2学期終業式

日々の学習、学校行事や部活動など盛りだくさんだった2学期も終わり、本日終業式を迎えました。今回も感染症対策として各教室でyoutube配信を視聴する形で行いました。
始業式では、放送部の部員たちが、カメラマンやスイッチャー、テロップを付けるなどの作業をしてくれました。

橋長校長先生による講話では、嵯峨野高校生が日々の感染症対策を真面目に取り組んでくれていることへの感謝と、今後も緊張感をもって対策をしていく重要性を改めて説明されました。

校長先生は、2学期を終える生徒に向け、「大きな目標を持ち、その大きな目標を達成するために小さな目標を1つずつ達成していく」ことの大切さを説かれました。

昨日まで行われたサッカーW杯でベスト16に入賞した日本代表選手のインタビューでの「この4年間1日、1秒たりとも無駄にしたことがなかった」という選手の言葉や、クロアチア戦で惜しくも敗れた時に、多くの選手が4年後に向けた具体的な目標を発言したことを挙げられました。

また、今年逝去された京セラ創業者の稲盛和夫さんの言葉も紹介されました。

「若い人は偉大なことを実現したいという夢を持つが、それを実現するためには1歩1歩地道な努力が必要である」

「日々の地道な努力が生む小さな成果は、さらなる努力と成果を呼び、その連鎖はいつの間にか信じられないような高みにまで、自らを運んでくれる。」

大学入学共通テストまで1か月を切った3年生はもちろん、1,2年生にも励ましと期待を込めた心に響くお話でした。

次に、教育推進部長森田先生より講話がありました。

「嵯峨野高生の中には、約80年後の22世紀を生きる人もいるかもしれません。その未来はどんな世界になっているか想像できますか?」という問いかけから講話が始まりました。

インターネットの普及やAI技術の発展で、社会の変化が速い今、これからの時代を生きる高校生に向け、「こんなことをしても意味がないのでは」と感じたり、「意味のあるものにするにはどうすればよいか」と考えたりするのは当然。でも、その疑問が探究の始まりだと仰いました。

数学者であり哲学者でもあったパースの「探究とは、習慣を変えようとする努力である」という言葉や、1400年頃から約100年間続いたアステカ文明での世界を滅亡させないために捕虜を生贄として捧げることを信じていた儀式があったことを紹介されました。この2つのことから、私たちが真実だと思っていることは、ほとんどが誰かがつくった物語にすぎず、今、高校生のみなさんは、これまでに先人たちがどんな物語をつくりあげてきたのかについて学んでおり、それは皆さんが新たな物語をつくるために学んでいると話されました。

最後に、1972 年、アラン・ケイという科学者が発表した「A Personal Computer for Children of All Ages」という50年前の論文に、コンピュータが小型化し、子どもたちの教育に使っていくべきだと書いていることを紹介されました。その論文の最初には、「To know the world one must construct it. 世界を知るためには世界を構築しなければならない。」と書かれており、彼はコンピュータがある未来を予測したのではなく、彼がその概念を提唱したことでパーソナルコンピュータの開発が進んだと話されました。

教育推進部長のお話から、高校生にとって勉強は受験だけが目的ではなく、新しい世界に一歩踏み出す勇気をもたらすことだと感じる、胸に響くお話でした。

明日からの冬休みは、忙しかった2学期の振り返りとリフレッシュをするとともに、1日1日が自分の未来をつくることを意識して、自分の習慣を見直し新しい一年に向けて準備して欲しいと思います。