学校生活

 

 センサーカメラの設置場所を大きく変更して以来、2回目のデータ回収をしてきました。今回も秋の時期らしく、多種の動物が撮影されていました。

 しばらく撮影されてなかったタヌキは今回も写っており、2頭で行動している写真もありました。10ヶ月近く撮影されてなかったタヌキですが、カメラの設置場所を変えてから普通に写るようになっています。こうなると、どうして今まで撮影されてなかったのか気になるところです。

 水場(ヌタ場)の前に仕掛けたカメラには、相変わらず雄ジカの角研ぎや泥浴びが撮影されています。昨年までにも、こういった行動は撮影されているのですが、今年はこれまで以上にたくさん撮影されている気がします。シカの数は確実に増加していると考えられるのですが、やはりそれが関係しているのでしょうか。

 色々と気になることも多く、今後の撮影が楽しみです。

 

 莵道高校の学校林では、現在までに14種の哺乳類がセンサーカメラ調査により確認されています。その中には、キツネやニホンザルのように、ほとんど撮影されない動物もいれば、以前は普通に撮影されていたのに、最近は撮影されなくなった動物もいます。

 そんな、最近撮影されなくなった動物がイノシシとタヌキです。イノシシは2020年12月、タヌキは2021年1月を最後に、まったく撮影されなくなりました。そんなイノシシとタヌキが、久しぶりに撮影されたのです!これは非常に嬉しい結果でした。

 イノシシが撮影されなくなった理由は分かっています。実は近年、野生のイノシシの間では「豚熱」という病気が流行っており、これにより数を減らしています。以前、山城広域振興局の方にお話を聞く機会があったのですが、どうも昨年の冬頃に、宇治地区のイノシシは豚熱でほぼ全滅したらしいのです。というわけで、学校林でも姿を見なくなったイノシシですが、今回久しぶりに撮影されたということは、他の地域から新しく入ってきたということでしょうか。そうなると、今後少しずつイノシシの数は回復していくと思いますが、その先駆けが撮影されたのかも知れませんね。

 タヌキについては、どうして撮影されなくなったのかよく分かりません。単純にタヌキの数が減っているのか、それとも学校林に魅力がなくなって来なくなったのか、何とも言えないところです。秋になり、また撮影されるようになったことから、学校林が餌場の一つになっていることは確かだと思いますが。

 いずれにせよ、久しぶりのイノシシとタヌキの撮影でした。これからも、ちょくちょく姿を見せるようになって欲しいですね。

 

 10月の終わり頃、畑で育てていたサツマイモの収穫を行いました。

 科学部の畑では毎年サツマイモを育てているのですが、昨年はニホンジカによる食害にあってしまい、すごく小さいイモがほんの少しだけしか収穫できませんでした。その後、防除ネットを設置して畑を守るようになり、今年は夏の間にしっかり葉をつけて光合成していました。

 そんな期待しながらの収穫だったのですが、結果からいうと、とても大きなイモが収穫できました。いや、大きすぎるくらいです。ここまで大きな塊になってしまうと、今度は調理するときに大変だろうという感じです。一つのイモに、栄養を蓄えすぎてます。

 それでも、昨年の食害による不作を経験した後なので、ちゃんとしたイモが収穫できただけで嬉しいものです。一緒に育てていたワタもそうですが、今年の畑作りは大成功だったと思います。

 

 10月31日(日)に京都学・歴彩館で、令和3年度京都府高等学校総合文化祭の自然科学部門が実施されました。莵道高校の科学部は、生物部門で2つの研究発表をしてきました。


 発表1「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移~自動撮影装置による調査から~」


 発表2「シカがくる学校~莵道高校とニホンジカの記録~」


 どちらの発表も、学校林のセンサーカメラ調査で2018年度から2020年度までに記録されたデータを元に考察したものです。撮影データの記録・集計は大変な作業でしたし、そのデータから何が考えられるかは1学期からずっとやってきたものです。2学期に入ってからも、論文の作成や発表の練習と頑張ってきました。

 発表後の質疑応答でもたくさんの学校から質問があり、良い研究発表ができたと思います。審査員の先生方からは、どちらの発表も高く評価していただけたようです。

 そしてこの内、「シカがくる学校~莵道高校とニホンジカの記録~」が生物部門で「優秀賞」に選ばれ、令和4年度の全国高等学校総合文化祭に出場することが決まりました。応援ありがとうございました。


