深まる秋

校内の木々も色づき始め、秋も深まりつつあります。季節の進行とともに高校生の学びも深まり、実りの時期を迎えます。
特に高校3年生はいよいよ学業の修了期、一定の完成形へ。

以下は高校3年生、世界史の授業の一端です。
・有名なアメリカの”ニューディール政策”は連邦最高裁判所から違憲判決が出されている。大統領肝いりの政策になぜ憲法違反という判断を下したのか?
・大日本帝国の真珠湾攻撃、その報を受けて米・英・ソ・中の首脳はどう思ったか、各国の指導者の思惑を想像し、そこから太平洋戦争とは何だったのかを考える。
・1945年2月のヤルタ会談ではアメリカ大統領はソ連の対日参戦を期待しているが、7月のポツダム会談中にその考えは変わる。なぜか?

教科書に記述された基礎的な史実をもとに、生徒たちは考え、自分なりの解答を導き出します。もちろん期末テストに「…を論述せよ」と問われることへの対策でもあり、さらには大学入試への対策でもあります。ただ彼ら、彼女らの好奇心はそれにとどまりません。

「教科書を読むと、社会主義とファシズムは対極の様に思えるのですが、同質にも見えます。どのように整理すればよいのでしょうか?」
「東京裁判で日本の指導者は何を根拠に裁かれたのでしょう?なぜ連合国は裁かれていないのですか?」
ある日の3年生からの質問です。一言で回答できない難問(良い質問)が増えてきます。生徒が徐々に肩を並べつつあることを実感させられます。「嵯峨野高校生」も深まる秋です。