学校紹介

 
 

令和5年度 校長挨拶

 

_DSC7053 (2).JPG 京都府立東宇治高等学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 令和5年4月1日付で着任いたしました校長の野村康隆と申します。

 本校は、昭和49年に創立、今年度で50周年を迎える全日制普通科の高等学校であり、生徒は落ち着いた環境のもとで、勉学や学校行事、部活動等に熱心に取り組み、爽やかな挨拶ができる良き伝統と校風を受け継いできております。

 そのような伝統ある東宇治高等学校での勤務に、喜びとともに改めて責任の重さを感じながら、日々生徒・教職員とともに歩んでいく所存です。

 グローバル化や情報化の急速な進展などを背景に、社会構造の大きな変動期を迎え、人工知能等の先端技術が高度化していく中、緊迫している国際情勢や新型コロナウイルス感染症のパンデミック、自然災害の脅威など、改めて命の大切さを痛感しています。このような予測困難な時代に子どもたちが幸せに生きていくためには、学び得た知識・技能を生かし、自らの考えを発信するだけでなく多様な価値観を尊重し、新たな価値を創造できる力の育成が必要であると考えます。

 そこで本校では、このような力を育成するため、教育目標として「みらいを明るくできる人(自主性を基盤に、社会と関わり、課題を解決していこうとする人)」の育成を掲げ、生徒に、

1 挑戦する姿勢

2 周囲と関わる姿勢

3 努力し続ける姿勢

を身に付けさせる教育活動を実践しています。

 教育的な情熱と信念、誠意にあふれた本校教職員が、高い結束力で生徒へのサポートにあたっており、生徒1人1人の着実な成長と自己実現を目指し、「みらいを明るくできる人」の育成に努めて参ります。

 最後になりましたが、保護者の皆様や地域の皆様におかれましては、本校教職員が一丸となって家庭・地域と連携し信頼される学校づくりを今後も進めてまいりますので、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。


令和5年度入学式式辞

 

 春の訪れは、人の気持ちも切り替え、新鮮で力強い風を運んできます。

 この佳き日に、多くの御来賓の皆様、ならびに保護者の皆様方をお迎えして、京都府立東宇治高等学校令和5年度入学式 を挙行できますことに、高いところからではございますが、深く感謝申し上げます。

 本校は、昭和49年に設立、今年度で50周年を迎えます。この記念すべき節目の年に晴れて入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 みなさんを心より歓迎いたします。

 東宇治高校は、「みらいを明るくできる人」、すなわち自主性を基盤に、社会と関わり、課題を解決しようとする人を育てることを教育目標として掲げています。この目標を実現するために私たち教職員は、「挑戦する姿勢」、「周囲と関わる姿勢」、「努力し続ける姿勢」の三つの姿勢を身につけるよう皆さんと一緒に活動してまいります。

 しっかりとした基礎基本の学習を土台として、一人一人が主体性を持って「自ら学ぼうとする力」や「知識を活用して問題を発見し解決していく力」を育てていきたいと思います。

 また、部活動や学校行事なども積極的に取り組みます。ぜひ、多くの交流をとおして豊かな人間関係を築き、充実した高校生活を送ってほしいと願っています。

 近年、アメリカの教育界や、ビジネス、スポーツの分野において、GRITと呼ばれる力が注目されています。日本語では、「やり抜く力」と訳されますが、目標に対してひたむきに取り組み、挫折や困難を味わってもあきらめずに努力をし続ける「情熱」と「粘り強さ」のことをいいます。そして、多くの人が「才能がないから成功できない」と考える傾向にありますが、人生で成功するかどうかは、「才能」や「環境」のみによって決まるのではなく、この「やり抜く力」こそが重要であり、今からでもトレーニングによって後天的に伸ばすことのできる能力であると、心理学の様々な理論を元に専門的な調査と研究を行った結果突き止められたのです。

 それでは、どうやったら、この「やり抜く力」を伸ばすことができるのか、翻訳本『やり抜く力GRIT―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』から、その一部を紹介します。

 一つは、自身の興味関心から高めの目標を設定し、目標達成に向けた練習を日々継続させ習慣化することです。今取り組んでいることが最終的に大きな目標につながっていると自覚し、失敗しても「次はどうしたらできるだろうか」と前向きに考えることが大切です。

 もう一つ、外側から、「やり抜く力」を伸ばすこともできます。それは、学校という集団では、教職員や友人、先輩など周りの人から影響を受けやすいものです。一人だと諦めてしまうことも、集団であれば切磋琢磨し、もがきながらも努力を続けることで進歩につながり、それによって自信がわき、もっと大きなことに挑戦しようとする好循環が生まれます。

「やり抜く力」を身につけるには、一歩ずつでも前に進むこと。

「やり抜く力」を身につけるには、興味ある目標に粘り強く取り組むこと。

「やり抜く力」を身につけるには、厳しくても辛くても毎日練習を続けること。

「やり抜く力」を身につけるには、失敗してもめげず、奮起して立ち直ること。

 最後になりましたが、保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。

 本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。高校の3年間は、これからの人生の方向を決定する大切な時期ではありますが、最も多感な時期であり、悩むこともあると思います。私たち教職員は、お子様が自ら進むべき道を自分で切り拓いていけるよう全力を尽くしサポートしてまいりますが、今の社会は子どもたちが自分で考え、判断し、失敗や成功を経験するチャンスを奪いすぎていることも確かです。高校時代の挫折や失敗は、取り返しのつかないことではなく、未来への蓄えだと考え、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも相互に信頼し、連携しながら、子どもたちの豊かな個性を伸ばしてあげたいと思います。

 本日、高校生活のスタートラインに立った新入生が失敗と挑戦をくり返しながら「やり抜く力」を身に付け、3年後、「みらいを明るくできる人」に成長していってくれることを期待し、式辞といたします。

 

令和5年4月10日     

京都府立東宇治高等学校長

野 村  康 隆   

令和5年度1学期始業式式辞

 

 まずは、皆さん、進級おめでとう。


 今日の午後には、入学式を行い、新しく新入生を迎えます。2年生は、学校での中心
的存在として、3年生は最終学年として、希望する進路と自分の夢の実現を目指して、
ともに東宇治高校の、良き先輩として新入生を迎えてほしいと思います。


それでは、この年度当初に、皆さんに大切にしてもらいたい「3つの願い」を述べた
いと思います。


 一つ目は、「何かを追い求め、諦めることなく努力を続けること」です。私は、高校時
代は、皆さんが将来自分の道を切り拓くための準備期間だと思っています。その準備期
間に、何かを追い求め、諦めることなく努力を続ける地道な行動の積み重ねが大事であ
り、それが将来の自分の確かな礎となります。これから皆さんは幾多の困難や試練に出
会うことでしょう。そのときものをいうのが高校時代に培った何かを追い求め、諦める
ことなく努力を続けた経験であると思っています。


