「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「おもちのきもち」
作)かがくいひろし     講談社

お正月にかかせない「かがみもち」
でも、なんだか浮かない顔をしているみたいです。
「かがみもち」にも悩みがあるのでしょうか。
いや、そもそもおもちに「きもち」なんてあるの? 
…それが、あるみたいですよ!?  何かといえば・・・


  

新年最初の読み聞かせにはもってこいの おもちのお話ですが 都会に限らず美山でも お正月らしさが年々失われていくようです。
それでも 年末にお餅つきをしたという子が3人いました。

「こんやはすてきなゆきのよる」
作)しばはら ち     鈴木出版


寒い雪の夜、寝床を探すのら猫は、きれいな白猫に出会います。
白猫と一緒にいると 嫌いな雪が 雪だるまに見えたり、お花に見えたり とってもすてきに見えてきて…。



たくさんの雪が降ってうれしいのは子どもだけ、 大雪に 大人はうんざりしてしまいます。
このお話のように 楽しめるぐらいの雪ならいいんですけどね。

2年生
「雪わたり」
作)宮沢賢治     金の星社

「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」-雪の野原に出かけた四郎とかん子は、キツネの紺三郎に出会います。
そしてキツネの幻灯会によばれた二人は…。

 

宮沢賢治を知っている、聞いたことがある、という子は2人いました。
お話も 2年生には少し難しいかと思いましたが 自然描写の文章が とても美しいので読みました。
「難しいかもしれないけれど しっかり聞いてね」と言うと「うん うん」とうなずき とても真剣な表情で じーっと聞いてくれていたようでした。

3年生
「ぼくだけのこと」
作)森 絵都        偕成社


世界には人間がたくさんいるのに、ぼくと同じ人間はいないってふしぎ。 
ぼくがぼくであることを数えてみた。ぼくは世界にただひとり!

 

月曜日の朝の読み聞かせ…面白いお話を読めばいいのでしょうけど ついつい 何か伝えたい! という気持ちが大きくて こういう絵本を選んでしまいます。
世界にたった一人の自分を 大事にしてほしい・・・そんな想いを込めて読みました。

「びくびく ビリー」
作)アンソニー・ブラウン      評論社


ビリーは、とってもしんぱいや。いろんなことがきになって、ベッドにはいっても、ねむれない。
おばあちゃんにはなしたら、ちいさな人形をくれた。[しんぱいひきうけ人形]なんだって! 
これでねむれるかな…? 



心配引き受け人形(ウォーリードール)について、グアテマラでは本当に信じられているおまじないだということの解説があったので、その部分も読みました。

4年生
「七ふくじんとおしょうがつ」      
作)山末 やすえ       教育画劇


ぼくの家に七福神がやってきた! 宝船にも乗って、としがみさまにも会ったよ!

 

知っているようで よく知らない「七福神」
最初に 七福神を簡単に説明しました。
大黒さまや布袋さま、恵比寿さまぐらいは聞いたことがある子もいたようです。
行事の由来絵本ということで おせち料理のことや お年玉や門松 初詣などのことが描かれていました。
初詣に行っていない という子も何人もいたようです。
お正月の過ごし方も 各家庭や時代によって変わってきますが なくしてほしくないこともたくさんあります。

5年生
「ことわざしょうてんがい」
作)かんべあやこ     あかね書房


はなちゃん家族とかっぱのガタローが、お買い物に出かけます。そこは妖怪・神様・へんてこなものがいっぱいいる“ ことわざ商店街”。
ドラキュラの洋服屋さんは100万円の背広をオススメし、やまんばのメリーゴーランドではなちゃんが飛ばされる…!?
でも「禍いを転じて福となす」「怪我の功名」となってひと安心。
お買い物をしながら、はなちゃんと一緒に「ことわざ」を体験し、楽しく知ることができる絵本です。

 

最初に読んだときには あまり反応もない様子だったので その後に もう一回 出てきたことわざを言ってみると「それは知ってる」とか「聞いたことある」と言っていました。
昔は日常的に使っていたことわざも 最近はあまり使われないので いつの間にか知っていた、ということがないのかもしれませんね。

6年生
「龍のはなし」
作)宮沢賢治     戸田こうしろうデザイン研究室


人や動物から恐れられる一匹の竜。ある時「もう、悪いことをしない。」と心に誓います。
皮をはがれても 身を食べられても じっと我慢しています。
最後に乾いて死んでしまった竜は天上でお釈迦様に昇華します。

 
許すこと、受け入れること。自分の命さえ投げ出すような、壮絶なまでの竜の優しさは、読む者に「優しさ」の意味や本質を問いかけてきます。

このお話は宮沢賢治の世界を象徴する名作なのですが、絵本化されているのは本作のみ、という賢治童話の中でも珍しい作品です。

「十二支絵本」
作)谷山 彩子     あすなろ書店

十二支の由来や干支の意味が楽しく学べる知識絵本。12の動物が登場する「十二支」。
でも、いったいどうして「12」なのでしょう?そのほか、生まれ年の干支の豆知識も満載です。

  

なぜ 十二支に龍がいるのか。とか 龍の付く言葉、龍の住処や伝説など「辰」と「龍」のところを紹介しました。

宮沢賢治の「ちび竜」というお話が好きで 読みたかったのですがなのですが 続いて読んだのは

「おせち」
作)内田 有美    福音館書店


「くろまめ、ぴかぴか あまい まめ。まめまめしく くらせますように」など、おせち料理をひとつひとつ紹介しながら、料理に込められた願いがわかる絵本です。

 

この絵本は 12月上旬の発売後すぐに完売し、緊急重版となりました。
出版社に問い合わせが相次ぎ、すぐに3000部が緊急重版され、それでも 予約注文が後を絶たず、さらに6000部の重版が決まったそうです。
こんなにすぐ品切れになるのは、25年以上月刊誌に携わってきて初めてのこと。
「かわいらしいものよりも、本物を届けたい」という思いから、リアルなイラストは、絵本のために作ったおせち料理を写真に撮り、それを元にイラストレーターの内田有美さんが描きました。
写真そのものではなくイラストにしたのは、「手で描かれたぬくもり感を伝えたかったから」だそうです。
こどもたちにも そう言って表紙を間近に見せると「えーっ」と驚いていました。




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