※ 発表内容が気になる方は研究論文をご覧ください。下のリンクからPDFファイルで見ることができます。

 
 

ファイル名:kagakubu_kyosobun_2021_ronbun.pdf

PDFファイル容量:【10555.8KB】

※PDFを開くには下記「京都府高等学校総合文化祭で研究発表」をクリックして下さい。

研究発表論文「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移~自動撮影装置による調査から~」「シカがくる学校~莵道高校とニホンジカの記録~」
 

 今年の莵道祭(文化祭)は、新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言により、残念ながら中止となってしまいました。この期間中、科学部では展示発表や実験教室を行う予定でした。特に展示発表については、1学期から頑張って準備していたものだったので、お披露目する機会がなくなったことは本当に残念でした。

 しかしこの度、それらの発表できなかったものを発表する機会が設けられました。10月25日~10月29日の期間中、せせらぎ前(体育館前)の渡り廊下で、科学部の展示発表が行われています。

 内容は、「センサーカメラで撮影された学校林の動物」と「手のひらについている細菌の培養実験」をまとめたものです。どちらも写真をふんだんに使った、視覚的にも楽しい展示となっています。莵道高校の生徒の皆さんは、期間中に是非じっくり見て欲しいと思います。かわいい動物や細菌のコロニーをお楽しみください。

 そして10月27日には、科学部による実験教室も行われました。「人工イクラを作ってみよう」というテーマで、アルギン酸ナトリウムを用いた被膜をつくる実験をしました。参加してくれた生徒達は、科学部の部員と一緒に、中に水溶液を含んでぷるぷるした人工イクラ(?)を作っていました。

 

 9月の終わり頃、センサーカメラの設置場所をすべて見直し、新しく3カ所のポイントを定めました。しばらくはこれらのポイントにカメラを固定して、場所によって撮影される動物に違いがあるのかを中心に調べていきたいと考えています。

 そんな新しいポイントでの調査ですが、記念すべき1回目のデータを回収してきました。カメラの設置場所が変わったことによる影響は今後検証していくとして、今回撮影された動物だけを見てみると、秋らしく、多くの種類が撮影されていました。

 今回ちょっと目立っていたのは、冬眠(冬ごもり)を控えたアナグマです。アナグマはこの時期、冬眠の準備をするために活発に行動し、ドングリなどをたくさん食べて栄養を蓄えます。学校林にもドングリや木の実が多く落ちていますので、それを食べにやってきているようです。

 他にも、ニホンジカ、テン、タヌキ、イノシシ、ニホンリス、ハクビシン、アライグマなどが撮影されており、やはり秋はたくさんの動物が学校林にやってくるのだなと、季節を感じる結果となりました。

 話は変わりますが、今週の日曜日(10月31日)は、京都総合文化祭自然科学部門の研究発表があります。科学部では、センサーカメラ調査に関する研究を2つ発表する予定です。現在、発表用のパワーポイントが完成して、発表の練習を行っているところです。残り1週間でどこまで練習できるか分かりませんが、応援よろしくお願いします。

 

 9月以降、畑で大きくなったワタからはたくさんのコットンフラワーが採れているわけですが、10月も後半になろうという今になっても、まだまだ新しいコットンフラワーができています。雨に降られたりすると汚くなってしまうので、定期的に採集してますが、当初の予想を超えた量になりつつあります。

 採集したコットンフラワーの一部は、コットンをほぐして中に包まれている種を回収しています。コットンを手でちぎりながらやっていくのですが、すでに春に植えたとき以上の種が回収しているので、その気になれば来年もワタが作れますね。ほぐした「綿」もたまってきており、そのまま布にでも詰めればヌイグルミが作れそうです。この綿をどう利用していくのかも、そろそろ考えていかなければなりませんね。

 サツマイモの方もいつでも収穫できそうな状態になっており、まさしく「実りの秋」といった科学部の畑です。

 