 二つ目は、「自分で考えること」です。自分とこれからの社会はかつてない激しい変化
の中にあります。人工知能の飛躍的な進化などにより、将来の予測は難しくなってきて
います。このような中、次世代のリーダーを担う皆さんには、どのような力が求められ
るのか考えてみてください。あらかじめ答えが用意された問いを解決していくだけで十
分なのでしょうか。インターネットの普及によって、時に未知の世界が無くなったかの
ような錯覚に陥ることがあります。いつのまにか私たちは自分でしっかりと物事を考え、
自己の責任において判断を下す経験から遠のいているかもしれません。高校生活のあら
ゆる場面で多種多様な情報を整理し、先生方や友人など、周囲の人たちと言葉を交わす
ことで、自分の考えを確かに、そして新たにしてほしいと思います。


 三つ目は、「受け止める力を磨くこと」です。他者の言葉、他者のシグナル、他者の沈
黙を含めた他者の求めるコミュニケーションをシャットアウトせずに素直に受け止め
てほしいと思います。自分と異なる価値観に触れることで自分を確かめたり、世界を広
げ深めたりすることができます。高校時代の多くの出会いを通じて、それぞれの個性を
大切にしながら相互理解に努めてください。互いに認め合う多様性を尊重する社会の一
員として必要な知性と感性を豊かにしてもらいたいと思います。


 これから皆さんは、残りの高校生活において、様々な問題に直面すると思います。そ
のときは、いま述べた三つの願いを忘れず一歩前へ動いてください。


 最後になりましたが、本校は、今年度創立 50 周年を迎えます。この間たくさんの優
秀な先輩方が卒業し、多方面で活躍しています。50 年間の歴史を大切にし、新しい素
晴らしい伝統を築いてくれることを期待し、新学期を迎えるにあたっての式辞とします。

令和4年度修了式式辞

 

 令和4年度3学期が今日で終了します。新型コロナウイルス感染症の影響を受け続けてきた3年間でしたが、少しずつ学校生活への制約も小さくなってきました。4月からは、感染予防に努めながら、基本的にマスクを着用しないで過ごす学校生活が始まります。

 新しい春を迎えるにあたり、今日は、皆さんと自立することについて考えたいと思います。

 私は、高校卒業後の春休みに、東北、岩手県の花巻へ一人で旅に出かけました。42年前のことです。この旅は、今でも自分の人生のなかでとても大切な時間だったと思っています。

 花巻に行こうと思ったきっかけは、高校3年生の11月に受けた模擬試験の国語の問題に宮沢賢治の「永訣の朝」という詩が出題されていて、その詩に心動かされ、宮沢賢治のことをもっと知りたいと思ったからです。

 夜行バスで東京まで行き、上野駅から電車で岩手県の花巻まで行きました。夕食を食べようと、花巻の街を歩いていると、ふとある考えが浮かびました。それは、「自分は今、花巻にいるけれど、自分がここに来ようと来まいと、この町の人たちは、これまで自分とは全く関係なく生活をしてきた人で、これからも二度と出会うことはないだろう。」という感覚でした。

 言わば当たり前のこの感覚を、それ以来ずっと、どう表現しらたいいか分からなかったのですが、最近読んだ、岸見一郎という方の書いた『幸せになる勇気』という書物にある、「自立とは自己中心性からの脱却である」という言葉にはっとさせられました。

 自己中心性とは、自分を中心に物事を考え、自分の考えに合わないものは排除したり、否定したりする傾向のことです。

  18歳の私が感じたあの感覚は、自分が世界の中心にいるわけではないということを直感し、自己中心性からちょっと抜け出しかけた自分を発見した感覚だったのだと思います。

 岸見さんは、同じ書物の中で、「あなたは他者の期待を満たすために生きているのではない」し、「他者もあなたの期待を満たすために生きているのではない」と述べておられます。

 友人関係で、相手が自分の思い通りしてくれないことに腹を立ててSNSに悪口を書き込んだり、無視をしたりする人が世の中にいますが、それは、他者が自分の期待どおりに動いてくれると考え、自己中心性から抜け出せていないからではないでしょうか。自立するためには、自分の内にある自己中心性から脱却しなければなりません。

 そして、もう一つ、自立するためには、どんな状況であれ、自分の頭で考えることを止めないことが大切です。

 最近、テレビやネットではAI機能が話題になっています。自分が知りたいことがある時、いくつかの「キーワード」と条件を入力すれば、すぐに答えらしき文章を作ってくれる機能です。

 人間の脳は、楽を求める傾向があります。もし時間をかけて苦労して調べるよりも、AIを使って答えを出した方が楽だという考え方が社会全体に広まったら、人間は、学ぶことを止めてしまうかもしれません。

  学ぶことは、答えに到達することではなく、わからなくても自分で調べたり、考えたりすることに意味があるのです。

  それに、手に入れた答えが正しいとは限りません。そのAIを開発する人が、都合の良い情報のみを出したり、都合の悪い情報は出ないようにすることも出来ます。

 私たちは、それが操作された情報なのかどうかさえも調べなくなります。

 これからの時代は、しっかり現状を見て、自分の頭で考え、明確な判断ができる力を磨いていくことがますます必要になってきます。

 皆さんが東宇治高校で取り組んでいる「総合的な探究の時間」の課題も、AI機能を使えば、それらしき解決策を提示してくれるかもしれませんが、学びの喜びや醍醐味を感じ、自ら考える力を身につけることからは、かけ離れたものになるでしょう。

 皆さんには、結果よりも学んだ過程を大切する姿勢を忘れないでほしいです。私たちは自立するために学んでいるのです。

  最後に、皆さんにお願いがあります。ぜひ東宇治高校の校歌を覚えて歌えるようにしてほしいです。この校歌は、初代校長の深井隆三先生が作詞をされました。2番の歌詞に「若人は真理(まこと)を求め、遙かなる道、拓きつつ、望みある未来を築かん」という歌詞があります。

 今年、東宇治高校は大きな節目となる50周年を迎えました。1万5千人を超える卒業生が社会の様々な分野で活躍されています。

 皆さんにも自分の生き方を自分で考え選び、一歩一歩あゆみを進め、ともに明るい未来を築いていく仲間になってほしいと思います。

 4月からは、一つ上の学年になり、新たな学校生活が始まります。皆さんが、この東宇治高校で健康で、生き生きと充実した毎日を過ごすことを願って、3学期修了式の式辞とします。

第47回卒業証書授与式 式辞

 

 ここ平尾山に吹く風に柔らかな春の気配を感じられる頃となりました。
 公私ともに御多用の中、本校PTA・教育後援会会長様をはじめ、多くの御来賓の方々、並びに保護者の皆様の御臨席をいただき、令和四年度京都府立東宇治高等学校第四十七回卒業証書授与式を挙行できますことはまことに光栄であり、高壇からではございますが、卒業生、教職員一同とともに厚く御礼申し上げます。(ありがとうございます。)

 「歩けるを 顔とあんよで喜んで 子は寝る前に 寝るまで歩く」これは昨年、第三十二回紫式部市民文化賞を受賞された本校 鳥本純平 教諭の歌集「葉の上の露」の作品です。子どもの成長を願い喜ぶ親の深い愛情を見事に表現した歌です。 

 保護者の皆様には、この歌のように、お子様の誕生から現在に至るまで、その成長を願い、見守って来られたことと存じます。様々な場面を経ながらも、今日、こうして立派に御卒業されますことに心からお祝いを申しあげます。これからも、お子様が成長され、責任ある成人として自立していかれる様子を、少し距離を置きながらも温かく見守っていただきますようお願いいたします。

