11月10日(火)、教養科学科1年次生84名が、京都大学宇治キャンパスを訪れ、水圏環境解析化学研究領域、高分子材料設計化学研究領域、複合ナノ解析化学研究領域の3つの研究領域を見学しました。実際の研究の様子を体験し、疑問に感じたことや分かりにくかったことなどを大学の先生や研究している学生たちに質問していました。

  最初に、本校の学術顧問でもある阿久津達也教授から、「バイオインフォマティクス(バイオ情報学)について」という演題で御講演をいただきました。生命の設計図である「DNA」について、その塩基配列の解析やコンピュータで処理する際の工夫について解説してくださいました。

 
 

  その後、生徒たちは3班に分かれて、研究室の見学に向かいました。

  水圏環境解析化学研究室では、海洋は地球を生存可能な惑星としている中心的存在であり、どのように働いているかを化学を使って明らかにする研究について説明を受けました。あわせて、海水中の微量元素を分析するための実験施設を紹介していただきました。

  複合ナノ解析化学研究室では、最先端の電子顕微鏡を用いたナノ領域の構造観察や化学分析の研究を説明していただきました。 また、実際の装置を見学し、電子顕微鏡技術の進展を紹介していただきました。

  高分子材料設計化学研究室では、合成高分子の精密合成法として特に近年注目されているリビングラジカル重合法について解説していただき、その手法を用いた機能性材料の創製例を紹介していただきました。

  最後に、化学研究所内にあるスーパーコンピュータを見学しました。最新のスーパーコンピュータは、世界中の研究者たちがアクセスして、保存されている膨大な量の研究データを活用しています。

  半日という短い時間でしたが、生徒たちにとっては学校内では味わえない、先駆的で最先端の研究に触れることができ、将来の進路選択に向けて良い体験ができました。