 センサーカメラの撮影データを確認していると、たまに素晴らしい写真や映像が撮れていることがあります。過去にも、子連れのイノシシ家族、兄弟でじゃれ合うタヌキなど、良い姿が撮影されました。中でも特に、水場の前に仕掛けているカメラは面白いものを捉えることが多いです。

 学校林の奥、スギが並ぶ場所には、水がたまる場所があります。ここは様々な動物が水を飲みに訪れるだけでなく、ニホンジカやイノシシが泥浴びをする「ヌタ場」にもなっています。

 写真を見ていただきたいのですが、この場所に立派な雄のニホンジカがやってきました。この雄ジカが泥浴びをして、さらに周りのスギの木に角を擦りつけるシーンが撮影されたのです。写真だけでなく動画も一緒に撮れるカメラだったので、泥を浴びる姿、角を擦りつける姿がしっかり残されていました。

 単純に通り過ぎる姿を写すだけのことが多いセンサーカメラですが、こうやって動物の営みを撮影できることもあるのです。

 

 科学部がセンサーカメラによる学校林の調査を始めて、すでに4年以上が経過しています。今年度の京都総合文化祭では、その内3年間の撮影データを集計、解析、考察して研究発表を行います。発表テーマは2つで、1つ目は「3年間のデータから見る学校林と動物の関係」、2つ目は「ニホンジカと学校の関係」についてです。どちらもなかなか面白い内容になりそうですので、10月末の発表に向けて準備を頑張っていきます。

 そんな研究発表のデータ集計をしていて分かったのですが、学校林にやってくる動物の種類が減少傾向にあるのです。具体的には、タヌキ、イノシシがほとんど撮影されなくなり、アナグマも減ってきています。ただし、あくまでも減っているのは種数だけで、動物の撮影数自体は変わっていません。つまり、代わりに増加している動物がいるわけです。それがニホンジカやハクビシンですね。テンやニホンリスも最近増えています。

 こうやって長期間の撮影データを見ていると、学校林にやってくる動物の種類は変動していることが分かります。だからこそ、今回のように色々な動物が撮影されると嬉しくなってきます。

 

 科学部では現在、10月末に開催される京都府高等学校総合文化祭での研究発表に向けて動いています。今回は2つのテーマを発表する予定なので、準備がすごく大変です。

 今日はその準備の一つとして学校林に入り、必要な写真を撮影してきました。動物の餌となるドングリなどの写真が欲しかったのですが、クリがたくさん落ちており、なかなか美味しそうな写真が撮れました。これは研究発表のパワーポイントで使用する予定です。

 この時期、たくさんのクリが落ちているのですが、イガの中を見てみると、肝心の実がなくなっていることも多いです。これはネズミのしわざです。クリはあっという間にネズミが持って行くので、今回中身がつまったイガグリを撮影できたということは、落ちてすぐだったのでしょう。

 それと一緒に、今年度新しく2台購入したセンサーカメラを設置してきました。これで同型のセンサーカメラが3台揃ったので、「水場の前」「二次林と草原の間」「二次林の端」と、3つの定点を決めて設置しました。今後どんな写真が撮れるか楽しみです。

 

 学校林では夏休みも9月中も、ずっとセンサーカメラが作動していました。しかしデータを回収してみると、シカの写真ばかりが撮影されていました。シカについては、集団で行動する雌ジカの方が撮影されやすい傾向にあるのですが、今回は雄ジカもたくさん写っていました。

 雄ジカには角が生えていますが、この角は毎年生え変わります。冬の終わり頃に角が落ち、その後、新しい角が伸びてくるのですが、最初は皮がついた柔らかい感じの角が伸びてきます。これがだんだん硬くなって、秋頃になると樹木に角をこすりつけて皮を剥がし、骨のような鋭い角が完成します。夏は角が伸びている時期で、今回撮影された雄ジカは、どれもまだ角に皮がついています。

 角は個体によって形や長さが違います。シカの角は「枝角(アントラー)」と呼ばれ、いくつかに枝分かれするのが特徴ですが、この枝分かれ数は年齢によって増えていきます。つまり、角がたくさん枝分かれしているほど、成熟した雄ジカなんですね。写真を見てもらえば分かる通り、今回撮影された雄ジカは色々な形の角が生えています。これはつまり、それだけの数の雄ジカが学校林に来ているということですね。