 さて、ただいま、卒業証書をお渡しした生徒の皆さん、卒業本当におめでとう。皆さんは、東宇治高校に入学して間もなく、新型コロナウイルス感染症の影響で学校が臨時休業となり、二ヶ月もの間、登校できない日々が続きました。「早く高校の授業を受けたい。」「部活動に参加して汗を流したい。」という思いを募らせたり、「自分は本当に高校生になったのだろうか。」という不安な気持ちになったりした人もいたのではないでしょうか。 学校再開後も授業や学校行事、部活動など様々な教育活動が感染症拡大防止のため、大きく制約を受けてきました。

 しかし、その中でも、皆さんは、学校生活を充実させるために懸命に取り組み、一歩ずつ成長してきました。「総合的な探究の時間」の授業では、一年生で地域の課題について学び、二年生でSDG'sをテーマとして新聞を活用し、国際的な問題について探究学習を深めていきました。また、二年生の研修旅行では、海外から国内へと行き先の変更はありましたが、文理コース、英語探究コースとも英語によるグループ学習で外国の方々との国際交流を見事に行いました。

 そして、高校生活において最初で最後となった昨年九月の文化祭では、「さすが三年生」と感動する舞台パフォーマンスをどのクラスも披露してくれました。部活動においても、日々の練習で自分の技術を懸命に磨き、後輩に対しても丁寧に教えている姿には感心しました。

 皆さんが学んできたように、今の社会では、地元地域から国際社会に至るまで、少子化や貧困、紛争、環境問題など、大きな課題が山積しています。これからの時代は、確かなことが見えにくい「不確実な時代」ともいわれています。皆さんには、東宇治高校の学習の中で学んだ探究の手法を活かす場面がいくつも訪れることと思います。

 柔軟な思考と豊かな着眼点で、課題の本質を見抜き、実際の社会の中で、様々な課題に挑戦し、周囲の人々と関わりながら、自らの課題の解決に向けて努力し続ける人になってください。
 社会へ旅立っていく皆さんに、私から二つの言葉を贈りたいと思います。それは、「誠信」と「希望」の二つです。「誠信」は、「誠」と「信じる」の「信」を合わせた言葉です。

 江戸時代、幕府の招きで朝鮮半島から来日し、諸外国の情勢を伝えた外交使節、「朝鮮通信使」は、長崎から現在の滋賀県などを通って江戸へと往復していました。対馬藩に仕え「朝鮮通信使」に随行した、江戸時代の儒学者 雨森芳洲 は、国によって「しきたり」も嗜好も異なるので、自分たちの基準だけで接しては必ず不都合が生じる。相手国の歴史や習慣、作法などをよく理解し尊重し、「互いに欺かず、争わず、真実をもって交わることこそ、誠信である」と述べました。

 「誠信」とは、誠実さを持ってお互いを認め合い、信頼関係を築いていくことです。そして、朝鮮通信使の「通信」は、信頼を通じ合わせるという意味です。今から三百年も前の江戸時代において、真の国際交流の実現を願った雨森芳洲の「誠信」という言葉に込めた思いを受け継いでいきたいものです。互いの違いを認め合い、人権を尊重し合うことは、私たちの身近なところでも、国際関係においても重要なことです。

 また、「ギリシア神話」の中に「パンドラの箱」という物語があります。プロメテウスという神様は、当時知恵や技術をほとんど持っていなかった人間に、初めて火を与えました。火は神のものであったため、その行為を知った最高の神ゼウスは大いに怒り、プロメテウスに罰を与え、人間も懲らしめようとしました。ゼウスは、パンドラという女性に箱を一つ持たせ、人間の世界に使わせました。パンドラは、好奇心からその箱を開けてしまい、中から災いや不幸、悪などがいっぺんに吹き出し、人間界に広がってしまいました。パンドラが急いで箱を閉めた時には災いはすべて出てしまっていましたが、箱の底の方に一つだけ残ったものがありました。それは万一箱が開けられた時に備えて、プロメテウスが箱に入れておいた「希望」でした。

 人間は、生きている中でいろいろな苦難が待ち受けていますが、それを乗り越えられるのは、「希望」を失わないからだというお話です。未来に希望を持てるのは、人間に与えられた大きな力だと思います。

 東宇治高等学校の教育目標は「みらいを明るくできる人」を育てることです。高校三年間で様々な困難を経験し、乗り越えてきた皆さんだからこそ、多様な人々とお互い違いを認め合いながら連携し、社会の中で不安を抱え、困っている人たちが「よし、もう一度頑張ろう。」と未来に希望が持てるような、社会を築いてくれるものと確信しています。

 最後になりましたが、卒業生の保護者の皆様には、三年間、本校の教育活動に御理解と御協力をいただき、誠にありがとうございました。改めてここにお礼申し上げます。今後とも、本校の教育活動に対しまして、変わらぬ御声援を賜りますようお願い申し上げます。

  希望に満ちた出発の日に当たり、この学舎(まなびや)を巣立ちゆく卒業生の皆さんの前途に、幸多からんことを心から祈念して「式辞」といたします。

                       令和五年三月一日     
                    京都府立東宇治高等学校  
                                     校長 中村 健史    


令和4年度3学期始業式 式辞

 

 皆さん、おはようございます。
 令和5年が始まりました。3年生は、多くの生徒が今週末に「大学入学共通テスト」を受験します。1月末には学年末考査と大学の一般選抜が始まります。進路目標の実現と卒業とを目指し、今、自分に出来ることを着実に取組み、全力を出し切ってください。
 1・2年生は、一つ上の学年への進級に向けて、毎日の授業、学校生活を大切にしていきましょう。

 何度も耳にしたと思いますが、東宇治高校の教育目標は、「みらいを明るくできる人を育てる」ことです。
 皆さんにとって、明るい未来とはどんな未来ですか。

 アメリカのアップル社は1987年、今から36年前にipadの原型を考えていました。スマホやタブレットが作られるずっと前から、アップル社は、こんな未来を作りたいという思いをもっていたのです。アップル社はなぜ思い描く未来を実現できたのか。それは、未来を実現するために自分たちが乗り越えなければならない課題は何かという意識を持ち続け、その課題を解決するために、粘り強く取り組んでいこうとする情熱と行動力があったからだと思います。

 東宇治高校では、「総合的な探究の時間」の中で1年生は地域の課題について、2年生はSDGsを元にした国際的な課題についてテーマを作り、探究的な学習を進めています。
 皆さんには、「総合的な探究の時間」で学んだ内容を高校3年間だけで終わらせずに、社会に出てからもずっと意識し続けてほしいです。

 課題解決に向けて、今の自分にできることは何かを考え、挑戦し続けていると、失敗や挫折を経験することがあります。その時に、失敗や挫折から学び、立ち上がる姿勢を持てるかどうかは、自分の未来にどれだけ真剣に向き合っているかによります。

 進路指導部が作成した今年度の『進路のしおり』の巻頭言に「一度きりしかない人生の中で、自分の未来を考えることは、喜びでありたいものです。」と書きました。皆さん一人一人が自分の生き方に「誇り」と「喜び」を持って、未来を輝かせてほしいと願います。

  今年は、本校にとって記念すべき創立50周年を迎える年です。皆さんと一緒に素晴らしい年にしていきましょう。以上をもって、3学期始業式の式辞といたします。

令和4年度 2学期始業式 式辞

 

