第3学期始業式式辞
令和5年1月10日(火)
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
令和5年、2023年がスタートしました。大変長かった2学期の疲れを癒し、新しい年を迎えて、「今年は、これをがんばろう」、「こんな年にしたい」など新たな目標をもったことと思います。
その1年のスタートとなる3学期、暦の上では新しい年の始まりですが、学校における3学期は、令和4年度のまとめ、しめくくりの学期、そして、次の新しいステージにつなげるための学期でもあります。よく来年度に向けての0学期とも言われます。1年生は尊敬される先輩になるために、2年生は生徒会活動を引き継ぎ、4月にある修学旅行の成功に向けて、そして3年生は希望進路の実現に向けて、この大切な学期をどのように過ごすのか、皆さんの頑張りを楽しみにしています。
そして、令和5年は峰山中学校の長い歴史にとっても少し変化のある年になります。それは制服の変更です。京丹後市の中学校では、性の多様性に対応するため、今までの男子は黒の詰襟の学生服、女子はスカートを基本とした制服を、これからは男女差の少ない、上着をブレザーとし、ズボンをはくかスカートを着用するかを自由とする制服に変えていくことにしました。本校でも来年度の新入生より、制服を変更します。
皆さんは例えば、「トランスジェンダー」という言葉を聞いたことがありますか?男性、女性という身体の性と心の性が同じではない人を指しますが、なかなかこういったことを相談できなくて、悩み生きにくさを抱えたまま生活している人がいるかもしれません。女子が一律にスカートを着用するとしないことで、生きにくさを解消できるなら、そこは尊重して大切にしていこうということです。皆さんは2学期の終わりに校則について考える機会がありました。学校は公の場として集団で生活しているので、何でも自分の思うことが許されるところではありませんが、一人一人の思いを大切にしながら、変えられるところは変えていく、変化していくことは長い歴史を顧みても当たり前のことです。皆さんには、来年度から制服が変更になることを理解してもらいたいと思います。また、いろいろな悩み事があれば、相談してください。
さて、79日間という長い2学期に比べ、3学期は学校に登校する日が1・2年生は52日、3年生は45日という大変短い期間となります。成績が下がりがちな2学期に比べ、短期間で集中して学習ができるので、成績が上がる人が多くなる3学期です。中学校生活は勉強がすべてではなく、仲間とつながりながら人間性を磨くこと、心も体も成長していくことはたくさんありますが、今日はあえて成績について話をします。
( 中略)
結びに、皆さんは本校を卒業すると同時に同窓会に入会して頂いていますが、昨年11月に届いた皆さんの同窓生、先輩にあたる方からの贈り物について紹介します。この方は大分県由布市にお住いの梅田紀代志さんという今年83歳になられる方です。届けられたものは昭和30年3月に峰山中学校を卒業された春休みに描かれた峰山町の風景画です。金刀比羅さんの方から峰山小学校方面を描く構図になっています。きっと絵を描くのが好きな少年だったのだろうと想像します。
実は、この風景画と一緒に5冊の本が同封されていました。歴史書や動物の本です。一番新しい本は2021年11月に発行されています。内容はさておき、これらの本の画を担当されているのが皆さんの先輩にあたる梅田さんでした。本の中のプロフィールには、挿絵画家、歴史画家とあり、大阪のCM会社でアニメを手がけたのち、イラストレーターとして独立した、と書いてありました。そして80歳を過ぎた今でも現役で活躍されている様子です。ここにいきつくまでにはいろいろなご苦労もあったことと思いますが、きっと少年時代にえがいた、絵を描く仕事がしたいという夢を60年以上も実現している、うらやましい生き方なのかなとも思います。
新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻等、まだまだ不透明な社会情勢・世界情勢も続いていますが、この2つの贈り物は、目標達成に向けて努力し続けることで、夢がかなうこともあるという、皆さんの夢の実現に向けてのエールのような気がします。
自分のえがく夢の実現に向けて、そして3年生は自分の夢につながる希望進路の実現に向けて、良いスタートが切れることを願い、第3学期始業式の式辞とします。