 それにしても、これだけ多くのシカが撮影されるのは、いかにも莵道高校の学校林って感じがしますね。

 

 9月が終わりに近づき、科学部の畑で育てている作物は大きく成長しています。7月の終わり頃から花をつけていたワタはコットンフラワーになっており、収穫の時期を迎えました。

 しばらく満足にできなかった畑の除草作業をしながら、ハサミでコットンフラワーを収穫しました。生徒達は「これから綿をつくるのか」と、不思議そうな顔をしながら収穫していました。

 予想以上にワタが立派に成長してくれたこともあり、多くのコットンフラワーを採集することができました。さて、これを使って何をしていきましょうか。今から楽しみです。

 

 8月4日・5日、アクトパル宇治で科学部の夏休み合宿を実施しました。


 <実施内容>

 1.畑で育てたジャガイモを使ったカレー作り

 2.西笠取川の水質調査

 3.天体観測(昼:太陽の観察)

 4.天体観測(夜:惑星や星座の観察)

 5.夜の森の散策


 感染拡大防止に配慮しながらの合宿だったので、今までと同じようにできないことも多かったのですが、部員達は普段できない活動を楽しそうにしていました。

 

 夏休みに入り、科学部の畑ではサツマイモと綿花(ワタ)がどんどん生長しています。シカ対策に防除ネットを張っているお陰で、昨年のような食害の心配もありませんし、畑の作物にはたっぷり光合成をしてもらいたいですね。

 さて、今年初挑戦の作物として注目のワタですが、ついに花をつけました。開花時期は7~8月ということなので、2学期になったらもう落ちてしまっているかもしれませんが、今なら立派な花を見ることができます。

 この後、秋になればいわゆる「綿花」と呼ばれるワタの実ができてきます。実際に糸を紡いだりできるかは分かりませんが、どうなるか楽しみですね。

 

 莵道高校の学校林では、科学部がセンサーカメラ(自動撮影装置)を設置して、出現する動物の調査を行っています。赤外線センサーによりカメラの前を通過した哺乳類や鳥類を自動で撮影し、その種類や日時を記録しています。

 2021年6月25日、設置しているカメラの一つに、ミゾゴイ(Gorsachius goisagi ペリカン目サギ科)という鳥が撮影されました。ミゾゴイは、環境省レッドリストで「絶滅危惧II類」に指定されており、京都府レッドリストでは「絶滅寸前種」に指定されている、いわゆる絶滅危惧種です。里山などの森林に生息しており、京都には夏鳥としてやってくるそうですが、近年は目撃情報がほとんどないようです。

 科学部がこれまでやってきた調査で、宇治の里山には予想以上に多くの動物が生息していることが分かっています。しかし、こうやって絶滅危惧種が確認されたことで、動物の生息地としての里山の重要性を改めて確認できたと思います。

 このように予想もしない動物がいきなり撮影されるのは、センサーカメラ調査の面白いところですね。これからも、学校林の動物を見つめていきたいと思います。

 

 先月、ジャガイモの収穫を終えた科学部の畑ですが、現在は、5月に植えたサツマイモと綿花が大きく生長しています。同時に、雑草もたくさん生えてきているので、期末考査期間中にできなかった除草作業をしました。

 昨年は、中庭に侵入してくるようになったニホンジカによって、サツマイモは食害を受けてしまいました。だから、こうやって立派にツルが伸びて、葉が茂っている状態を見ると嬉しくなります。しっかりと光合成して、栄養をためて、秋の収穫までに芋を大きくしていって欲しいですね。

 綿花もいつの間にか背が高くなっています。先端には「つぼみ」らしきものができはじめており、綿花っぽくなってきました。こちらも収穫が楽しみです。果たして、コットンは上手につくれるのでしょうか。

 周囲にシカの防除ネットを張って以来、物々しくなってしまった科学部の畑ですが、こうやって作物がちゃんと生長していると、ネットを設置したかいがあったというものですね。

 

 1学期の期末考査が終了し、夏休みも近づいています。考査期間中ずっと設置していたセンサーカメラの写真を確認すると、アナグマやイタチなど、久しぶりに撮影される動物の姿がありました。

