「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室


1年生
「たまたまたぬき」
作)内田 麟太郎   佼成出版社


さまざまなものにばけてきたタヌキは、ふと思った。
「おれは、まことにタヌキであろうか」。
そんなタヌキの前に現れたカラスは 何事もないように言った。
「おまえは今、たまたまタヌキなだけだ」。なんと……。
おれは、たまたまタヌキなのか……。

 

最後のオチで 偉大なものが天丼、ってとこに ついつい大人はなぜ? を求めてしまいますが 
こどもたちは そんなことおかまいなしの爆笑でした。
含蓄がありそうなストーリーと 迫力のある絵。
力わざで笑いを作るナンセンスな哲学絵本(?)は 深く考えずに楽しむのがよさそうです。

どうぶつたいじゅうそくてい」
作)聞かせや。けいたろう          アリス館

動物の体重測定は、結構大変!いやがるブタさん、
体重が増えるように、羽を広げるクジャクさん。
もこもこヒツジさんは、毛を刈ったら何キロ軽くなる?
カバとライオン、体重が重いのはどっち?



第一弾の『どうぶつしんちょうそくてい』でも 上野動物園に取材に行かれていましたが 
今回の体重測定も 実際に動物の体重を量るところを 取材にいったそうです。

2年生
「くまのこうちょうせんせい」
作)こんの ひとみ    金の星社


いつも声が小さいひつじくんに、くまの校長先生は大きな声を出すようにアドバイスします。
でも「大きな声」はひつじくんを悲しくさせるものばかりなのです。
お父さんとお母さんのけんかの声・・・。お母さんがひつじくんを叱るときの声・・・。
ある日、くまの校長先生は、病気で入院することになり、その後大きな声が出なくなってしまいました。
でも お医者さんや看護師さんは「大きな声を出して」とは言わず、小さな声にじっと耳をすましてくれていました。
くまの校長先生は 大きな声を出そうとしても、出せないときがあるのだということがわかったのでした。
また、ひつじくんは 大好きな校長先生が病気になっても 自分を応援してくれている姿を見て、自ら勇気を振り絞ることができたのです。

これは実話をもとにしたおはなしです。
末期ガンと宣告されながら弱り行く自分の姿を子どもたちにありのままに見せ、
命の尊さ、生きる意味を教え続けた 神奈川県茅ヶ崎市の浜之郷小学校の大瀬敏昭校長。
この姿は『命の授業』と呼ばれ、その授業の様子や、学校を変えて行く姿はテレビや新聞、雑誌などで紹介されました。
しかし残念ながら大瀬先生はその後亡くなりました。
大瀬先生と交流のあったシンガーソングライター・こんのひとみさんが、
大瀬先生の思いを物語にして、いもとようこさんのイラストで絵本化しました。

3年生
「りょうりをしてはいけないなべ」
作)シゲタサヤカ     講談社




ここは町で一番人気のレストラン。
今日もコック達が忙しく働く中、一人のコックが新しい鍋を買ってきました。
「さあ、料理をいっぱい作るぞ!」と、コックは意気込んでその鍋で料理を作り始めますが・・・。
「ウフフフ! アハハハハ! ジャバ~!」なんと、この鍋、笑って料理を吐き出すとんでもない鍋だったのです!



こどもたちに大人気のシゲタサヤカさん。
この絵本も 読んだことある、という子がたくさんいました。
でも みんな集中して よく聞いてくれていたと思います。
知っている本を読んでもらうのも また うれしいことなのかもしれません。

4年生
紙芝居「めがねやとどろぼう」
作)桂 文我      童心社


「町内のことは何でも知ってる」という弟分に、兄貴は手頃な家を案内させようとしますが、どうもこの新人どろぼうはズレていて、金目のものならぬ金物ばっかりの金物屋を教えたり、柔道一家のつわものぞろいの家や 弱っているけど貧乏な家を教えて 兄貴の怒りに触れるばかり。
結局「めがね屋」にしのびこもうと表の戸の節穴をのぞいてみます。
めがね屋はいたずらをしてやろうと……。



人気上方落語家・桂文我さんによる「まぬけなどろぼうシリーズ」。
とにかく、のんきな弟分と頭から湯気を立てて怒る兄貴の掛け合い、2人の混乱ぶりがおもしろくて笑っちゃいます。
ただ もう少し 絵にもう少し工夫があれば もっとおもしろさが伝わるような気がしました。

5年生
「かな?」
作)大日本タイポ組合     偕成社

「もじ」の「しかけえほん」で「もじかけえほん」!
ページをめくると、ふたつの文字からできる言葉と絵がかかれています。
たとえば、「いぬ」と書かれたページをめくってみると……
なんと「い」が「か」に、「ぬ」が「め」になって、「いぬ」が「かめ」に早変わり!

さすが5年生、だんだんしくみがわかってきて 次の文字を推理してくれ 結構正解していました。
「大日本タイポ組合」という組合がほんとにあるのかと思いきや・・・文字を楽しむ二人組のデザインユニットの名前でした。

「おかえりフク」
作)北川 チハル      佼成出版社



山の集落に暮らすカネオさんとレイコさんの夫婦は、ある日、崖の下でうずくまっていた、
生まれたばかりのニホンカモシカの赤ちゃんを保護しました。
そのままでは自然の中で生きていけない状態だったので、一歳まで育てて山へ帰すことになりました。
ミルクをあげ、山の草を食べさせ、いっしょうけんめい世話をしたカネオさんとレイコさん。
フクと名付けられた赤ちゃんは二人に慣れ、集落の人にもかわいがられてすくすくと育ちました。
でも、ついに別れの日がやってきます――。



岐阜県山県市で実際にあったお話から生まれました。
カネオさんたちの愛情や葛藤とともに、フクもまたカネオさんたちを心から慕う様子が絵本で描かれます。
さらに胸を打たれるのは集落の人々がフクを見守り続けたことです。
みんなフクに「おかえり」と言いたい。けれど言えない……。
そんなせつない交流が描かれます。
命の出会いと別れ。野生動物との交流を考えさせられる絵本です。
お話を書いた北川チハルさんは 亀岡在住の絵本・童話作家です。

6年生
大型絵本「まどからのおくりもの」
作)五味 太郎      偕成社




サンタクロースがやってきて、家々をまわり、窓から贈り物を配って歩きます。
穴あきになった窓からは、家の中(次の画面)の動物や子どもの体の一部がみえ、
サンタさんはそれをみて「ここは誰々のおうち」と即断し、贈り物を選びますが……。
あわてもののサンタさんの思いちがいがひきおこす めくる楽しさ抜群の絵本。

「ひゃくおくまんのサンタクロース」
作)もたい ひろこ       アノニマ・スタジオ




ひとりではプレゼントを配りきれなくなったサンタクロースは神さまにお願いをして二人になり、
それからどんどん増えていき、「あっ! 」と驚くラストがあるストーリー。

「サンタクロースって本当にいるの?」
誰もが抱く素朴な質問に対して、こんな答えを用意するのも素敵ですよね。
どんどん想像がふくらんでいきます。
フィンランドのイラストレーターによって描かれた絵も、とってもかわいくてチャーミングなんです!




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