一人一人の顔を観て

毎年この時季、3年生の進路について大切な会議が開かれます。
3年生の教科担当者が集まり、生徒ひとりひとりの現状を確認し今後を考える会議です。
本校がこの会議で最も大切にしていることは、生徒の希望に寄り添うこと。
合格可能性をのみ議論するのではなく、志望学部、志望大学の確認、そこに到達するには
今、何が必要か、何をせねばならないかを、それぞれの教科の立場から意見を出し合います。
HR担任からは面談での様子や勉強以外の側面からの情報提供も。
 
 日常の学習状況に加え、模擬試験も重要なデータですが、単にA判定、C判定といった記号のみを観るのではなく、一人一人の顔を思い浮かべて、多角的に検討し、情報を共有していきます。
教科担当からは、今のままで、といった頼もしい意見が出ることもあれば、現時点では○○が弱い、△△を使って○○に取り組むべき、また、やや難問に取り組みすぎ、基礎をしっかりやり直す必要があるのではといった改善点の提案、あるいは本当にその志望に向けて努力ができているのか、自分自身と向き合うことができているか、といったところまで掘り下げることもあります。忘れてはいけないことは、諦めずに生徒の可能性を模索すること。
 
 ベテラン教員からは、目標に到達するための様々な選択肢の紹介や指導方法の助言、さらには家庭との意見のすりあわせの重要性、といった経験談が語られ、さながら教員研修の場にもなります。
府下全域はおろか他府県からも偶然に集い、多様なキャリア、経験を重ねてきた教員が集団となって、よりよい方向を導き出す。嵯峨野高校の教育のありかたの肝が垣間見える場です。
一人の教員が一クラスを抱え込み、独自の指導をするのではなく、全教科担当が8クラスの生徒たちに対して、フラットに様々な視点からアプローチを試みる、そんな学校でありたいと思っています。