 皆さん、おはようございます。39日間の夏休み、充実した毎日を過ごすことはできましたか。2学期は、12月20日まで、4ヶ月間の長丁場です。メリハリのある、中身の濃い学期にしていきましょう。

 9月6日から3日間の日程で文化祭が始まります。文化祭は、本番の発表だけでなく、準備期間の取組み方も大切な意味を持っています。一つのものを創り上げるのに、クラスの中で意見が分かれることもあると思いますが、それをどのように解決して、協力し合いながらより良いものを創り上げるか、その経験が皆さんを成長させる大きな力になります。

 東宇治高校の生徒全員が成長する文化祭を創り上げてほしいと願います。

 文化祭が終わると、3年生は、就職試験や大学の学校推薦型選抜などの入試がいよいよ近づいてきます。最後の最後まで諦めることなく、自分の進路目標達成に全力を尽くしてください。

 1・2年生は、先輩たちの頑張りを是非応援してください。そして、今の学校生活を充実させるための取組みをさらに深めていってほしいと思います。

 今から11年前の東日本大震災が起こった頃に、ACジャパンのあるコマーシャルがよく放映されていました。そのコマーシャルの元になったのは、宮澤章二という方の「行為の意味」という詩です。皆さんにも知ってもらいたいので、読んでみます。

 -あなたの〈こころ〉はどんな形ですか  と ひとに聞かれても答えようがない  自分にも他人にも〈こころ〉は見えない  けれど ほんとうに見えないのであろうか

 確かに〈こころ〉はだれにも見えない  けれど〈こころづかい〉は見えるのだ

 それは 人に対する積極的な行為だから

 同じように胸の中の〈思い〉は見えない  けれど〈思いやり〉はだれにでも見える

 それも人に対する積極的な行為なのだから

 あたたかい心が あたたかい行為になり  やさしい思いが やさしい行為になるとき

 〈心〉も〈思い〉も、初めて美しく生きる  -それは 人が人として生きることだ

  『行為の意味』宮澤章二著(株式会社ごま書房新社p.108~109)

 私は、宮澤さんの詩を読んで、自分の心を磨き、自分の思いや心を相手にどう伝えるかを一生懸命考えることや、見えない相手の心を感じ取る感性を磨くことは、日々の生活の中で忘れてはいけないことだと思いました。

 その反対に、いじめや誹謗中傷、相手の人格を否定する言葉や行為は、どれだけ相手の心を深く傷つける行いであるか、そして、その行いが、どれだけ自分の人間性も低め、自分自身の心も傷つける行為であるかを自覚する必要があると考えました。

 お互いの人格を認め合うことは、生徒と生徒の間だけでなく、生徒と私たち教職員との間でも同じです。人権は人権学習の時にだけ考えるものではありません。授業や学校行事、部活動など、毎日の生活の中で、生徒も私たち教職員も共に人権感覚を磨き、自分の心や思いを美しく生かしていきましょう。

 今日、紹介した宮澤章二さんは、若い人たちに向けた詩を他にもたくさん作っておられます。本校の図書館にも宮澤さんの詩集がありますので、機会があれば手にとって読んでみてください。

 この2学期、皆さんの思いや心がかたちになり、東宇治高校が、優しい心づかいと思いやりに満ちた学校になるように願って2学期始業式の式辞とします。

令和4年度1学期終業式 式辞

 

令和4年7月20日

 1学期が今日で終了します。皆さんは、この1学期、自分で納得できる毎日を過ごすことができたでしょうか。新型コロナウイルス感染症については、先週もお話をしましたが、感染が拡大し、全国では第7波に入ったとも言われています。夏休み期間中も気を緩めずに感染防止に努めてください。

 夏休み明けには、3年ぶりに文化祭が開催されます。「みんなが笑うと世界が平和に!~We love to see you smile~」が今年の文化祭のスローガンです。ウィズコロナ時代にふさわしい、東宇治高校ならではのメッセージ性のある文化祭を実現させてください。

 さて、今日は、グローバル化する時代の中で大切なことは何かを考えたいと思います。
 皆さんが活躍する10年後、20年後の世界は、国と国との枠を越えた、人と人とのグローバル化がさらに進んでいる世界になっていることと思います。

 先日、京都精華大学元学長のウスビ・サコさんという方の講演を聴く機会がありました。アフリカのマリという国の出身で、21年前に来日し、現在は日本国籍を持たれています。

 サコ先生は、こんな経験を語っておられました。数年前、海外出張から日本に帰ってきたときに、空港の入国審査の所で、日本のパスポートを提示しているのに、「在留カードはありますか」とか、「日本には何日滞在しますか」と尋ねられたことがあったそうです。空港の人は、サコ先生の顔だちや姿を見て、日本国籍の日本人には見えなかったのでしょう。

 人は、自分が生まれてから見聞きした経験を記憶し、その記憶に基づいて物事を判断しようとします。そのため、時には偏見や先入観で人を評価してしまうことがあります。

 特に国と国とが争っている戦争の時には、相手の国民を敵と思わせるために、国家が情報をコントロールし、それぞれの国の人々が実際にどのような思いで生活をし、生きているかを正しく知る手段を奪ってしまいます。

 日本でも今から80年ほど前、第2次世界大戦が起こった時代に、日本と他の国の市民同士が自由に意見を交流しあうことは、許されてはいませんでした。
 この戦争で戦死した日本の青年たちが、家族に宛てた手紙や日記が戦後まとめられ、出版されたものに『きけわだつみのこえ』という本があります。

 戦争の中、はたち前後の若者が何を考え、願っていたのか。機会があれば、文庫本にもなっていますので、是非読んでください。 その中のお一人の日記の一部を紹介します。岩ヶ谷治禄(いわがや じろく)という方です。この人は、静岡県出身で、21歳の若さでフィリピンのルソン島という島で戦死をしました。彼は日記にこう書き残しています。

"日本人の死は日本人だけが悲しむ。外国人の死は外国人のみが悲しむ。 どうしてこうなければならぬのであろうか。
なぜ人間は人間で共に悲しみ、喜ぶようにならないのか。"

 80年前に岩ケ谷さんが訴えた、"人として共に喜び、共に悲しむ"という思いを、今、ウクライナをはじめ世界で起こっていることと重ね合わせて考えたいものです。

 先ほどお話ししたウスビ・サコ先生は、"これからは、もっと広い視野で世界の人々と問題を共有し、多様な意見や発想がぶつかり合う場で、意見を交流することができる時代になる。"とおっしゃていました。

 私は、そのとき大切なことは、意見を交流しあえるだけの自分の考えをしっかり持っていることだと思います。世界の中で起こっている紛争や貧困、環境問題などについて、自分とのかかわりの中でとらえ、世界の同じ世代の若者と語り合える、自分なりの意見を皆さんには、ぜひ持ってほしいと思います。

 グローバルなものの見方や考え方は、世界のことを考えるときにだけ必要なものではありません。毎日の生活の中で、私たちはつい自分勝手な思い込みやあいまいな情報を鵜呑みにし、判断してしまうことがあります。偏見や先入観を乗り越えて、様々な考え方の人たちと理解しあうことは、私たちの身近な生活の中でも、とても大切なことです。
 世界の出来事に関心を持つとともに、自分自身の「心のグローバル化」を目指してください。

