1年生
1年生の担当は初めてでした。
教室に入ると「だれ?」と 尋ねられたので 自己紹介をしてから始めました。
「ぼくがいちばん! すごいでしょ」
作)サトシン PHP研究所
からだの大きさを自慢するゾウ。走る速さを自慢するチーター。トンネルをほる速さを自慢するモグラ。動きの遅さを自慢するナマケモノ……。
それぞれの動物が、自分がすごいと思っていることを得意気にやってみせます。
リズミカルでテンポの良い文章と、丁寧に味わい深く描かれた動物たちの様子が生き生きとして、前向きな気持ちになれる絵本です。
登場する動物たちを 言い当てながら 反応よく 聞いてくれていました。
「にんきもののいちねんせい」
作)つちだ のぶこ 小学館
「しょうくんはにんきもの」と はじまると 1年生に「しょうくん」がいたらしく「しょうくんや!」と。
つぎの「はなちゃくは にんきもの」は「2年生にはなちゃんおる」などと 身近なお友達と照らし合わせて聞いてくれました。
「おおきな声」だったり「本をたくさん読んで」いたり「ごめんなさいがいえる」から・・・と いろんなお友達の いろんないいところをみつけられる絵本です。
2年生
「ふまんがあります」
作)ヨシタケシンスケ PHP研究所
みんなもヨシタケシンスケさんが大好きですね。
「どうして大人は夜おそくまでおきているのに、こどもだけはやくねなくちゃいけないの?」
という 不満には
「実は、つぎのクリスマスのためにサンタさんからたのまれた調査員が「夜はやくねる子かどうか」をなんかいもしらべにくるんだよ」・・・・と 答え
「どうしておふろにはいる時間を大人がかってにきめちゃうの?」という不満には
「なぞのいきもの「おふろあらし」よりさきにおふろにはいらないと、お湯がなくなっちゃうからなんだ。」などなど
わたしの不満にこたえる とっても面白いお父さんの言い訳に みんなも「うそや~」「そんなことあるわけない!」と いちいちつっこんでくれて とても楽しく読めました。
3年生
「はーい!」
作)みやにしたけし アリス館
たてに開く、楽しい絵本。ねこ、ぞう、かたつむりなどがつぎつぎ登場し、手や鼻、耳まで使って「はーい!」と元気にお返事。
呼びかけにこたえてもらうことで、元気が出て、しあわせな気持ちになります。
「あきといえば」
作)新井 洋行 アルフォポリス
秋といえば紅葉、紅葉といえば真っ赤っか、赤といえば赤とんぼ、赤とんぼといえば……連想で次々繋がる秋の楽しさ! 目を引くかわいいイラストと気持ちいいリズムの言葉が素敵です。
「びっくりまつぼっくり」
作)多田 多恵子 福音館書店
まつぼっくりには、ふしぎがいっぱい。くるくるまわるタネのダンス。
晴れの日、雨の日で、開いたり閉じたり、大変身。びっくり手品もできますよ!
おおきなまつぼっくりが 瓶の中に・・・。いったいどうやって瓶の中に入れたのでしょう?
みんなの興味をひくように 実物を見てもらいながら読みました。
続いて「あきといえば」で「食欲の秋」と答えてくれていたので・・・
「みんなのおすし」
作)はらぺこめがね ポプラ社
おもしろくて、ちょっとこわい? おなかを空かせたお客が集まる、すし屋のお話
ここはすし屋さん。きょうもすし職人ははりきってすしをにぎります。
お客さんはお仕事帰りのおじさんに、なかよし親子。
不思議なお客さんもやってきて、最後はすし職人の秘密が明かされます。
美味しくて楽しいお話かと思いきや!? 「えーっ!!」「たべられたん?」と びっくりしていました。
どうぞ ご安心を。やっぱり 美味しくて楽しいお話でした。
「カピバラのだるまさんがころんだ」
作)中川ひろたか 金の星社
はじめのい~っぽ! 遊んでいるのはカピバラたち。「だるまさんがころんだ」の声と共に、1ぴき、また1ぴきと脱落していきます。
最後のひと声で終わると思いきや…? ちょっぴりシュールで、面白さ満点の絵本。
4年生
「こどもってね・・・」
作)ベアトリーチェ・アルマーナ きじとら出版
こどもってね、ちいさな ひと。 でも、ちいさいのは すこしのあいだ。 いつのまにか しらないうちに おおきくなる。
へんてこなものが好きな子がいれば よく泣く子もいる。いろんなこどもがいるように 実はいろんな大人もいる。だって こどもが いつか 大人になるのだから・・・。
哲学的な思考を優しい言葉で わかりやすく表現してくれる絵本です。
時々手に取って 何度もよんでみるといいかも。
いろんな子どもの表情が ページいっぱいに描かれているのも いいですね。
5年生
「タンタンタンゴはパパふたり」
作)ジャスティン・リチャードン ポット出版
ロイとシロのおすペンギンは、いつからかお互いに気に入り、カップルになりました。
ところが、他のカップルは、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。
ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。でも石のたまごはちっともかえりません。
そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。
他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。
そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。
この本の出来事は すべて本当のことです。
日本では まだまだ珍しいことですが、アメリカでは クラスメイトの両親が同性同士(養子)ということもあるようです。
こういった絵本を通じて、いろんな家族のかたちがあることをみんなが自然に受け入れられるようになるといいなと思いました。
6年生
「森のおくから」
作)レベッカ・ボンド ゴブリン書房
「これは、いまから100年ほど前に、カナダでほんとうにあった話です。」
そういうと「ほんとに!?」と 思わず姿勢を正すような空気を感じました。
アントニオは、深い森にかこまれた、みずうみのほとりにすんでいました。
近くに子どもがいなかったので、アントニオの友だちは、はたらくおとなたち。
動物をさがして、ひとりで森を歩くことも好きでした。
ある夏、おそろしい山火事がおきました。にげる場所は、ただひとつ──みずうみです。
人間も、動物も、必死に生きのびようとしたそのとき、アントニオの目の前で、思いもよらないことがおこったのです……。
あまりに真剣に聞いてくれているようなので 読んでいてだんだん緊張してしまいました。