おもてなし隊の皆さんへ 【 2022/01/31 】

★おもてなし隊の皆さんへ「高文連会長 吉川校長先生」のメッセージを掲載します。

 皆さん、こんにちは。寒い日が続いています。お元気ですか。新年に入って、雪の日が多く、本校の生徒たちは、朝登校してくれると、雪だるまをつくったりしています。御所にあるロウバイも、私の大好きな花ですが、寒い中ですが、もう満開で、春の香りが周囲に漂っています。明日から2月となります。皆さんにとって、よい春の日が来ることを切に願っています。

 さて、大変な日々が今も続いていますが、8月下旬に緊急事態宣言が出された時も大変でした。皆さんは、感染防止も含め、さまざまなことに協力的に取り組んできました。9月末には解除され、各校でもさまざまな学校行事に取り組むことができたことと思います。その中で、11月にはおもてなし研修を開催することができました。忙しい中集まってくれた皆さんは、積極的に取り組み、また、今年も柳井先生の楽しく、丁寧なご指導もあり、多くの皆さんが「他校との交流ができてよかった」「特別な時間を過ごせた」など話してくれましたし、とてもすてきな時間となりました。

 おもてなし研修では、皆さんが、すぐに互いに打ち解け合い、楽しめるのも、素晴らしいところだと思いました。各校でも、学習、学校行事、部活動や生徒会活動に、積極的に取り組んでいることと思います。ムーミン谷の物語で、スナフキンはこう言いました。「大切なのは、自分のしたいことが何かを、わかっていることだよ。」と。高校時代に、夢中になれることを見出し、どれだけ真剣に打ち込めるかということは、とても大切なことだと思います。

 『全国伝統文化フェステイバル 伝統芸能選抜公演」については、昨年度に続き、全国公演はYouTube配信、京都と全国の高校生の交流はリモートで行うこととなりました。おもてなし隊に手を挙げてくれた人全員が当日参加できなかったことは、本当に申し訳ありませんでした。しかしながら、代表で参加してくれましたおもてなし隊の皆さんは、前日の下見会で、「チームおもてなし隊」となり、当日は、各役割に全力で取り組んでくれました。皆さんが当日会場にいてくれたからこそ、高校生が主人公で、あったかい雰囲気のフェステイバルになったと強く実感しました。素晴らしかったと思います。また、各校では、公演後、全国の出演校に向けて、手作りで、あったかいメッセージボードの作成をしました。きっと、皆さんのおもてなしの心は、全国出演校の皆さんに伝わったと思います。

 さて、人が幸せに生きていくためには、いつの時代も、『人と人とのつながり』が大切であることは変わりません。私の大好きな作家の司馬遼太郎さんは、その著書の中で、「自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。このため、助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、『いたわりという感情』それは『他人の痛みを感じること』や『やさしさ』と言いかえることができる」と書かれています。それは、自他をリスペクトすることであり、『おもてなしの心』と根底でつながっています。まさに皆さんは、今回、その気持ちを実践してくれました。アンケートでも「他校の人との仲間意識を感じながら活動することができた」、「おもてなしする心が大切」、「これからの人生に生かしていきたい」というすてきな感想がたくさんあり、感動しました。皆さんにとって、とてもよい機会になったのではと思います。きっと、10年後、20年後にふと思い出す「心の宝物」になったと思いますし、そういったことが人生を豊かにするものだと思います。

 最後になりますが、改めて皆さんに「ありがとうございます。素晴らしいおもてなし隊でした。」とお伝えしたい気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。そして、各校で、このおもてなし隊の伝統をつないでいただき、来年度伝フェスが、全国の出演校も京都に来ていただければと願っていますし、みんなの力で盛り上げていってほしいと思います。皆さんならできると思います。また、皆さんにお会いできます日を楽しみにしていますし、これからの皆さんのますますのご活躍を期待しています。応援しています。

                            京都府高等学校文化連盟会長
                            京都府立鴨沂高等学校
                            校 長  吉 川  孝