 明日から39日間の夏休み、自分の目標を立て、毎日を有意義に過ごしましょう。8月29日2学期始業式の日に皆さんの元気な笑顔に会えることを願い、1学期終業式の式辞とします。

令和4年度新入生オリエンテーション講話

 

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 入学式では東宇治高校の教育目標である「みらいを明るくできる人」になってほしいということと、古代ギリシアのソクラテスの残した「ただ生きるのではなく、善く生きる」という言葉を心に留めてほしいということなどをお話しました。

 今日は、ソクラテスのことをもう少し紹介します。彼は、今から2500年ほどまえのギリシアの哲学者です。あるとき、彼は、「ソクラテスほど賢い者はいない」という神様のお告げを聞きました。

 ソクラテスは、「やっぱりそうか」と偉らそぶったりはせず、逆に「自分は自分が一番賢いなどとは思ってもいない」「どうして神様はそんなお告げをしたのか」と疑問に思い、アテネの町で自分より賢いと思われる人たちにいろいろ質問をしたそうです。

 確かに人々から賢いと言われている人たちは、自分の専門的な技術や知識は持っているけれど、「人間として大切なことは何か」については、知っているかのよう振る舞っていることに気がつきました。ソクラテスは、「知らないことを知っているかのように振る舞っている者」よりも、自分のように「知らないことは知らないとわかっている者」のほうが少しだけ賢いのだと神様は教えてくれたのだと考えたのです。これを「無知の知」といいます。

 ほんとうに「賢い人」とは、どういう人のことなのでしょうか。

 高校では、いろいろな授業でたくさんの課題や宿題が出されます。インターネットで検索し、出てきたサイトの内容をコピペして、さも自分が考えたかのように課題レポートを提出したり、問題集の答えを丸写しして、自分が答えを出したかのように宿題を提出する。これは、「賢い」行動でしょうか。

 たとえ全部わからなくても、自分で考え、悩み、調べ、間違っていたとしても自分なりの答えや考えを示すことのできる人のほうが何10倍・何100倍も「賢い」のではないでしょうか。

 皆さんが大事にしなければならないことは、自分を誤魔化さないことです。自分は何を知っていて、何がわからないのかを知っている人は、これから大きく成長していく芽をもっています。自分を成長させていくスタートだと考えてください。その反対に、悩んだり、考えたりすることを避けて、自分を鍛えようとせず、努力しない生き方を選ぶ人は、いつまでも、人間的に成長できず、周りからも信用されなくなります。

 どちらの生き方を皆さんは選びますか。


 私には、皆さんに高校生活で、大切にしてもらいたいことが3つあります。

 1つ目は、授業です。授業中は集中すること。先生方が教えられる内容を理解することに全力を注いでください。そして、授業の予習や復習を習慣づけて、3年間続けてください。

 数えましたら、皆さんが3年生になって卒業式を迎えるまで、あと1055日です。1日1時間こつこつ勉強を3年間つづけてきた人と、何もしなかった人の勉強時間の差は1000時間以上です。高校3年間は、大きな差が出る3年間といわれます。何事も最初が肝心です。高校に入学したての今、しっかりとした学習習慣を毎日の生活の中でつくってください。

 2つめは、言葉です。言葉は、自分の考えを深めたり、ほかの人に自分の考えを伝えたり、相手の気持ちを理解したりするための大切なツールです。時には相手の心を慰めたり、時には深く傷つけたりする両面があります。言葉は自分の心の表れです。言葉の正しい使い方を学んでいってください。

 3つめは、健康です。まずは体が大切です。適度な運動と栄養バランスのとれた食生活を送ってください。食事も家の方が作ってくださるのを食べるだけでなく、自分で食事を作ったりして、自分の力で生きていく基本的な生活力を身につけましょう。自分の健康は自分で守る。健康な毎日を過ごしてください。

 高校は、中学校までの義務教育を終えて、自分の意思で学校を選び、学んでいくところですとよく言われます。では、この義務教育の義務とは誰の義務だと思いますか。

 義務教育の義務は、その子どもを保護する保護者の義務なのです。子供たちは、人間として生きていく必要不可欠な基礎基本の知識や技術・態度を小学校・中学校の義務教育段階を通して学び、次の新たなステップへと進んでいくということです。

 高校の学びは、小学校・中学校までで学んだ基礎・基本を土台にさらに自分の意思で学習を深め、よりよい人間関係を築いていくことが求められます。

 東宇治高校で学ぶ3年間をこうありたい、10年後、20年後の自分はこうありたいという目標を持ってください。そして、その目標を実現するために、今、自分はどう行動するべきかを自分の言葉で表現し、実行していってください。

 この東宇治高校で皆さんには、授業を大切にし、学校行事や部活動など、いろいろなことにチャレンジして人間的に大きく成長してもらいたいです。私たちも皆さんの活躍をしっかり見守っていきます。ともに良い学校にしていきましょう。

 

令和4年度 入学式式辞

 

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式 辞

 春爛漫。花や草木が暖かな日の光を浴びて輝き、新しい年度の始まりを彩ってくれております。  

 本日、ここに保護者の皆様の御臨席をいただき、京都府立東宇治高等学校第四十九回入学式を挙行できますことを心より感謝し、高壇からではございますが、厚く御礼申し上げます。  

 ただ今入学を許可しました新入生の皆さん。入学おめでとうございます。私は、ここで皆さんにこれからの三年間で人のつながりを大切にし、自分ができることをしっかり考えられる人になってほしいと思い、お話をいたします。  

 皆さんは、選抜試験を乗り越え、自らの意志で本校に入学されました。大きな期待と少しの不安を抱き、今、ここにいることでしょう。皆さん自身、もちろん大いに努力してきたことでしょう。  

 でも、そこには、これまで皆さんを育ててこられた御家族の支えや、小学校、中学校でお世話になった先生方など多くの方々のお力添えがあったことを忘れないでください。そして感謝の気持ちを大切にしてほしいと思います。

皆さんが入学された、この令和四年度は、教育において新たな取組が始まる初年度でもあります。これから始まる新しい教育活動で、自分の力をしっかり高めてください。  

 まず、高等学校において、学習指導要領が新しくなり、これまで高校にはなかった新たな科目の授業が始まります。  

 そこでは、知識・理解を元に思考力や判断力、表現力を鍛えながら、自ら学びを進めていく方法を学び、自分の人生を通して学び続ける姿勢を身に付けていくことを目指します。  

 さらに、一人一人がタブレット端末を活用する ICT教育の取組も始まります。これからの社会は、多くの情報の中から自分に必要な情報を選び出し、活用していく能力を高めていくことが求められています。ICT機器を有効に活用し、自分の可能性を広げ、学ぶ楽しさを味わってください。 タブレット端末は、授業だけでなく、課外活動、家庭学習の支援や連絡ツールとしても活用していく予定です。  

 ただし、ICTの技術やそれに関連する機器はあくまでも道具です。  

 それを使用する人間の考え方によって、便利で人を幸せにしてくれる一方、他人を傷つけ、自分の人間性も低めてしまうものになったりもします。SNSを使った誹謗中傷やいじめは後者の例です。

