「よむよむ」による朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「ぼくがラーメンたべてるとき」
作)長谷川 義史     教育画劇


 

「おっちゃん みたことあるー」「ほいくしょで みたー」などと にこやかで元気のいい1年生です。
ウクライナで戦争が始まった去年、全学年でこの絵本を読んだので、新1年生にも読むことにしました。
低学年に この絵本が伝えたいことを理解してもらうのは 難しいと思うのですが、自分の何気ない平和な日常の延長線上に 今 まさに 貧困や戦争戦争などで苦しむ 自分と同じ子どもたちの境遇にに 思いを馳せることができたら・・・と いう思いで やりとりをしながら読みました。

2年生
「もぐらとずぼん」
作)エドアルド・ペチシカ     福音館書店


もぐらは青いズボンがほしてあるのを見つけ、ほしくてたまらなくなりますが……。
いったい、どうやってもぐらは青いズボンを手に入れたのでしょう?

 

私が子どものころ読んでもらって とても印象に残っている絵本です。
さすがに 誰も知っている人はいませんでした。1967年の出版ですもんね。
モグラは青いズボンを手に入れるために 亜麻から糸をとり コケモモで青く染め、蟻に織機を作ってもらい 布にして、エビガニに型に切っていもらって、ヨシキリに縫い上げてもらったのでした。
いろんなものに助けてもらって 作り上げていくところが素敵ですね。

3年生
「ほね・ホネ・がいこつ」
作)中川 ひろたか     保育社


 

てつぼうから落っこちてあたまをゴツン。
病院で調べてもらったら、ぼくのあたまはガイコツだった!
立ったり座ったり、からだを動かせるのも、“ほね”があるおかげ。
身近なたとえとカラフルで陽気なイラストから、
さまざまなはたらきをするほねについて、愉快に学べる一冊です。

「ひとのからだ」
作)毛利 子来     岩崎書店


 
この本も紹介しながら 自分の骨を触ってみてもらったりしました。

4年生
「100万回いきたねこ」
作)佐野 洋子     講談社


 

100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで、100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が、そのねこを かわいがり、100万人の 人が、そのねこが しんだとき なきました。
ねこは、1回も なきませんでした。
ところがそんなねこの生き方を大きく変貌させる出来事が起こるのです。
それは白く美しいねことの出会いで……。

5年生
「きもち」
作)ジャナン・ケイン       少年写真新聞社

 

毎日、毎時間、人は様々な感情に揺れ動きながら生きています。
その時々に心を満たす感情がいったい何なのか、どうすればいいのか、大人でも判断に困ることがありますよね。
ましてや子どもにとっては、ますますつかみどころのないものでしょう。
食べ物やおもちゃ、その他周りにあるもの全てに名前を必要とするのと同じように、それと向き合うためには、感情にも名前が必要です。
作者のジャナン・ケインさんは、「基本的な感情の名前を、平易で楽しいやり方で子どもたちが学ぶことを手助けするような本」としてこの本を作りました。
怒りのページは目と眉をつりあげた子どもの絵。
ページ全体が赤く、「いかり」の文字も書きなぐったようにささくれ立っています。
悲しみのページでは背景の木も「かなしい」の文字も、涙を流しているみたい。
色彩・描かれた表情、文字など、ページ全体が、特定の感情と結びつけやすいように描かれています。
一生かけて付き合っていかなくてはいけない、感情というやっかいなシロモノ。
小さな頃からのこんな積み重ねがあれば、少しは付き合いやすいヤツになるかもしれませんね。

6年生
「チーロの歌」
作)アリ・バーグ     クレヨンハウス


たったひとり、夜の世界に飛びたつ日をむかえた子どもこうもりのチーロ。
暗くて何も見えない森や海を、いったいどうやって飛び渡ればいいのか……。
お母さんコウモリは、目を使わないで「感覚」を上手に使うことを教えてくれます。
「感覚というのは、あなたが世界にむかってうたう歌のこと。そして世界がかえしてくれる歌のこと。あなたがうたえば、世界はかならずこたえてくれる。するとね、見えてくるの」
その言葉を胸に、チーロは外の世界にはばたきます。小さな声で歌をうたいながら……。

 

コウモリは、目で世界を見るのではなく、口から超音波を出して(歌をうたって)、それが周囲のものにあたって跳ね返ってくる音を聞いて、物や獲物の位置を知ることができるのだそうです。
そのことを「感覚」として言い表していることが 腑に落ちることばとしてしっくりと とても納得がいくのです。

小学校を卒業して 新しい世界に飛び立とうとしている6年生に ぜひ聞いてほしい物語でした。


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