東宇治高校のホームページを御覧いただき、ありがとうございます。
昨年度に引き続き、東宇治高校校長を拝命しました中村健史と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本校は、昭和49年に創立し、来年度で50周年を迎えようとしている全日制課程普通科の府立高校です。落ち着いた環境の中、生徒は何事にも熱心に取り組み、爽やかな挨拶ができる良き伝統と校風を受け継いできております。
東宇治高校の教育目標は、「みらいを明るくできる人」を育成することです。自主性を基盤に、社会と関わり、課題を解決していこうとする人の育成を目指しています。その育成のために、生徒に、(1) 挑戦する姿勢 (2) 周囲と関わる姿勢 (3) 努力し続ける姿勢の3つの姿勢を身につけさせる教育活動を実践しています。
今年度から実施される新学習指導要領に基づく「総合的な探究の時間」を本校は、「国際理解教育と地域連携をテーマとした探究活動」として先行実施し、生徒の知的好奇心と探究心を高める「楽しく深い学び」を教職員がつくりあげております。
高校3年間は、長い人生の中では、ほんのひとときかもしれませんが、10代後半の青年期の生き方を作り上げていくとても大切な時期です。この東宇治高校で勉学や部活動、学校行事などすべてにおいて精一杯取り組み、大きく成長していただきたいです。
東宇治高校は、一人ひとりの生徒を大切にし、社会の中で自信を持って活躍していける人を育てていきます。地域の皆様から信頼される学校づくりを今後もさらに目指していきますので、ご支援とご協力をどうぞよろしくお願いします。
入学式では東宇治高校の教育目標である「みらいを明るくできる人」になってほしいということと、古代ギリシアのソクラテスの残した「ただ生きるのではなく、善く生きる」という言葉を心に留めてほしいということなどをお話しました。
今日は、ソクラテスのことをもう少し紹介します。彼は、今から2500年ほどまえのギリシアの哲学者です。あるとき、彼は、「ソクラテスほど賢い者はいない」という神様のお告げを聞きました。
ソクラテスは、「やっぱりそうか」と偉らそぶったりはせず、逆に「自分は自分が一番賢いなどとは思ってもいない」「どうして神様はそんなお告げをしたのか」と疑問に思い、アテネの町で自分より賢いと思われる人たちにいろいろ質問をしたそうです。
確かに人々から賢いと言われている人たちは、自分の専門的な技術や知識は持っているけれど、「人間として大切なことは何か」については、知っているかのよう振る舞っていることに気がつきました。ソクラテスは、「知らないことを知っているかのように振る舞っている者」よりも、自分のように「知らないことは知らないとわかっている者」のほうが少しだけ賢いのだと神様は教えてくれたのだと考えたのです。これを「無知の知」といいます。
ほんとうに「賢い人」とは、どういう人のことなのでしょうか。
高校では、いろいろな授業でたくさんの課題や宿題が出されます。インターネットで検索し、出てきたサイトの内容をコピペして、さも自分が考えたかのように課題レポートを提出したり、問題集の答えを丸写しして、自分が答えを出したかのように宿題を提出する。これは、「賢い」行動でしょうか。
たとえ全部わからなくても、自分で考え、悩み、調べ、間違っていたとしても自分なりの答えや考えを示すことのできる人のほうが何10倍・何100倍も「賢い」のではないでしょうか。
皆さんが大事にしなければならないことは、自分を誤魔化さないことです。自分は何を知っていて、何がわからないのかを知っている人は、これから大きく成長していく芽をもっています。自分を成長させていくスタートだと考えてください。その反対に、悩んだり、考えたりすることを避けて、自分を鍛えようとせず、努力しない生き方を選ぶ人は、いつまでも、人間的に成長できず、周りからも信用されなくなります。
どちらの生き方を皆さんは選びますか。
私には、皆さんに高校生活で、大切にしてもらいたいことが3つあります。
