「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「ぜったいあけちゃダメッ!」
作)アンディー・リー    永岡書店


モンスターが1匹登場します。
彼は読者である子どもたちに本のページをめくらせないためのあの手この手をくり出してきます。
言うことをきかずに最後のページをめくってしまうと…。

  

以前2年生で読んで とっても盛り上がったので 1年生でも読んでみました。
「ぜったい めくらないで」と本に書いているので「めくる? どうする?」と みんなに聞くと 
「めくる!めくる!!」と うれしそうな顔で叫びます。
何度聞いても「めくるー!!」と(笑) 楽しくで読んで楽しく聞いてくれました。

「いすにすわってたべなさい」
作)平田 昌弘      国土社


ことばあそび絵本シリーズです。
ある文章に1文字たすと、ちがう意味の文章に大変身する「ことばのたし算」です。
「いすにすわってたべなさい」に「あ」をたすと、「あいすにすわってたべなさい」となります。

  

わかりやすい物から、難しいものまで、うーんと考えて楽しみました。
ページをめくって納得!でも 「えーっ?」っていうのもありました。

 

ことばあそびは1年生には難しいかと思いましたが みんな意外とのみこみがよくって
ちゃんと正解をこたえてくれたものも たくさんありました。

2年生
「ねこのピート だいすきなよっつのボタン」
作)エリック・リトウィン         ひさかたチャイルド


2月22日は「ニャン ニャン ニャン」で猫の日だそうです。
聞いてみると 4人くらいが知っていました。
・・・と いうことで 猫のおはなしを。 

ねこのピートがお気に入りのシャツには、カラフルな4つのボタンが付いています。
うれしくて「4つのボタン最高!」と歌っていると、ボタンが1つ取れてなくなってしまいました。
すると、ピートは歌いました。
「3つのボタン最高!」それからボタンは順に取れて、最後の1つもなくなりました。
ピートは、シャツのすきまに自分のおへそを見つけて、
「これもぼくのボタン。ぼくのボタン、かなり最高!」
“形あるものはなくなる…そして、なくなったことにも意味がある”
というメッセージも込められたお話です。

  

「ピートの歌 歌ってね」というと 2回目からは半分くらいでしたが、
すぐにわかって どんどん元気よく みんなで歌ってくれました。

「にゃーご」
作)宮西 達也     鈴木出版

先生の注意もろくに聞かず、遊びに出かけた子ねずみ3匹。
そこへ恐ろしいねこが「にゃーご」とやってきたけれど…。

 

「ねこのピート」で いっぱい声をだしたからか このお話はシーンと とっても静かに聞いてくれていました。
少し時間があったので 「ねこのピート」シリーズの最初のおはなし
わええやわわゆあやおえわええやわわゆあやおえ「ねこのピート だいすきなしろいくつ」を読みました。「白いくつ かなり最高」と歌ったあとは イチゴで赤くなってしまうけど「赤い靴 かなり最高」と。ブルーベリーで青くなっても「青い靴 かなり最高」というところでチャイムが鳴りました。いつも前向きなピートの気持ちも わかってくれたと思います。

3年生
「春」っていうと どんな色を思い浮かべるか 聞いてみると・・・「ピンク」「みどり」などなど 答えてくれましたが 今日のおはなしの 春の色は・・・

「はなをくんくん」
作)ルース・クラウス    福音館書店

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。
野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも……。
でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。
みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。
みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」 
やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

 

春を待ち望んでいる動物たちの わくわくする気持ちや はやる気持ち。
その気持ちは、ちいさな動物もおっきな動物も 同じなのですね。
画面いっぱいに森の動物たちがある場所に駆けていく場面は、静かな、でも確かな躍動感を感じて圧倒されます。
モノトーンですすむお話のなかに、ぽっと咲いた黄色い花が印象的で 心まであたたかくなる絵本です。

黄色い花を見つけたところで・・・

「きいろい花見つけた」
作)レナーテ・シュップ      ペンタン


  

ある大きなお城の庭は、それはきれいに手入れがゆきとどいているのですが、ゼラニウムやバラといった赤い花しかありません。
ある日お姫さまがきいろい花を見つけて大喜び。
ところが庭番のおじさんは、芝生に余計な草が生えるのを嫌がって…。

4年生
「ちいさいきみと おおきいぼく」
作)ナディーヌ・ブラン・コム        ポプラ社


おおきいオオカミは、ずっとひとりでした。ひとりが、あたりまえでした。
ある日そこに、ちいさいオオカミがやってきたことから、おおきいオオカミは初めての気持ちをたくさん知り、世界は色づきはじめるのです……。
だれかとともに生きる喜びとぬくもりを伝える、フランス生まれの心あたたまる物語です。

  

一人でいるときは、それが当たり前で寂しいと感じていなかったのに、気になる友達ができると、相手がどうしているのかが気になってしまいます。会えなくなるととても寂しくなります。
最後には、読んでいる方も 聞いている方も 温かい気持ちになります。ほっとするお話です。

少し時間があったので 本を紹介しました。
「はやくちしょうてんがい はやくちはやあるきたいかい」
作)林 木林         偕成社

  

よくもこれだけたくさんの早口言葉が出てくるものです。
しかも展開とストーリー性があって、オチまでしっかりしています。
どれもこれも楽しい早口言葉なので、読んでいる方は早くは読み終えることができません。
何度でも楽しめる言葉遊び絵本です。
今日のような雨の日は こんな本で遊んでみるのも楽しいですよ。

5年生
「シニガミさん」
作)宮西 達也     えほんの杜

  

腹ペコオオカミは、ある日、森で病気のコブタを見つけます。
すぐに食べようとしたけれど、コブタが元気になってから…と
オオカミは自分の家に連れ帰り、看病を始めます。
そんな2匹の近くには 彼らを見つめるシニガミさんがいたんです――。
命の尊さ、人との関わりの大切さを伝える作品
ハラハラドキドキ、最後にホロリ…、宮西達也先生の真骨頂が十二分に味わえます!

「死ぬ」という言葉には なにか心を捕まれるようなものがあるようで みんなの表情がちょっと真剣になった気がしました。

6年生
「ぼくと弟はあるきつづける」
作)小林 豊       岩崎書店

ぼくと弟が戦火を逃れ、おじいちゃんの家にきてから一年。
おじいちゃんが亡くなり、ぼくたちはとうとう二人きりで生きぬくことに…。
好評の『ぼくは弟とあるいた』『ぼくの家から海がみえた』につづく、黒海地方が舞台の3部作、完結編。

 

本当は「ぼくは弟とあるいた」を最初に読んでから この本を読みたかったのですが、二冊読むには時間が足らず 三部作のうち初めの二冊は紹介だけして 完結編のこの本を読みました。

「ぼくは弟とあるいた」「ぼくは弟とあるきつづける」は よく似た表紙になっていますが 違いが判るか聞いてみました。
「ぼくは弟とあるいた」では靴も服も帽子も新品のようで 体に合ったものですが「あるきつづける」は どれもくたびれて 服は彼らの成長を現わして短くなっています。

  

戦争を避けて、おじいちゃんの家に逃げてきた兄弟でした。
頼りのおじいちゃんが死んでしまってなんと心細いことでしょう。
でも、この絵本では、両親を待ちながらたくましく生きる兄弟が、明るく描かれていて、戦争が夢のようです。
学級閉鎖明けで 最初は少しざわついていましたが 読んでいるうちにだんだんシーンとしてきて 最後の方は本当に静かにききいってくれているようでした。 よかった・・・。




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