「よむよむ」の朝の読み聞かせ

図書室

1年生
「たべてあげる」
作)ふくべ あきひろ    教育画劇

りょうたくんは、ピーマンが大嫌い。
「だれかかわりに食べてくれないかなー」。
すると、コップの後ろから小さいりょうたくんが出てきて、ピーマンを食べてくれました。
りょうたくんは大喜び。次の日も、嫌いなニンジンを食べてもらったりょうたくん。
イヤなものをどんどん食べてもらっているうちに………“大変”なことになっちゃうのです!!

 


面白くて でも怖い シュールな絵本なんですが 1年生には まだ 大人が感じるような怖さは伝わらないようです。
ただ 昔話でも 主人公が食べられてしまうお話は いろいろあるのですが たいてい最後はハッピーエンドで終わるのに 
この絵本はそうではないんです。
だから 不穏な(?)感じがしたのが 読み終えてからも ざわざわとしていました。

2年生
「かみさまからのおくりもの」
作)ひぐち みちこ      こぐま社

誕生のとき、神様が一人一人の赤ちゃんにくださる贈り物。それはその子の個性。
子どもは、自分のもらったものに気づき、親は、子が授かった感謝の気持ちに立ち返る印象的な絵本です。

 

読み終えて 「みんなは 神様から なにをもらったかなぁ」と 何気なく聞いたら
「やさしいところ」との声。なんて素敵! ちゃんと わかっているんだね。

「しろちゃんとはりちゃん あめのいちにち」
作)たしろ ちさと   ひかりのくに


あめの季節。家の中でボール投げをしていると、しろちゃんが投げたボールが、はりちゃんの大事な花瓶に当たって壊れてしまいました。

 

そろそろ雨の季節ですね。今日も雨。
「雨が降ったら 何して遊ぶ?」と 聞くと ばっちり「ドッチボール」との答え。
やっぱりみんなボール遊びが好きなんですね。
このお話も 雨が降って ボール遊びをしたことから けんかが始まり 仲直りをするまでの二人のこころの中を描いているのです。

3年生
「とんでもない」
作)鈴木 のりたけ     アリス館


「ぼくはどこにでもいるふつうの子」という男の子のつぶやきから、お話は始まります。
よろいのようなりっぱな皮があって、サイはかっこいいなぁというと「とんでもない」とサイが答えて…ウサギやキリンなど、次々に悩みをうちあけていきます。
みんなそれぞれに悩みがあること、を迫力とユーモアで描きます。

 

他の人の立場になって、自分から見えない部分、知らない部分を思い描くって
大人でもむずかしいことですが、そのことを楽しみながら自然に教えてくれる作品です。

4年生
「おおきな おおきなき」
作)よこた きよし      金の星社

はやく大きな木になりたい! そう思っていた小さな木。でも、かんたんになれるわけじゃない。
みんなに勇気をあたえてくれる大きな木が話してくれたのは、まだ小さな木だったころのお話です。

大きな大きな木がありました。その木の穴で休むと、夢を見て、みんな元気になります。
旅の若者が木の穴で休むと「大きな木になるには、しっかり根っこをはらなければならない」と木が語りかけてくるのでした。

 

絵も優し気で メッセージがわかりやすく 大好きな絵本です。
たくさんの子どもたちに読んで聞かせたいお話です。

5年生
「まゆとおに」
作)とみやす ようこ     福音館書店


山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。
鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。
まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。
その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。
ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……

 

「まゆ」シリーズは 本当に楽しいです。
おにのたくらみを ことごとく 打ち返してしまう まゆ。
「天真爛漫なまゆ、ド肝を抜かれていくおに」
その表情の コントラストが おかしくて 痛快です。
みんなも どうなるの?? といった表情で わくわくしながら聞いてくれていたようでした。

6年生
「おもいのたけ」
作)きむら ゆういち    えほんの杜

ある日、タヌキは奇妙な”音”を耳にします。オンドロロン、オンドロロン
音に誘われるまま洞窟の中に入っていくと、そこには奇妙なキノコが…。
タヌキはそのキノコがキツネの顔に見えて、「あんたなんか、大っ嫌いだ~~!」
と キノコに叫びます。
タヌキが帰ったあと、洞窟には次々と動物たちがやってきて、
それぞれ抱えている「思い」をキノコに向かって叫んでいきます。
動物たちの思いを浴びたキノコは、どんどん膨れ上がっていき、
祭りの日、ついにキノコは飛び出して、動物たちに襲いかかります!

 

「おもいのたけ」って なんだろう?  と思う間もなく 不思議なお話が始まります。
動物たちが抱えている「おもいのたけ」がそれぞれ意外な感じで面白いのです。
よっぽど言いたかったんだなあとか、ずっと言いたくても我慢していたんだなあとか、
一度言い出したら止まらなくなっちゃってる・・・とか。
その後ちょっとすっきりしちゃっている感じが もっと面白い。
更に、思いっきり吐き出しちゃった「おもいのたけ」が思わぬ形で目の前に現れるところも。

言葉に出すのって本当に難しいですよね。
「言えばよかった」と思ったかと思えば、「言いすぎちゃったかな」って反省してみたり。
大人になった今でも そういうこと あります。
でも こんな風にちょっと悩みながら、ちょっと後悔しながら、そしてちょっと恥ずかしい思いも
しながら「おもいのたけ」が上手に人に伝えられるようになるのかな、と思うのです。

「光の旅 かげの旅」
作)アン・ジョナス    評論社


あけ方、車で家を出発。農場をすぎ、海岸を走り、街について日が沈んだ。
終わりまで読んだら、本をさかさまにしてみると・・・。
暗かった街に…灯りがともり、映画館が…レストランに、お花畑が…花火の空に。
いままでの風景がガラリと変わります。 モノクロの絵が不思議な詩情をたたえた知的絵本です

 

この絵本の特長は・・・前半は日中の場面で読み終えます。
ところが逆さまにすると今度は夜の風景に早変わり! 
1冊で2度美味しい作りとなっているのです。
さかさまになっても 絵もお話もちゃんと成立しているところが すごいですよね。
「おおー、すげー」と びっくりしている子もいました。

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