの重要性やいじめの法律上の扱いを生徒に対して教える取組を推進する。
(3) 組織の構成員である教職員がいじめ未然防止のための授業を、学校いじめ対策組織の構成員である教職員が講師を務め実施するなど、学校いじめ対策組織の存在及び活動が生徒に容易に認識される取組を行う。
第3 いじめの早期発見・事案対処
1 基本的な考え方
いじめは遊びやふざけあいを装ったり、教職員のわかりにくい場所や時間に行われたりするなど、教職員が気づきにくく判断しにくい形で行われることを認識することが必要である。また、けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断する必要がある。これらのことを踏まえ、生徒が示す変化や危険信号を見逃さないように、日頃からの生徒の見守りや信頼関係の構築等に努める。
2 いじめの早期発見のための取組
(1) 情報の集約と共有
ア いじめの相談・通報を受け付ける窓口を設け、いじめの早期発見・事案対処のため,いじめの疑いに関する情報の収集と記録,共有を行う。
イ いじめに関する情報については、些細なことも含め「いじめ対策委員会」で情報を共有する。
ウ 「いじめ対策委員会」で共有された情報については、各学年主任を通じて全教職員で共有する。
エ 緊急の場合は、職員会議等で情報を共有する。
(2) 学期毎に全生徒を対象としたアンケート調査及び聞き取り調査を実施
ア アンケート調査 :6月、11月、2月
イ 聞き取り調査 :6月、11月、2月 (※アンケート後に実施する。)
(3) 相談体制の整備と周知
ア 年2回教育相談週間を実施する。(6月、10月)
イ スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等と情報を共有する。
ウ 校内相談窓口を設置し、学校説明会や全校集会等で学期ごとに生徒及び保護者に周知する。
第4 いじめに対する取組
1 基本的な考え方
いじめの発見・通報を受けた場合は、特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報共有し、事実関係を確認の上、組織的に対応方針を決定する。その際には、いじめに係る情報を適切に記録し、被害生徒を徹底して守り通すとともに、事実関係を迅速に保護者へ伝え、不安の解消に努める。また、加害生徒に対しては教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。加えていじめを通報した生徒を保護する。これらの対応については、教職員全体の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関と連携に努める。
2 いじめの発見・通報を受けたときの対応
(1) いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止めさせる。
(2) いじめと疑わしき行為を発見した、あるいは相談や訴えがあった場合には、特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報を集約し、組織的に共有する。
(3) 「いじめ対策委員会」を中心に関係生徒から事情を聞くなどいじめの有無の確認を行う。結果は、加害・被害生徒及びそれぞれの保護者に連絡するとともに、京丹後市教委員会に報告する。
(4) いじめられた生徒にとってつながりのある教職員と一緒に寄り添える体制を作り、いじめから救い出し、徹底的に守り通す。
(5) いじめた生徒には、いじめは人格を傷つける行為であることを理解させ、自らの行為の責任を自覚させるとともに、不満やストレスがあってもいじめに向かわせない力を育む。
(6) いじめた生徒が、例えば、好意から行った行為が意図せずに相手の生徒の心身の苦痛を感じさせてしまった場合には、「いじめ」という言葉を使わずに指導するなどの柔軟な対応を可能とする。
(7) 生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに京丹後市教育委員会に報告、協議するとともに警察・弁護士等との連携を図る。
(8) いじめが起きた集団に対しても自分の問題として捉えさせ、集団の一員として、互いを尊重し、認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進めていく。
(9) つながりのある教職員を中心に、即日、関係生徒(加害、被害とも)の家庭訪問等を行い、事実関係を伝えるとともに、今後の学校との連携方法について話し合う。
3 「いじめの解消」の定義を踏まえた見守り及び再発防止に向けた取組
(1) いじめの解消
いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している」状態とは、以下の2つの要件が満たされている必要がある。
ア いじめに係る行為が見られないこと(おおよそ3か月)」
イ 「被害生徒が心身の苦痛を感じていないこと」
ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情も勘案して判断するものとする。
(2) いじめを受けた生徒の見守りと確認
いじめを受けた生徒を守り通すとともに、生徒及びその保護者が心身に苦痛を感じていないかどうかについて面談等を通して確認を行う。
(3) いじめの解消の判断
担任等の教職員は、3か月を目安とし、いじめを受けた生徒、いじめを行った生徒の様子含めた状況を「いじめ対策委員会」に報告し、いじめ解消の判断を求める。ただし、いじめの被害の重大性等から、さらに長期の見守りが必要であると判断した場合には3か月を超えた場合でも見守りを継続する。
4 インターネットやスマートフォン等を利用したいじめへの対応
(1) インターネット上のいじめを誘発する通信情報システムについての研修を実施する。
(2) インターネット上の不適切な書き込み等については、直ちに削除する措置をとる。
(3) 情報モラル教育を推進する。
(4) PTA等とも連携し、インターネットやスマートフォンなどの利用のルールやマナーについて情報提供や啓発を積極的に進める。
第5 重大事態への対処
1 重大事態が発生した場合は、直ちに京丹後市教育委員会に報告し、調査を実施する主体等を協議する。学校が調査を行う場合は、「いじめの防止等のための基本的な方針」(文部科学大臣決定) 及び京丹後市におけるいじめ防止等のための基本的な方針に基づき、「いじめ対策委員会」を中心に、被害生徒及び保護者の思いを踏まえるとともに、調査の公平性・中立性の確保に努め、事実関係を明確にする。なお、初期においては「疑い」が生じた段階で調査を開始しなければならない。
2 生徒や保護者から「いじめられて重大事態に至った」という申し出があった場合には調査を行わなければならない。
3 学校で行う調査の状況については、必要に応じていじめを受けた生徒及びその保護者に対して適切に情報を提供する。
4 調査結果を京丹後市教育委員会に報告する。
5 調査結果を踏まえ、当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な取組を進める。
第6 関係機関との連携
1 地域・家庭との連携の推進
(1) 京丹後市立久美浜中学校PTAとの連携の下、いじめに対する理解を深める取組を推進する。
ア いじめ防止等に関わる研修会の実施
イ 外部関係機関による研修会への積極的参加
(2) いじめの防止等に関する学校の基本方針や取組を学校だより・ホームページ等で積極的に発信する。
2 関係機関との連携の推進
(1) 学校において重篤ないじめを把握した場合には、学校で抱え込むことなく、速やかに教育委員会へ報告するとともに問題解決に向けて助言指導等の支援を受けることが必要である。
(2) 解決が困難な事案が発生した際には、教育委員会に協力を求め、必要に応じて警察や福祉関係者等の関係機関や弁護士等の専門家を交えて対策を協議し、早期の解決を目指す。
第7 その他
1 いじめの重大事態への対応など、いじめ防止等の推進する上で、「京丹後市いじめ防止等基本方針」を参考とする。
2 学校いじめ防止基本方針に基づく取組の実施状況を学校評価の評価項目に位置付ける。
(令和6年4月現在)
いじめは生徒の教育を受ける権利を侵害し、心身の健やかな成長及び豊かな人格の形成に甚大な影響を与えるだけでなく、その生命をも傷つける危険性を持つ。また、加害者および傍観者についても、「違いを認め、ともに歩む」という人間社会におけるもっとも大切な精神の構築に歪みを生じさせる恐れがある。
また、いじめは「どの子にも起こりうる、どの子どもも被害者にも加害者にもなりうる。」という事実を踏まえ、すべての生徒が安心して生活し、ともに学び合い、いじめに向かわせないための教育環境づくりを家庭及び地域社会の協力も得て、すべての教職員で進めなければならない。
そのために、学校は良好な友人関係や教師との信頼関係の中で、分かる授業づくりや一人ひとりが生かされ活躍できる学級づくり、学校づくりに取り組むことが大切である。加えて、生徒が自主的にいじめ防止に向き合う活動を取り組むことにより、生徒の集団の一員としての自覚や自信がはぐくまれ、互いを認め合う人間関係・学校風土の構築につながることが期待できる。
