武田綾乃さん特別講演会

小説家,武田綾乃さん特別講演会

 10月8日(金)午前、本校卒業生で小説家の武田綾乃さんをお招きし、「作家という仕事について」というタイトルで、武田綾乃さんの特別講演会を実施しました。武田さんは、アニメ化された『響け!ユーフォニアム』をはじめ多くの作品を執筆されています。今年3月には『愛されなくても別に』で「吉川英治文学新人賞」を受賞されました。次年度から始まる新学習指導要領に基づく高等学校国語科の教科書にも作品が掲載されます。また、現在月刊『ウルトラジャンプ』に連載されている、高校放送部を題材にした漫画『花は咲く、修羅の如く』の原作も執筆されています。この作品に出てくる校舎や施設は嵯峨野高校の校舎や施設がモデルになっており,本校放送部員も取材に協力しました。今春来、吉川英治文学新人賞受賞のお祝いを兼ねて母校で講演をしていただけないかを打診していたところ、10月に緊急事態宣言が解除され、ようやく講演会が実現できる運びとなりました。

 講演会は、武田さんからの要望で、事前に募った生徒や先生方からの質問に回答いただくという形式で行いました。会場は密を避け、対面での講演は2年生のみ体育館で実施することとし、1・3年生は希望生徒を対象に別教室へライブ配信しました。司会・進行は3年生の放送部員が務めました。
 講演の中で武田さんは、どのようにして作家の道を歩まれたか,作品を書くときどのように構成を考えて書かれているかについて話されました。また、高校時代の思い出も語られました。中学生のときの高校選びで、嵯峨野高校の図書室を見学して受験を決め、入学後は図書室から多くの本を借り、年間260冊くらい本を読んだという話や、高校一年次、小説を書いていることを当初は恥ずかしくて隠していたが、文化祭の脚本係となりクラスメイトから評価され、実は自分が頑張っていることを隠す必要はないんだと気づいたという話、高校二年次の文化祭で監督や役を演じてくれた友達が頑張ってくれて、その時に、皆が様々な考え、意見を持っているんだということがわかったという話などに,生徒たちは真剣に耳を傾けていました。講演会終了時には,現文芸部部長からお礼の言葉と花束の贈呈が行われました。

司会・進行は,3月に武田先輩から取材をうけた
          放送部3年生2名が務めました
1・3年生は別教室でライブ配信を視聴
文芸部部長から,武田先輩にお礼の言葉と花束贈呈

 講演会の後は会場を変えて、文芸部、吹奏楽部、放送部の希望生徒と座談会を行いました。特に文芸部の生徒たちからは、小説を書くにあたっての突っ込んだ質問が飛んでいました。人気作家の方と直接話ができ、参加した生徒たちはとても刺激になったようです。嵯峨野高校の伝統は,先輩から後輩へと確実に引き継がれていきます。

武田先輩を囲んで記念写真
(写真を撮る瞬間だけ,マスクをはずしています)

 午後は、高校時代慣れ親しんだ図書室で、昔を思い出しながら時間を過ごされました。図書室を訪れた生徒と談笑する時間ももてました。この日は、テレビ局の取材もあり、夕方のニュースで講演会の様子を大きく報道いただきました。

武田先輩,お忙しい中,貴重なお話を聞かせていただき,本当にありがとうございました。

高校時代によく通った図書室で
(図書室の武田綾乃さんコーナーをバックに)
校長先生と嵯峨野高校玄関で記念写真