 パナソニックの創業者松下幸之助さんは、「知識というのはある物事について知っているということであるが、知恵というのは何が正しいかを知るということ、是非を判断するものだ。知識を道具にたとえるならば、知恵はそれを使う人そのもの。お互い、知識を高めると同時に、それを活用する知恵をより一層磨き、高めてゆきたいものだ。」と述べられております。  

 科学技術の進歩により、便利で効率の良い社会になった今こそ、人間としてのあり方や生き方が一層問われているのだと私は考えています。

 古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、大切なことは、「ただ生きるのではなく、善く生きることだ」と生涯を通して人々に訴えかけました。今から二千五百年以上も前の、時代も場所も異なる人の考え方ですが、人間が生きる限り普遍的な意味を持つ言葉ではないでしょうか。  

 東宇治高校は、「みらいを明るくできる人を育てる」という教育目標を掲げています。この目標を実現するために私たち教職員は「挑戦する姿勢」「周囲と関わる姿勢」「努力し続ける姿勢」の三つの姿勢を身につけるよう皆さんと一緒に活動してまいります。  

 しっかりとした基礎基本の学習を土台として、一人一人が主体性を持って「自ら学ぼうとする力」や「知識を活用して問題を発見し解決していく力」を育て、皆さんの将来の夢や進路の目標を実現するために授業改善に全力を注いでいきます。  

 また、部活動や学校行事なども積極的に取組み、多くの交流をとおして豊かな人間関係を築いてください。  

 現在、国内外には、答えがすぐには見つからない課題や多くの人が協力しなければ解決できないような大きな課題が山積しております。

 グローバル化や情報化が進展した世界では、それらの課題が自分の今の生活とつながってることも多くあります。それらの「つながり」に気づき、「自分には何ができるのか。」を考え、行動できる人になってもらいたいです。  

 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。 

 心よりお祝い申し上げます。  

 私たち教職員一同お預かりしたお子様が将来の道をしっかり切り拓いていくよう、全力を尽くしてまいります。

 高校生活は人生を決定する大切な時であり同時に悩み多い時期でもあります。どうか、お子様の歩む姿や努力の過程をしっかりと見守り励まし、人生の良き先輩として共に歩んでいただきますようお願い申し上げます。

 子どもの成長は、学校とご家庭 地域が連携協力しあって対応することが大切です。どうぞ保護者の皆様方には本校の教育活動に対し、御理解と御支援、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

  新入生の皆さん、この東宇治高校での三年間を通して自分の可能性を信じ、何事にも挑戦し、仲間とつながり共に高め合い自分を磨き続けてください。  

 皆さんのご活躍と幸せをお祈りして私の式辞といたします。

                    令和四年四月八日        

京都府立東宇治高等学校

校 長  中村 健史

令和4年度1学期始業式式辞

 

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 令和4年度第1学期が始まりました。新たな第1歩を踏み出す準備はできているでしょうか。学校生活にとって、今日の始業式は、ちょうど1年の始まりにあたります。1年後、5年後、10年後、こうなっていたいと思う自分を想像して、今の自分は、何に取組む必要があるのかを考えてください。  

 今年度、皆さんに求めていきたいのは、自分の夢や目標を実現するために、何をどのように取組んでいけばよいのかを自分で考える力と行動力です。  

 東宇治高校の教育目標は、「みらいを明るくできる人」の育成です。皆さんは、「みらいを明るくできる人」とはどんな人だと思いますか。東宇治高校の教職員は、それを、「自主性を基盤に社会と関わり、課題を解決しようとする人」と考えています。  

 では、自主性を身につけるためには、何が必要でしょうか。  

 私は、生徒の皆さんが、目標に向かって、今、何をしなければならないかを自分で考え、他の人たちと意見を出し合い、一人一人が責任を持って行動するトレーニングをする機会を多く持つことだと思います。  

 自主性に任せることは、放任することとは全く違います。生徒の皆さんが自主性を身につけるために、授業や学校行事、部活動などの取組みで、私たち教職員は、皆さんの力を引き出す手助けをしていきます。よりよい学校づくりをするために共に考え、行動していきましょう。  

 私たちは、生きていく中で、自分の思いどおりにならないことがあります。むしろ思いどおりにならないことのほうが多くあるのではないでしょうか。そんなときほど、他の人をうらやましく思ったり、他のものに八つ当たりしたりして、できなかった結果に至るまでの過程を省みようとせず、「運が悪かっただけだ」と自分に言い聞かせたりします。  

 2ヶ月前に行われた冬季オリンピックの女子カーリング競技で見事、銀メダルを獲得した日本チームの吉田知那美さんは、日本代表に選ばれる前に「運について」というテーマで、自分の考えをSNSで示されています。彼女は、「運は誰でも持てる力ではなく、どの大会でも、一人か二人、何を投げさせても決まる、何をしても良い方に向かう特別な人が持てる力で、高いカーリングスキルと信念、戦う恐怖心を上回る高揚感と、自分が取り組んできた努力へのゆるぎない自信が揃っている人に訪れる最後の力だと認識しています。」とおっしゃっています。  

 結果ばかり求めて、それが出る前の過程をおろそかにしていないか。自分で自信が持てるほどの努力を本当にしているのか。吉田さんの言葉は、今の自分自身を振り返り、努力し続けることの大切さを教えてくれる言葉です。  

 今日の午後には、入学式を行い、新入生を迎えます。2年生は、学校での中心的存在として、3年生は最終学年として、希望する進路と自分の夢の実現を目指して、ともに東宇治高校の、良き先輩として新入生を迎えてほしいと思います。  