いじめの未然防止のための取組が成果を上げるためには、日常的に生徒の実態を把握し、定期的なアンケート調査などの検証を通して、改善や新たな取組の必要性について定期的に検討し、PDCAサイクルに基づく取組を継続することが重要である。あわせていじめの問題を取り扱う上で、いじめの有無やその多寡のみを評価するのではなく、日常の生徒理解、未然防止や早期発見、いじめが発生した際の迅速かつ適切な情報共有や組織的な対応等が評価されることを、すべての教職員へ周知徹底することが不可欠である。
本校では、京丹後市及び家庭、その他関係者との連携の下、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71 号 平成29年3月14日改訂 以下「法」という。)第13条の規定に基づき、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処(以下「いじめの防止等」という。)のための対策を、京丹後市教育委員会の「指導の重点」、並びに「学校教育指導の重点 推進上の留意点」も踏まえ、総合的かつ効果的に推進するため、京丹後市立久美浜中学校いじめ防止基本方針(以下「基本方針」という。)を策定する。
第1 いじめの防止等の組織
1 いじめの防止等に関する取組を実効的に行うため、校内に「いじめ対策委員会」を置く。
2 「いじめ対策委員会」の構成員は次のとおりとし、必要に応じて担任や、部活動指導に関わる教職員等、関係する教職員や専門家等※を加えることができる。
「いじめ対策委員会」構成員:校長・教頭・教務主任・生徒指導主任・各学年主任・養護教諭
※ 専門家等:スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医師、弁護士(医師・弁護士等については、教育委員会との連携により、いじめ対策委員会への参画を要請する)
なお、いじめの未然防止・早期発見を実効的に行うために、学校のいじめ対策の企画立案、 事案対処等について、学級担任を含めたすべての教職員が参画できるようにするなど、柔軟な組織運営を推進する。
3 「いじめ対策委員会」は毎週金曜日に開催する。なお、緊急に必要があるときはこの限りではない。
4 「いじめ対策委員会」では、次のことを行う。
(1) 基本方針に基づく取組の実施、具体的な行動計画の作成、実行、検証、修正
(2) 生徒や保護者へ学期ごと等にいじめ防止等組織の役割(いじめの相談・通報の窓口であること等)を周知するとともに、基本方針の説明を行う。
(3) 警察や児童相談所等の関係機関、弁護士事務所や医療等の専門機関との連携
(4) いじめの疑いや生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有
(5) いじめの疑いに係る情報に対して、関係する生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制及び保護者との連携等対応方針の決定
(6) 重大事態が疑われる事案が発生したときに、その原因がいじめにあるかの判定および報告
(7) 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査、記録及び報告
(8) 重大事態に係る調査において教育委員会と連携し、可能な限り弁護士や医師等の専門家の参画を要請する。
(9) 当該重大事態を踏まえた同種の事態の発生防止のための取組の推進
第2 いじめの未然防止
1 基本的な考え方
いじめは、どの子どもにも起こりうるものであるとともに、どの子どもも加害者にも被害者にもなりうるものである。また、いじめの背景には子どもの心の問題とともに家庭、友人関係、学校などの環境の問題があり、複雑に絡み合っていると言われている。
これらのことを踏まえて、すべての生徒を対象に互いの個性や価値観の違いを認め、自己を尊重し、他者を尊重するなど、豊かな感性をはぐくむ学級づくりを実践し、生徒と教員との信頼関係を高めながら、いじめを許さない集団づくりのために、生徒が自主的にいじめ問題について考え、議論すること等のいじめ防止に資する活動に取り組む。合わせて、全教職員がPTA等と一体となって継続的に取組を行う。
2 いじめの未然防止のための取組
(1) 分かりやすく規律ある授業の推進
ア 肯定的な評価を大切にする授業づくり
イ 少人数授業及びティームティーチングの推進
ウ 言語活動の充実
エ 定期的な授業評価の実施と活用
オ 授業研究の推進
カ ベル着の徹底
キ 教室環境の整備
(2) 自己有用感をはぐくむ取組の推進
ア 行事等を活用し生徒指導の三機能が生かされた学校・学級づくり
イ 就学前から10年間を見通した保幼小中一貫教育の推進
ウ 異年齢集団による各種行事、ボランティア活動の充実
(3) 豊かな心をはぐくむ取組の推進
ア 道徳教育、人権教育の推進、異文化等を含む多様な価値観の尊重
イ 体験活動、地域学習、読書活動の推進
ウ 規範意識、コミュニケーション能力の向上