1つ目は、授業です。授業中は集中すること。先生方が教えられる内容を理解することに全力を注いでください。そして、授業の予習や復習を習慣づけて、3年間続けてください。
数えましたら、皆さんが3年生になって卒業式を迎えるまで、あと1055日です。1日1時間こつこつ勉強を3年間つづけてきた人と、何もしなかった人の勉強時間の差は1000時間以上です。高校3年間は、大きな差が出る3年間といわれます。何事も最初が肝心です。高校に入学したての今、しっかりとした学習習慣を毎日の生活の中でつくってください。
2つめは、言葉です。言葉は、自分の考えを深めたり、ほかの人に自分の考えを伝えたり、相手の気持ちを理解したりするための大切なツールです。時には相手の心を慰めたり、時には深く傷つけたりする両面があります。言葉は自分の心の表れです。言葉の正しい使い方を学んでいってください。
3つめは、健康です。まずは体が大切です。適度な運動と栄養バランスのとれた食生活を送ってください。食事も家の方が作ってくださるのを食べるだけでなく、自分で食事を作ったりして、自分の力で生きていく基本的な生活力を身につけましょう。自分の健康は自分で守る。健康な毎日を過ごしてください。
高校は、中学校までの義務教育を終えて、自分の意思で学校を選び、学んでいくところですとよく言われます。では、この義務教育の義務とは誰の義務だと思いますか。
義務教育の義務は、その子どもを保護する保護者の義務なのです。子供たちは、人間として生きていく必要不可欠な基礎基本の知識や技術・態度を小学校・中学校の義務教育段階を通して学び、次の新たなステップへと進んでいくということです。
高校の学びは、小学校・中学校までで学んだ基礎・基本を土台にさらに自分の意思で学習を深め、よりよい人間関係を築いていくことが求められます。
東宇治高校で学ぶ3年間をこうありたい、10年後、20年後の自分はこうありたいという目標を持ってください。そして、その目標を実現するために、今、自分はどう行動するべきかを自分の言葉で表現し、実行していってください。
この東宇治高校で皆さんには、授業を大切にし、学校行事や部活動など、いろいろなことにチャレンジして人間的に大きく成長してもらいたいです。私たちも皆さんの活躍をしっかり見守っていきます。ともに良い学校にしていきましょう。
式 辞
春爛漫。花や草木が暖かな日の光を浴びて輝き、新しい年度の始まりを彩ってくれております。
本日、ここに保護者の皆様の御臨席をいただき、京都府立東宇治高等学校第四十九回入学式を挙行できますことを心より感謝し、高壇からではございますが、厚く御礼申し上げます。
ただ今入学を許可しました新入生の皆さん。入学おめでとうございます。私は、ここで皆さんにこれからの三年間で人のつながりを大切にし、自分ができることをしっかり考えられる人になってほしいと思い、お話をいたします。
皆さんは、選抜試験を乗り越え、自らの意志で本校に入学されました。大きな期待と少しの不安を抱き、今、ここにいることでしょう。皆さん自身、もちろん大いに努力してきたことでしょう。
でも、そこには、これまで皆さんを育ててこられた御家族の支えや、小学校、中学校でお世話になった先生方など多くの方々のお力添えがあったことを忘れないでください。そして感謝の気持ちを大切にしてほしいと思います。
皆さんが入学された、この令和四年度は、教育において新たな取組が始まる初年度でもあります。これから始まる新しい教育活動で、自分の力をしっかり高めてください。
まず、高等学校において、学習指導要領が新しくなり、これまで高校にはなかった新たな科目の授業が始まります。
そこでは、知識・理解を元に思考力や判断力、表現力を鍛えながら、自ら学びを進めていく方法を学び、自分の人生を通して学び続ける姿勢を身に付けていくことを目指します。
さらに、一人一人がタブレット端末を活用する ICT教育の取組も始まります。これからの社会は、多くの情報の中から自分に必要な情報を選び出し、活用していく能力を高めていくことが求められています。ICT機器を有効に活用し、自分の可能性を広げ、学ぶ楽しさを味わってください。 タブレット端末は、授業だけでなく、課外活動、家庭学習の支援や連絡ツールとしても活用していく予定です。
