「絵葉書目録」の公開にあたって
本校の校舎改築に先立つ平成25(2013)年、明治から昭和前期のものと
考えられる大量の絵葉書の存在が明らかとなりました。これらが廃棄されることなく、「資料(史料)」として意味付けられるためには何をすればよいか。京都府京都文化博物館との連携のもと、京都文化コースの取り組みとしてデータベース化する授業が、改築完成前の平成29(2017)年度から始められました。
そこでは、6,042枚に上る「1枚もの」絵葉書(セットの封筒やケースなどに収められていない、文字通り"はがき"状で残されていたもの)を読み解き、タイトル(和文・英文)、発行所、説明の長文が印刷されているか、"はがき"として使用された痕跡があるか...などを、京都文化コースの生徒諸君がエクセルに手入力していきました。その作業が前年度に完了したので、目録の形でweb公開いたします。
これまでに京都文化博物館や京都市歴史資料館、また校内などで、この絵葉書の一部の展示・紹介をおこなってきました。絵葉書そのものの全面的な公開は今後の課題ですが、目録の完成によって、日本国内だけでなく世界各地の、今から約100年前の貴重な画像情報が整理され、検索できることになりました。その中には、これまで知られていなかった新しい情報が含まれている可能性もあります。
目録の存在によって、学術的に未知であった本校所蔵の絵葉書がさまざまな研究に活用される道が開かれたとともに、これらが後世に継承される可能性が高まった、と言えるのではないでしょうか。
関係諸機関および協力いただいた生徒諸君に心からの感謝と御礼を申し上げます。
令和6(2024)年 7月
京都府立鴨沂高等学校 京都文化科
参考:『「学校博物館」を成長させる―京都府立鴨沂高等学校所在資料の発見と活用Ⅱ―』
(学校資料研究会・京都府立鴨沂高等学校京都文化科2023)