(4) いじめについて理解を深める取組の推進
ア 学級活動、学年集会、全校集会など特別活動の充実
イ 人権週間、人権旬間での実施
ウ SOSの出し方教室など、いじめへの対応策を学ぶ活動の推進
(5) いじめについて、生徒の主体的な活動の推進
ア 生徒会活動、各種委員会活動の充実
イ 生徒が自主的にいじめの問題について考え,議論する場の設定
(6) 教職員の資質能力の向上を図る取組の推進
ア 校内研修の実施
イ 公的な校外研修等の有効な活用
(7) 配慮が必要な生徒への合理的配慮の推進
ア 配慮が必要なすべての生徒(※)への合理的な配慮や支援の推進
イ 合理的配慮を行う上で、保護者との連携や周囲の生徒に対する必要な指導の組織的な実施
※ 配慮が必要な生徒:障害(診断の有無は問わない)のある生徒、外国にルーツを持つ生徒、性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒など
3 いじめの防止についての共通理解
(1) 道徳教育を始めとする教育活動全体を通して、いじめが重大な人権侵害に当たり、決して許されないことを生徒に理解させる。
(2) いじめが刑事罰の対象となり得ること、不法行為に該当し損害賠償責任が発生し得ること等について実例を示しながら、人権を守ることの重要性やいじめの法律上の扱いを生徒に対して教える取組を推進する。
(3) 組織の構成員である教職員がいじめ未然防止のための授業を、学校いじめ対策組織の構成員である教職員が講師を務め実施するなど、学校いじめ対策組織の存在及び活動が生徒に容易に認識される取組を行う。
第3 いじめの早期発見・事案対処
1 基本的な考え方
いじめは遊びやふざけあいを装ったり、教職員のわかりにくい場所や時間に行われたりするなど、教職員が気づきにくく判断しにくい形で行われることを認識することが必要である。また、けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断する必要がある。これらのことを踏まえ、生徒が示す変化や危険信号を見逃さないように、日頃からの生徒の見守りや信頼関係の構築等に努める。
2 いじめの早期発見のための取組
(1) 情報の集約と共有
ア いじめの相談・通報を受け付ける窓口を設け、いじめの早期発見・事案対処のため,いじめの疑いに関する情報の収集と記録,共有を行う。
イ いじめに関する情報については、些細なことも含め「いじめ対策委員会」で情報を共有する。
ウ 「いじめ対策委員会」で共有された情報については、各学年主任を通じて全教職員で共有する。
エ 緊急の場合は、職員会議等で情報を共有する。
(2) 学期毎に全生徒を対象としたアンケート調査及び聞き取り調査を実施
ア アンケート調査 :6月、11月、2月
イ 聞き取り調査 :6月、11月、2月 (※アンケート後に実施する。)
(3) 相談体制の整備と周知
ア 年2回教育相談週間を実施する。(6月、10月)
イ スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等と情報を共有する。
ウ 校内相談窓口を設置し、学校説明会や全校集会等で学期ごとに生徒及び保護者に周知する。
第4 いじめに対する取組
1 基本的な考え方
いじめの発見・通報を受けた場合は、特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報共有し、事実関係を確認の上、組織的に対応方針を決定する。その際には、いじめに係る情報を適切に記録し、被害生徒を徹底して守り通すとともに、事実関係を迅速に保護者へ伝え、不安の解消に努める。また、加害生徒に対しては教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。加えていじめを通報した生徒を保護する。これらの対応については、教職員全体の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関と連携に努める。
2 いじめの発見・通報を受けたときの対応
(1) いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止めさせる。
(2) いじめと疑わしき行為を発見した、あるいは相談や訴えがあった場合には、特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報を集約し、組織的に共有する。
(3) 「いじめ対策委員会」を中心に関係生徒から事情を聞くなどいじめの有無の確認を行う。結果は、加害・被害生徒及びそれぞれの保護者に連絡するとともに、京丹後市教委員会に報告する。
(4) いじめられた生徒にとってつながりのある教職員と一緒に寄り添える体制を作り、いじめから救い出し、徹底的に守り通す。
