理想の自分を求めて

先輩からのメッセージ
10月21日からの続き

2014年 京都こすもす科自然科学系統卒業 隠岐真太朗

 皆さんはパイロットに対してどのようなイメージを持っているでしょうか?私は入社するまで、パイロットは飛行機の操縦をして世界中を飛び回るカッコいい仕事で、スーパーマンみたいな人たちに違いないと思っていました(笑) パイロットという仕事は聞いたことがあっても想像するのは少し難しい職業かもしれませんので、私の経験を少しお話しさせていただきます。

 私は運航乗務員訓練生として2018年に日本航空株式会社(JAL)に入社しました。地上研修を空港で約1年半行った後、座学とアメリカでの飛行訓練を同期と一緒に約2年行いました。同期というと競い合うイメージかと思いますが、パイロットの訓練では違います。お互いに成功も失敗も共有し協力し合いながら、嬉しいことも辛いことも分かち合ってきた家族のような存在で私の宝物です。現在は副操縦士昇格に向けてあと少しというフェーズにいます。これまでの訓練のことは一言ではまとめられませんが、一人では絶対にここまで辿り着けなかったのは間違いありません。そんな支えてくださる方々のおかげで訓練を進められ、身も心も大きくなれた自分がいます。パイロットへの門戸は文系理系関係なく、皆さんに対して開かれているので少しでも興味のある方はご連絡いただけたら喜んでお答えしますし、もしくはご自身で調べていただけたらと思います。きっと後悔はしないと思います。

(飛行訓練はアメリカのアリゾナ州フェニックスで行いました。乾燥していて夏は40℃を超える毎日で、かつ一年のほとんどが晴れでした。フェニックスは空が広く、とても綺麗だったのを覚えています。有名な観光地のグランドキャニオンやセドナはアリゾナ州にあります。)

今の私の姿は、高校生の時には自分でも全く想像していなかった姿でした。しかし、間違いなく今までの積み重ねがあっての姿です。高校生の時に想像していた京都大学での自分の姿も、大学生の時に想像していたパイロットになっている自分の姿も、それぞれ最初に思い描いた時の姿は現実とはかけ離れたものでした。自分には無理かもしれない。何度もそう思いました。それでも「京都大学の隠岐です」「パイロットをしています」と語る理想の自分は、私の心の中に自信を持ってキラキラと存在していました。そんなに自信満々に、しかも自分自身に言われたら、そうなれる気がしてきます(笑) そのなりたい自分になるために、綿密に戦略を立て、自分に足りないものは何かを考えて一歩ずつ道を歩んできました。そしてこれからも理想の姿に向けて、私の道はまだまだ続きます。

(先日の訓練での一フェーズが終わった時の写真です。飛行機を操縦できる喜びと操縦の難しさを感じた訓練でした。)

コロナ禍で当たり前のことが当たり前にできないような状況にもかかわらず、今できることに目を向けて一生懸命に取り組む皆さんを心から応援しています。一緒に力を合わせて、一歩ずつ前向きに進んでいきましょう。