ただし、ICTの技術やそれに関連する機器はあくまでも道具です。
それを使用する人間の考え方によって、便利で人を幸せにしてくれる一方、他人を傷つけ、自分の人間性も低めてしまうものになったりもします。SNSを使った誹謗中傷やいじめは後者の例です。
パナソニックの創業者松下幸之助さんは、「知識というのはある物事について知っているということであるが、知恵というのは何が正しいかを知るということ、是非を判断するものだ。知識を道具にたとえるならば、知恵はそれを使う人そのもの。お互い、知識を高めると同時に、それを活用する知恵をより一層磨き、高めてゆきたいものだ。」と述べられております。
科学技術の進歩により、便利で効率の良い社会になった今こそ、人間としてのあり方や生き方が一層問われているのだと私は考えています。
古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、大切なことは、「ただ生きるのではなく、善く生きることだ」と生涯を通して人々に訴えかけました。今から二千五百年以上も前の、時代も場所も異なる人の考え方ですが、人間が生きる限り普遍的な意味を持つ言葉ではないでしょうか。
東宇治高校は、「みらいを明るくできる人を育てる」という教育目標を掲げています。この目標を実現するために私たち教職員は「挑戦する姿勢」「周囲と関わる姿勢」「努力し続ける姿勢」の三つの姿勢を身につけるよう皆さんと一緒に活動してまいります。
しっかりとした基礎基本の学習を土台として、一人一人が主体性を持って「自ら学ぼうとする力」や「知識を活用して問題を発見し解決していく力」を育て、皆さんの将来の夢や進路の目標を実現するために授業改善に全力を注いでいきます。
また、部活動や学校行事なども積極的に取組み、多くの交流をとおして豊かな人間関係を築いてください。
現在、国内外には、答えがすぐには見つからない課題や多くの人が協力しなければ解決できないような大きな課題が山積しております。
グローバル化や情報化が進展した世界では、それらの課題が自分の今の生活とつながってることも多くあります。それらの「つながり」に気づき、「自分には何ができるのか。」を考え、行動できる人になってもらいたいです。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。
私たち教職員一同お預かりしたお子様が将来の道をしっかり切り拓いていくよう、全力を尽くしてまいります。
高校生活は人生を決定する大切な時であり同時に悩み多い時期でもあります。どうか、お子様の歩む姿や努力の過程をしっかりと見守り励まし、人生の良き先輩として共に歩んでいただきますようお願い申し上げます。
子どもの成長は、学校とご家庭 地域が連携協力しあって対応することが大切です。どうぞ保護者の皆様方には本校の教育活動に対し、御理解と御支援、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
新入生の皆さん、この東宇治高校での三年間を通して自分の可能性を信じ、何事にも挑戦し、仲間とつながり共に高め合い自分を磨き続けてください。
皆さんのご活躍と幸せをお祈りして私の式辞といたします。
令和四年四月八日
京都府立東宇治高等学校
校 長 中村 健史
令和4年度第1学期が始まりました。新たな第1歩を踏み出す準備はできているでしょうか。学校生活にとって、今日の始業式は、ちょうど1年の始まりにあたります。1年後、5年後、10年後、こうなっていたいと思う自分を想像して、今の自分は、何に取組む必要があるのかを考えてください。
今年度、皆さんに求めていきたいのは、自分の夢や目標を実現するために、何をどのように取組んでいけばよいのかを自分で考える力と行動力です。
東宇治高校の教育目標は、「みらいを明るくできる人」の育成です。皆さんは、「みらいを明るくできる人」とはどんな人だと思いますか。東宇治高校の教職員は、それを、「自主性を基盤に社会と関わり、課題を解決しようとする人」と考えています。
