「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「あなふさぎのジグモンタ」
作)とみなが まい     ひさかたチャイルド


ジグモのジグモンタは、穴ふさぎが得意な服の修理屋さん。
でも、この頃はみんな新しいものを欲しがります。「穴ふさぎなんて、もう役に立たないんだ」。
気落ちしたジグモンタは、気晴らしに森に出かけますが……。

  

最初に「じぐも、って知ってる?」と聞いたところ 虫が好きな子もたくさんいたせいか 妙にざわついてしまいました。
(どうやら クモの仲間だとはわかっても よく知らなかったみたいです)
お話も素敵ですし 水彩とコラージュで描かれた絵も とってもかわいく印象的です。
途中 「あなふさぎのうた」も出てくるので 最後のページの楽譜を見ながら練習して みんなの前でも歌ってみました。

古いものを大事に繕って使うことは そのものと一緒に、思い出も残っていくのだと 温かい気持ちになれるお話です。

2年生
「ちゅーちゅー」
作)宮西 達也    すずき出版


みんなおなじみ「ネコとネズミの関係」というのをユーモアたっぷり、スリル満点に描いて大人気となった絵本『にゃーご』。
その 続編です。

  

ねずみがどんな動物か知らない猫がねずみと出会ったら…?
途中までは面白くて大ウケ♪
だけど、猫が木から落ちてしまってからラストまではちょっとせつなくて…。
「ちゅーちゅー」が「大好き」っていう意味だと教えられたネコが いなくなったこねずみたちにむかって何度も「ちゅーちゅー」と鳴き、それに「ちゅーちゅー」と答える子ネズミたち。
じーんとします。
涙をうかべて ひとりバナナを食べている猫の姿が描かれている裏表紙も みんなにしっかり見てもらいました。
きっと 猫と子ネズミたちの 大好き、って気持ち わかってくれたんじゃないかな、って 思います。

3年生
日本昔話集より「きっちょむさん」
作)坪田譲二    新潮社文庫


吉四六さんは、大分県中南部で伝承されている民話の主人公で とんち話で知られています。

 

「ちゃっくりかきす」
お茶と栗と柿と酢を売り歩く時の呼びを工夫しますが かえってがわかりにくくて全く売れず 商売はこりごり、と いうお話。
「かじのしらせかた」
庄屋さんの家の火事を発見し 急いで知らせなければいけないのに 「いざというときは落ち着いて、身なりもきちんとせよ」と言われていたようにして すっかり焼けてしまい それを怒られたので 今度は 真夜中に大声でやかましく知らせたら 予行演習だった、というお話。
「まさかのはなし」
口癖の「まさかそんなことはありゃんすめぇ」を言ったら 米1俵やる、という約束で みごと「まさか・・・」と言わせた お話。

「水がめの買い方」「壺買い」を 読んで聞いてもらいました。

静かに聞いてくれていましたが 普段聞きなれない言葉や昔の言い回しなどもあったので 話のオチとか わかったかな?

4年生
「のっぺらぼう」
作)杉山 亮     ポプラ社


むかしむかし、母親にいわれて、山へたきぎを取りに出かけた男の子がいました。
やまは くらくなると こわいものが でるからすぐに帰ってくるように」といわれた約束を破り、
山奥に迷い込んでしまった彼は、山の中で目と鼻のない、のっぺらぼうと出会います。
必死に逃げる男の子の後ろから、「まて まて のっぺらぼうの なかまに おはいり」と
のっぺらぼうが追いかけてくるのです。
ようやく山を下りた男の子、しかし、途中で出会った侍も、お寺の和尚さんもみんな、のっぺらぼうになって、男の子を仲間にしようと追いかけてきます。
やっとのことで家に帰った男の子。
待っていたお母さんが振り向くと…。

  

朝から怖い話ですが、杉山さんの怪談は「夜 きちんとねむりにつけます」がキャッチコピーなので 最後は ほっと一安心。
電子黒板に映して絵も見やすく、マイクをつけて 淡々と静かに読みました。

5年生
「やまねこのおはなし」
作)どい かや     イースト・プレス

ひとりきままに山でくらすやまねこ。あるひ、街へ出てみようと歩き出します。
途中、道ばたに倒れている子猫をたすけ、放っておけなくて山へ連れ帰る事に。
それから2匹の楽しい暮らしが始まるのですが…


  

動物が人間に姿を変えて、恩返しにくるお話はたくさんありますが、思いもかけない展開ですね。
ほんわかとした きくちちきさんの絵の雰囲気とあいまって とても、幻想的で夢のようなお話です。
美山でたんぽぽには 少し早いですけど 急にあたたかくなって もうすぐ春、という 今の季節にぴったりです。

6年生
「つなみてんでんこ はしれ! 上へ」
作)指田 和     ポプラ社

2011年3月11日。岩手県の海岸から400~500メートル地点にある、鵜住居(うすのまい)小学校と釜石東中学校の子どもたちが、午後の授業を受けているとき、地震がおきました。
その直後、小中学生600人が山への坂道を2キロにわたり走って逃げました。
中学生は小学生と手をつなぎ、近くの園の園児たちをのせた台車をおしながら。
ほとんどの子どもが津波から逃げのびた、「釜石の奇跡」といわれた実話です。
これは、その実話をもとにした絵本です。



まず 3月11日が何の日か聞いてみましたが ひとりしか手があがりませんでした。
黒板に 2011年3月11日と書くと 「あ、東日本大震災・・・」と声が聞こえてきたので みんなに東日本大震災を知ってるか尋ねると なんと 半分ぐらいの人しか知らないようでした。
12年前の出来事なので 6年生本人は生まれたばかりの赤ちゃんなので 知らないのは当然です。
でも 忘れてはいけないこの出来事を伝えていくのは 大人の責任ですよね。
朝から重たい内容の読み聞かせでしたが 小学校を卒業していく6年生には やはり この時期 改めて伝えるためにも 震災関連の本は紹介していきたいと思います。

そして この絵本のタイトルにもある東北弁の「てんでんこ」は「てんでんばらばら」ということですが「てんでんばらばら」の意味も 今の6年生は知らないようで あまり使われなくなった言葉は 伝わっていかないことを実感しました。

「けんかのきもち」などでもおなじみの 伊藤秀男さんの迫力ある絵が 見る人の心を揺さぶります。大勢の人が津波から逃げていく見開きのページは圧巻です。

  




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