 イタチは「ネコ目イタチ科」というグループに分類される動物です。このグループには意外と多くの動物が入っており、イタチだけでなく、テン、アナグマ、カワウソ、さらにラッコまで、イタチ科に分類されます。学校林ではテン、アナグマがよく見られますね。いわゆる「普通のイタチ」ですが、京都にはニホンイタチとチョウセンイタチが分布しています。この2種はセンサーカメラではなかなか判別しづらく、科学部では「イタチ類」として一緒に記録しています。

 パッと見るとイタチとテンは似ています。しっかり見比べれば、大きさや毛色など違いはたくさんあるのですが、写真では分かりにくいことも多いです。ただ、イタチと違ってテンは手足の先まで黒くなるので、科学部ではこのポイントを重視して判別しています。

 もっとも、学校林で撮影されるのはテンばっかりで、イタチはほとんど写りません。だから、たまに今回のようにイタチが登場すると、ちょっと嬉しくなりますね。

 

 そろそろ1学期の期末考査1週間前となります。しばらく部活動が出来なくなる前に、学校林に入ってセンサーカメラを回収してきました。今回は設置期間が短かったこともあって、撮影数は少なく、写っていたのもシカ、リス、テン、ハトだけでした。

 さて、1枚目と2枚目のニホンリスの写真を見てもらいたいのですが、どちらも同じ石の上にリスが乗っています。これらは別の日に撮影された写真なのですが、動物はこんな感じで、同じ場所を通って移動することが多いのです。特にこのような地面から露出している石は、小型の動物にとって足場になりやすく、実際、これまでにも何度もこの石の上にいるリスが撮影されています。

 こういった足場になる石は痕跡も残りやすく、よくテンやイタチが糞をしていたりします。森に入ったら、地面にある動物が乗れるような石を探してみてください。上に糞があることが結構多いです。細長い感じの糞だったらイタチ、中に植物の種子がある糞ならテンである可能性が高いです。

 糞は立派なフィールドサインです。動物を追いかけるなら、まずは糞から探していきましょう。

 

 寒天培地を使って細菌を培養すると、大きなコロニーができて細菌の塊を見ることができるようになります。そんな細菌の検査キットを使って、手のひらや身の回りのものにどれくらいの細菌が付着しているのか調べてみました。

 使用したのは、特製の手のひら型培地とシャーレに入った普通の培地です。培地に手のひらなどを押しつけた後、恒温器に入れて、35℃で48時間培養します。

 手のひら型培地では、手を洗う前、水で洗った後、石鹸を使って洗った後、アルコール消毒した後、教室のドアを触った後など、様々なパターンで細菌を培養して調べました。ちゃんと手を洗ったつもりでも、意外と細菌は手についたままだったりで、部員達は驚いていました。

 シャーレの方では、硬貨や消しゴムなど身の回りにあるものだけでなく、スマートフォンの画面を触ることで指にどれくらいの細菌が付着するかというのも調べました。普段何も考えずに触っているものにも、たくさんの細菌が付着していることが分かりました。

 私たちが、如何にたくさんの細菌と一緒に暮らしているのか、今回の調査でよく分かりました。ただ、細菌といっても全てが悪いもの(病原菌)ではありません。特に手のひらにいる細菌は、ほとんどがヒトと共生している常在菌だと思います。細菌がついている状態というのは、実は当たり前の状態なのです。

 今回の結果は文化祭の展示で発表する予定です。莵道高校の生徒の皆さん、どうぞ科学部の展示場所に来てみてください。

 

 梅雨に入ってしばらく経ちますが、雨が続くわけでもなく、かと言ってすごく晴れるわけでもない、何とも中途半端な天気が続いているように思います。そんな中、雨が降っていないタイミングで学校林に入り、センサーカメラのデータを回収しています。

 今回も、シカ、テン、リス、アライグマ、ハクビシンと、いつもの顔ぶれが撮影されていました。どうも最近、写る動物が少し固定化しているように思えます。時期的なものもあるのかも知れませんが、たまには他の動物も見てみたいですね。

 現在、2018年度から2020年度までの撮影データの集計が終わり、その結果を解析・考察しているところです。3年分の膨大な記録を集計することで様々なことが見えてきています。この調査結果は、何らかの形で発表していきたいと思っており、まずは文化祭での展示発表を目指して準備中です。