(5) いじめた生徒には、いじめは人格を傷つける行為であることを理解させ、自らの行為の責任を自覚させるとともに、不満やストレスがあってもいじめに向かわせない力を育む。
(6) いじめた生徒が、例えば、好意から行った行為が意図せずに相手の生徒の心身の苦痛を感じさせてしまった場合には、「いじめ」という言葉を使わずに指導するなどの柔軟な対応を可能とする。
(7) 生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに京丹後市教育委員会に報告、協議するとともに警察・弁護士等との連携を図る。
(8) いじめが起きた集団に対しても自分の問題として捉えさせ、集団の一員として、互いを尊重し、認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進めていく。
(9) つながりのある教職員を中心に、即日、関係生徒(加害、被害とも)の家庭訪問等を行い、事実関係を伝えるとともに、今後の学校との連携方法について話し合う。
3 「いじめの解消」の定義を踏まえた見守り及び再発防止に向けた取組
(1) いじめの解消
いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している」状態とは、以下の2つの要件が満たされている必要がある。
ア いじめに係る行為が見られないこと(おおよそ3か月)」
イ 「被害生徒が心身の苦痛を感じていないこと」
ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情も勘案して判断するものとする。
(2) いじめを受けた生徒の見守りと確認
いじめを受けた生徒を守り通すとともに、生徒及びその保護者が心身に苦痛を感じていないかどうかについて面談等を通して確認を行う。
(3) いじめの解消の判断
担任等の教職員は、3か月を目安とし、いじめを受けた生徒、いじめを行った生徒の様子含めた状況を「いじめ対策委員会」に報告し、いじめ解消の判断を求める。ただし、いじめの被害の重大性等から、さらに長期の見守りが必要であると判断した場合には3か月を超えた場合でも見守りを継続する。
4 インターネットやスマートフォン等を利用したいじめへの対応
(1) インターネット上のいじめを誘発する通信情報システムについての研修を実施する。
(2) インターネット上の不適切な書き込み等については、直ちに削除する措置をとる。
(3) 情報モラル教育を推進する。
(4) PTA等とも連携し、インターネットやスマートフォンなどの利用のルールやマナーについて情報提供や啓発を積極的に進める。
第5 重大事態への対処
1 重大事態が発生した場合は、直ちに京丹後市教育委員会に報告し、調査を実施する主体等を協議する。学校が調査を行う場合は、「いじめの防止等のための基本的な方針」(文部科学大臣決定) 及び京丹後市におけるいじめ防止等のための基本的な方針に基づき、「いじめ対策委員会」を中心に、被害生徒及び保護者の思いを踏まえるとともに、調査の公平性・中立性の確保に努め、事実関係を明確にする。なお、初期においては「疑い」が生じた段階で調査を開始しなければならない。
2 生徒や保護者から「いじめられて重大事態に至った」という申し出があった場合には調査を行わなければならない。
3 学校で行う調査の状況については、必要に応じていじめを受けた生徒及びその保護者に対して適切に情報を提供する。
4 調査結果を京丹後市教育委員会に報告する。
5 調査結果を踏まえ、当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な取組を進める。
第6 関係機関との連携
1 地域・家庭との連携の推進
(1) 京丹後市立久美浜中学校PTAとの連携の下、いじめに対する理解を深める取組を推進する。
ア いじめ防止等に関わる研修会の実施
イ 外部関係機関による研修会への積極的参加
(2) いじめの防止等に関する学校の基本方針や取組を学校だより・ホームページ等で積極的に発信する。
2 関係機関との連携の推進
(1) 学校において重篤ないじめを把握した場合には、学校で抱え込むことなく、速やかに教育委員会へ報告するとともに問題解決に向けて助言指導等の支援を受けることが必要である。
(2) 解決が困難な事案が発生した際には、教育委員会に協力を求め、必要に応じて警察や福祉関係者等の関係機関や弁護士等の専門家を交えて対策を協議し、早期の解決を目指す。
第7 その他
1 いじめの重大事態への対応など、いじめ防止等の推進する上で、「京丹後市いじめ防止等基本方針」を参考とする。
2 学校いじめ防止基本方針に基づく取組の実施状況を学校評価の評価項目に位置付ける。
(令和6年4月現在)