4月8日(月)、第77回入学式を講堂にて挙行しました。九条家ゆかりの御門を開放し、御来賓や保護者の皆様に御臨席いただく中、これからの3年間、本校で色々な経験をして成長してくれる入学生が、満開の桜のもと、笑顔で本校に入学してくれました。

_

「校長式辞」を掲載します。

_

式辞

 満開の桜から今日の佳き日を祝うかの如く花びらが舞い降りる中、令和六年度京都府立鴨沂高等学校の入学式を挙行するにあたり、本校PTA副会長 小林 高大 様をはじめ多数の御来賓の皆様並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、高壇からではございますが、厚く御礼申し上げます。

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。みなさんの入学を教職員並びに在校生とともに、心から歓迎いたします。一日も早く本校での生活に馴染んでくれることを期待しています。

 鴨沂高校は前身となる学校が開校してから本年度で152年目となる伝統校です。校内には、いたるところに歴史や文化を感じる建物、展示物や書物があり、それと同時に最新の教育施設設備を兼ね備えています。充実した教育環境のもとで、思う存分高校生活を楽しみ、そしていろんなことにチャレンジしてください。本校では、育てたい生徒像を明確化し、はぐくむ資質・能力を定めて教育活動の実践に取り組んでいます。このはぐくむ資質・能力の第1に「チャレンジする力」を挙げています。「やってみたい」と思う心を大切にして、やる前から諦めることなく、しっかりと準備して、失敗を恐れず、果敢に様々な取組にチャレンジしてください。成功しても失敗しても、そこから学ぶことはたくさんあるはずです。他にも「考える力」「知識・情報活用力」「協働する力」「発信・表現力」「創造力」「文化・歴史に対する興味・関心」を高める教育活動を通して、これら資質・能力が少しずつステップ・アップして育てたい生徒像に近づくように、教職員一同、みなさんを全力で導き、支えてまいります。

 入学生の皆さんには、2つ心がけてほしいことがあります。

 1つ目は「夢を育てる」ことです。

 人は、知っていることの中からしかやりたいことは生まれてきません。高校で、これまで知らなかった色んなことに興味・関心を持ち、見通しを持って学び、振り返ることで、広い視野を持ち、そこから一生を託せる夢を見つけてください。そして、その夢を実現しようとするとき、現実の世界との接点あるいはギャップが生まれます。そこには、事実に基づき真理を追究する姿勢が求められます。「夢を育てる」とは、夢の実現に向けて実践していこうと努力することです。

  2つ目は「向上心」を持つことです。

 鴨沂高校生として、仲間や先輩、先生方とともに、学習、部活動、学校行事、そして学校を離れても、今より少しずつ「より良く」していこうと思う心「向上心」を持ってください。自他をリスペクトし、みんなとともに「より良く」していくことが、「より良く」生きること、【well-being】すなわち「幸福」に生きることにつながります。みなさんとその周りの人々が「幸福」になることを目指し、今より少しずつ「より良く」していきましょう。

  この2つを心がけ、一日一日を大切にしてください。充実した日々を過ごし、「鴨沂で良かった」と思える素晴らしい高校生活にしていきましょう。

  後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、今日の喜びの日を迎え、新しい制服を身にまとったお子様の姿を見て、感慨もひとしおのことと拝察申し上げます。高校時代は、大人への過渡期として自律していき、3年生で誕生日を迎えると18歳成人となります。お子様が小さかった頃に、手をつないで歩いておられた時期から、やがてその手を離していった時、近くからその歩みを見守っていただいたことと存じます。今度は、心の手を少しずつ離していって、大人へと成長していくお子様を、近くから見守っていください。本校は、お子様が安心してのびやかに、しなやかに、たくましく成長できる教育環境を整え、皆様の期待に応えるべく、最大限の努力をしてまいりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。

  結びにあたり、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、並びに保護者の皆様には重ねて御礼申し上げます。予測困難な現代において、一人一人が未来の創り手となる子供たちのため、学校は、これまで以上に社会と連携・協働する必要があります。本日、御列席の皆様に、本校教育の充実・発展のため、今後とも変わらぬお力添えを賜りますようお願いを申し上げ、式辞といたします。

                         令和6年4月8日

                         京都府立鴨沂高等学校

                         校長  松井 佳代美