では、自主性を身につけるためには、何が必要でしょうか。
私は、生徒の皆さんが、目標に向かって、今、何をしなければならないかを自分で考え、他の人たちと意見を出し合い、一人一人が責任を持って行動するトレーニングをする機会を多く持つことだと思います。
自主性に任せることは、放任することとは全く違います。生徒の皆さんが自主性を身につけるために、授業や学校行事、部活動などの取組みで、私たち教職員は、皆さんの力を引き出す手助けをしていきます。よりよい学校づくりをするために共に考え、行動していきましょう。
私たちは、生きていく中で、自分の思いどおりにならないことがあります。むしろ思いどおりにならないことのほうが多くあるのではないでしょうか。そんなときほど、他の人をうらやましく思ったり、他のものに八つ当たりしたりして、できなかった結果に至るまでの過程を省みようとせず、「運が悪かっただけだ」と自分に言い聞かせたりします。
2ヶ月前に行われた冬季オリンピックの女子カーリング競技で見事、銀メダルを獲得した日本チームの吉田知那美さんは、日本代表に選ばれる前に「運について」というテーマで、自分の考えをSNSで示されています。彼女は、「運は誰でも持てる力ではなく、どの大会でも、一人か二人、何を投げさせても決まる、何をしても良い方に向かう特別な人が持てる力で、高いカーリングスキルと信念、戦う恐怖心を上回る高揚感と、自分が取り組んできた努力へのゆるぎない自信が揃っている人に訪れる最後の力だと認識しています。」とおっしゃっています。
結果ばかり求めて、それが出る前の過程をおろそかにしていないか。自分で自信が持てるほどの努力を本当にしているのか。吉田さんの言葉は、今の自分自身を振り返り、努力し続けることの大切さを教えてくれる言葉です。
今日の午後には、入学式を行い、新入生を迎えます。2年生は、学校での中心的存在として、3年生は最終学年として、希望する進路と自分の夢の実現を目指して、ともに東宇治高校の、良き先輩として新入生を迎えてほしいと思います。
学校の主体である、皆さん一人一人が、充実した高校生活を送ることを願い、令和4年度第1学期始業式の式辞とします。
休業延長に際して.pdf
休業中にしてほしいこと.pdf
憤せざれば啓せず.pdf
災害.pdf
インプットとアウトプット.pdf
東宇治高校開校の頃 ~PTA開校記念誌から~.pdf
AIにはできないこと.pdf
令和2年4月 校長 松本 啓二
東宇治高校の生徒の皆さん、校長の松本です。
臨時休業中、どのように過ごしていますか? 新年度が始まって、新しいクラスメートと顔を合わせたのもつかの間、再び臨時休業となり、もどかしく思っていることでしょう。また、授業を受けることができず、学習への不安もあることでしょう。追加の課題を、今日4月20日に発送しましたのでしっかり取り組んでください。
2年生、3年生の皆さんに始業式でお話した、この新学期の臨時休業中にしてほしいことを三つ挙げます。
一つ目は、自らの意思でしっかりと学習に取り組んでほしいということです。教科書を開け、課題に取り組み、来たるべき授業の再開に備えてください。
二つ目は、移動や人との交わりが制限されたこの特殊な環境を、本を読み、自分と向き合い、自らの人間力向上の機会としてほしいということです。
三つ目は、新型コロナウイルスの感染症拡大防止に向けて、責任ある行動を取ってほしいということです。皆さんのような若者は感染しても重症になりにくいといわれていますが、世界を見れば10歳台の若者で命を落としている人が相次いでいます。重症化しやすいお年寄りに移してしまうかもしれません。一人ひとりが最大限の注意をしてください。大切な家族のため、社会のため、教職員も生徒の皆さんも一丸となって感染拡大防止に努めていきたいと思います。
さて、この「校長だより」のページに、私が今まで、入学式や卒業式、始業式や終業式などで、皆さんにお話ししてきたことをまとめましたので、目を通してみてください。