 学校の主体である、皆さん一人一人が、充実した高校生活を送ることを願い、令和4年度第1学期始業式の式辞とします。

令和2年度 第2学期始業式式辞

 
令和2年8月20日(木) 放送

 お早うございます。短い夏休みでしたが、元気に過ごせたでしょうか。本は読めましたか?
 私は何年か前から2020年の2学期の始業式では、東京オリンピックでの感動や、来たるべきパラリンピックへの期待を話すことになると考えていましたが、それは出来なくなりました。今日は、オリンピックや新型コロナがなければ、本来もっと注目されていたであろうことを話すことにします。
 夏休み中、東宇治高校1棟屋上の国旗が半旗になっていた日があります。8月15日です。今年は戦争が終わってから75年、四分の三世紀の節目の年です。本当は、放送ではなく、皆さんと向き合い、皆さんの目を見ながらしたい話です。少しの間、耳を傾けてください。
 私は昨年、出張先の会議で、沖縄県の校長先生と御一緒することがありました。未明の火災で、沖縄の首里城が焼失した日でした。首里城は、かつて琉球王国だった沖縄の象徴の建物です。今から75年前、上陸してきたアメリカ軍との戦いのなかで焼失し、戦後、再建されたもので、沖縄の人たちの心のよりどころでもあります。私もショックを受けましたが、旅先でこのニュースを知った沖縄の校長先生は、もっと落胆されていました。昨年10月31日のことです。
 そして、この夏、戦後75年の8月ということもあり、戦争をテーマとしたテレビ番組も多く、私が接した本や映画も自然とその方面のものが多くなりました。
 「この世界の片隅に」という映画を知っている人も多いと思います。映画館やビデオで何度か見ていますが、この夏、オリジナル版と2019年版をあらためて見ました。広島から呉に嫁いだすずさんという女性は、戦争が深刻化していく中でも、けなげに昨日と変わらぬ日常生活を送ります。一庶民の目を通して描かれた戦争の姿は、何度見ても不条理なものでした。
 ほかにも戦争に関わる本や映画、テレビ番組に接しました。中でも、先ほどの沖縄の校長先生の話を思い出したわけではないですが、沖縄戦に関するものに最も多く触れました。私は地歴科の教員なので日本史の授業で何度も取り扱いましたが、あらためて、75年前の沖縄での戦いについて考える機会となりました。「ドキュメンタリー沖縄戦」という映画では、集団自決の様子を語る沖縄戦経験者の証言に引き込まれました。また、「ひめゆりの沖縄戦」という本を読んだのは2度目ですが、生死の境目から生き延びた女学生の語る戦場の様子は生々しいものでした。
 75年前、アメリカ軍が上陸してきた沖縄では、日本本土唯一の地上戦が行われ、当時の沖縄県民の4人に1人が亡くなりました。その中には、戦闘に巻き込まれた住民達や、防衛隊に駆り出された男子中学生、看護隊として、退却する軍と行動を共にした女学生などがいました。今の皆さんの年齢にして、戦場の最前線で命を落とした人がたくさんいました。
 女学生の看護隊の一つに「ひめゆり学徒隊」があります。沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の女学生が、軍人の負傷者を看護するために編成されました。女学生達は、看護は赤十字の旗の下、弾の飛んでこないところで行うものだと思っていたそうです。しかし、実際は鉄の暴風と言われる砲弾が飛び交う戦場で、不衛生な地下壕や洞窟での過酷な看護となりました。やがて、軍隊とともに島の南部に追い込まれ、多くの死者が出ました。ひめゆりの塔の横にある「ひめゆり平和祈念資料館」へ行ったことがあります。亡くなった女学生一人一人の遺影が並んでいました。若くして死ぬことなど予想だにしていない女学生達の肖像でした。「ひめゆり学徒隊」の生存者は、戦後ほとんどが学校の先生になりました。彼女たちは、戦後数十年、自分だけが生き残ってしまった苦しさから、教え子たちにも経験を語ることはなかったそうです。しかし、真実を伝える必要を感じ、語り部として自らの過酷な経験を語り始め、亡くなった学友や教師への鎮魂のため、自らの手で平和祈念資料館を設立し運営してきました。「ひめゆり学徒隊」の生存者はもう90歳を越えています。体験を語る活動はビデオに代わりましたが、まだ、語り部として、子どもたちの前に立ち続けている方もおられるそうです。しかし、やがては体験を語ることの出来る人はいなくなります。
 この夏放送された「ひめゆりの声を届けたい」というドキュメンタリー番組で見たのですが、平和祈念資料館では、戦後生まれの世代の人たちが、沖縄戦を遠く感じるという中高生に「ひめゆり」の経験した戦争の姿をより鮮明に伝えるために、生存者の意見を聞きながら展示のリニューアルを進めているそうです。例えば、戦場に出る前の女学生達の写真を、硬い表情の集合写真から、教師になることを夢見て笑顔を浮かべる寮生活や部活動の写真に換えて、今と何も変わらぬ女学生の姿を伝えようとしています。今、皆さんが休み時間に見せるような笑顔の写真でした。今皆さんが授業で書いているのと変わらぬ数学のノートも展示されます。元学徒から資料館を引き継ぐ責任の重さを感じながら、戦争を知らない世代が、さらに若い世代へ戦争体験を伝承します。四分の三世紀前の出来事を遠い昔話とは考えてはいけないとあらためて思いました。
 今日の話から、伝えたいことがあります。平和の大切さはもちろんのことです。加えて、平和な時代だからこそ、自分の強い意思で勉強してほしいということです。75年前の沖縄の少年・少女達は戦場へ駆り出されました。同じころ、日本の他の地域でも生徒達は工場などでの勤労に動員され、学校教育は崩壊していました。学校へ行きたくても行けず、勉強したくても出来なかった少年・少女は皆さんと同年代です。皆さんは今年、長期の臨時休業を経験しました。学校へ行けないもどかしさを感じた人も多かったと思います。学校が再開された今、感染症の予防には注意が必要です。しかし、飛び交う砲弾で明日の命、今日の命の危険を心配することはありません。しようと思えば好きなだけ勉強し、学校生活を送ることができます。自分の意思で、自分の将来のために、一生懸命勉強してもらいたいと思います。
 今日は、この話の準備をした上で、校門で皆さんを迎えました。皆さんの顔が少しちがって見えた気がします。今の環境を噛みしめて、高校生活を送ってほしいと思いました。
 2学期は真夏から真冬までの長丁場です。引き続き、新型コロナウイルスの感染症に対して、自分や自分の周りの大切な人のために責任ある行動をとりながら、勉強に、部活動に、進路準備に、この2学期を充実した期間としてください。
 なお、今日紹介した「この世界の片隅に」の原作漫画や、岩波ジュニア新書の「ひめゆりの沖縄戦」は本校の図書館にもあります。興味があれば目を通してみてください。

校長 松本 啓二

<過去の式辞>

休業延長に際して.pdf

休業中にしてほしいこと.pdf

憤せざれば啓せず.pdf

災害.pdf

インプットとアウトプット.pdf

東宇治高校開校の頃 ~PTA開校記念誌から~.pdf

AIにはできないこと.pdf

令和2年度 校長挨拶

 
 東宇治高校HPにアクセスいただきありがとうございます。
 校長の松本啓二です。
 令和2年度のスタートにあたり、御挨拶申し上げます。

 本校は昭和49年、地域の方々の熱い願いが叶って開校した宇治市内で2番目の府立高校です。開校の頃は、生徒と先生が一緒になって、グランドの整備をしたり花の苗を植えるなど、自分たちの手で学校作りが行われました。第1期生以来、1万4千人を超える卒業生の方々が社会で活躍されています。

 本年度もグローバルネットワーク京都校として、本校の特色の一つである国際理解教育に取り組んでおります。人としての品性とコミュニケーション能力を身に付け、世界のどこかを支えるリーダーとして活躍できる人材を育成するよう励んでおります。

 本年度の入学式の式辞で、言語学者の金田一秀穂さんが著書『十五歳の日本語上達法』で述べられていることを紹介して、新入生に考えてほしいことを話しました。
 金田一さんは、いろいろな例で、言葉というものの本質を説明していきます。
 例えば、「お刺身」と聞くと食欲をそそられるが、同じもののはずなのに「死んだ魚」ときくと不衛生な感じがしたりするということ。英語には「肩がこる」という意味の言葉がないから、アメリカ人は肩がこることを実感していないこと。そのようなことを紹介し、次のように述べています。
 「人間には言葉が必要なんです。言葉がないと人間は生きてはいけません。僕たち人間は、言葉を通じて世界とつながっています。」
 「言葉というのはある意味、とてもこわいものでもあります。皆さんが、毎日、何気なく使っている言葉には、とてつもなく大きな力があるのだということを、ぜひ、心に留めておいてください。」
 そして、金田一さんは、料理の名人やベテランの大工さん、野球の名選手が、長年の経験でつかんだコツや勘を言葉では説明できないことなどを例に挙げながら、次のように述べます。
 「僕たちは言葉によって、自分たちの考えや思いをすべて表現できているのでしょうか?残念ながら答はノーです。僕たちの周りには言葉で表現できないものが山ほどある。人間にとって、なくてはならない「言葉」は、実は隙間だらけの世界なんです。」
 「人間は言葉を持ってしまったせいで、すべてのことをわかった気でいるし、わからなくてはいけないと思っているんですね。でも、実際は言葉で言い表せていないことの方が圧倒的に多いんですよ。」
 皆さんには高校生活で「言葉」を大切にしてほしいと思います。これから出会う友人や先生との挨拶や会話の中で、自分の思いを「相手に伝わる言葉」で伝えること、そして、言葉だけでは言い表せない思いを、表情であったり話し方などで伝える努力をしてほしいこと、そして逆に、相手の思いを読み取る努力をしてほしいということです。
 また皆さんは、SNSなどでメッセージを送る機会が多いと思います。そんなとき、表情や話し方などで補えない、短い文字の言葉は、本当にあなたの気持ちを伝えるものになっているか、相手に不快な思いをさせたり傷つけたりしていないか、よく考えてほしいと思います。
 言葉にはとてつもなく大きな力があり、こわいものでもあること、そして、言葉では言い表せないことがあるということを決して忘れずに、よいコミュニケーションで、よい人間関係を築いてほしいと思います。
 このようなことを話しました。

 さて、このほど、東宇治高校では育てたい生徒像を、あらためて定めました。それは、
 「自主性を基盤に、社会とかかわり、課題を解決する人」
です。そのような人を
 「みらいを明るくできる人」
とし、次の3つの姿勢を持ってもらいたいと考えました。
 それは、
 「挑戦する姿勢」
 「周囲と関わる姿勢」
 「努力し続ける姿勢」
の3つです。
 生徒には、今、学んでいることからどの姿勢が培われ、今この場でどの姿勢が必要とされているのか、ぜひ意識し、自らを高めてほしいと思います。
 今年度在学する生徒は、19歳又は18歳で法律上の成人となります。高校生活は、大人への階段を昇っていく3年間でもあります。また、今年度入学生の「総合的な探究の時間」は、「みらいを明るくできる人」の育成をめざしています。大人に向かう生徒の背中を押していきたいと思います。

 今後とも、地域の皆様に一層信頼していただける学校となるよう努めて参ります。御指導、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

令和2年4月  校長 松本 啓二

校長だより「令和2年5月1日」

 
 臨時休業が続いていますが、どのように過ごしていますか? 
 すでにHP上で連絡しているように、感染収束の見通しが確実となっていないことに加え、ゴールデンウイーク後の状況を見極める必要もあることから、臨時休業については5月末まで延長することとなりました(状況によっては、短縮や再延長の場合もあります)。
 引き続きの休業となりますが、前回もお伝えした、①学習に取り組むこと、②人間力向上に努めること、③感染症拡大防止に責任ある行動をすること、の3つを意識してしっかりと過ごしてください。
 今回の休業延長に際し、学校から新たな学習課題を送付します。すでに、前回の課題や自主課題で学習に向かっていると思いますが、皆さんの現在の学習状況を把握するため、今回は学校再開を待たず、返送により課題を提出してもらいます。しっかり取り組んで提出してください。また、週1回、登校可能日を設定しています。課題についての質問や、担任の先生への相談などがあれば、保護者の方の承諾を得たうえで、利用してください。さらに、インターネットを通じた学習指導についても準備を進めています。
 さて、先日、今年度の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が中止となることが発表されました。京都府における予選も行われません。多くの部でインターハイ予選を最後の目標として、一生懸命、練習に取り組んできたことと思います。部活動という「高校生の今にしかできないこと」にエネルギーを注いできた皆さん、特に3年生にとって、3月以来の活動休止に加えて、最後の大会がなくなってしまうことは、やりきれない思いであろうと思います。私も毎年、いろいろな部の試合の応援に行き、引退をかけた熱い戦い、試合後の涙、その後の晴れやかな顔を見せてもらい、感動と勇気をもらっています。インターハイ以外でも、最後の大会、最後のコンクールがどうなるのかというモヤモヤした不安を持っている人も多くいるはずです。卒部式でもある定期演奏会が中止となったこの春の卒業生もいます。皆さんの命、健康を守るため、致し方ない決定ではあるのですが、皆さんの気持ちを考えたとき、私も大変心が痛みます。心の中でぽっかり空いた穴が簡単に埋まることはありませんが、この経験が決して無駄ではなかったと思える日が、将来、必ず来ると思います。
 すべての東宇治高校生の皆さん、今は、なかなか先が見通せない状況ですが、来るべき学校再開に向けて、毎日、できることを前向きにとらえて実行してください。
 毎朝、校門で皆さんに「お早う」と声をかけられる日を楽しみにしています。

継続は力なり-10円硬貨と100円硬貨-

 

ファイル名:202004.pdf

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令和2年4月 新入生オリエンテーションのあいさつ

校長だより「令和2年4月20日」

 

 東宇治高校の生徒の皆さん、校長の松本です。
 臨時休業中、どのように過ごしていますか? 新年度が始まって、新しいクラスメートと顔を合わせたのもつかの間、再び臨時休業となり、もどかしく思っていることでしょう。また、授業を受けることができず、学習への不安もあることでしょう。追加の課題を、今日4月20日に発送しましたのでしっかり取り組んでください。

 2年生、3年生の皆さんに始業式でお話した、この新学期の臨時休業中にしてほしいことを三つ挙げます。

 一つ目は、自らの意思でしっかりと学習に取り組んでほしいということです。教科書を開け、課題に取り組み、来たるべき授業の再開に備えてください。

 二つ目は、移動や人との交わりが制限されたこの特殊な環境を、本を読み、自分と向き合い、自らの人間力向上の機会としてほしいということです。

 三つ目は、新型コロナウイルスの感染症拡大防止に向けて、責任ある行動を取ってほしいということです。皆さんのような若者は感染しても重症になりにくいといわれていますが、世界を見れば10歳台の若者で命を落としている人が相次いでいます。重症化しやすいお年寄りに移してしまうかもしれません。一人ひとりが最大限の注意をしてください。大切な家族のため、社会のため、教職員も生徒の皆さんも一丸となって感染拡大防止に努めていきたいと思います。

 さて、この「校長だより」のページに、私が今まで、入学式や卒業式、始業式や終業式などで、皆さんにお話ししてきたことをまとめましたので、目を通してみてください。

人の役に立つ

 

令和2年3月 卒業式の式辞から

ファイル名:202003.pdf

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新たな10年

 

令和2年1月 3学期始業式の式辞から

ファイル名:202001.pdf

※PDFを開くには下記「新たな10年」をクリックして下さい。

 

あいさつするということ

 

令和元年8月 2学期始業式の式辞から

ファイル名:201908.pdf

※PDFを開くには下記「あいさつするということ」をクリックして下さい。

 

Never too early!

 

令和元年7月 1学期終業式の式辞から

ファイル名:201907.pdf

※PDFを開くには下記「Never too early!」をクリックして下さい。

 
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