莵道高校科学部と京都光華女子大学および京都大学との高大連携として「芦生の森ツアー」を実施し、南丹市美山町にある「京都大学芦生研究林」を見学してきました。なお、科学部の生徒だけでなく、保護者の方も参加していただきました。
この芦生研究林は「京都府最大の秘境」とまで呼ばれる原生林が残った場所で、普段は関係者しか入ることができません。そんな場所を京都大学の先生に案内してもらいながら散策、研究林で実際に行われている研究や調査について説明をしてもらいました。京都で最も自然が残っている場所の一つだけあり、宇治市では見られないような多くの植物と共に、モリアオガエル、アカハライモリ、カジカガエルなど、学校の周辺にはいない動物もたくさん観察することができました。
普通なら絶対に入れない芦生研究林の見学は、生徒にとって非常に貴重な体験になったと思います。
昨年から学校林に設置しているセンサーカメラの数が増えたのですが、その影響もあって現在、撮影データの記録が全然追いついていません。今はまだ昨年冬頃の写真を見ていたりします。
よって、昨年のことになるのですが、この調査で初確認の動物が撮影されていました。
ネズミ目リス科のムササビ(学名:Petaurista leucogenys)です。そう、「空飛ぶ座布団」とも呼ばれる、あの有名な哺乳類ですね。京都のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
ムササビは大きな樹木があるような、例えば神社仏閣の裏山などでよく見られる動物です。里山に普通に生息していますが、どこにでもいるというわけではないようで、京都では個体数も多くはないみたいですね。そもそも樹上で生活する動物なので、地上に仕掛けているカメラで撮影されること自体が少ないと思います。
莵道高校の学校林は、大文字山の方から繋がっている山林の一部なので、この範囲内にムササビがいることはおかしくないと思います。しかし、それがこんな山の端っこで、しかも地上で、カメラの前に現れるのは非常に貴重なことではないかと思います。
梅雨に入りましたが、まだまだ雨はあまり降っていません。この梅雨時期というのは動物の行動に色々と影響が出てきそうですが、今年はどうなるでしょうか。センサーカメラを回収してみると、今年度になって初のタヌキが撮影されていました。
学校林でセンサーカメラ調査を始めた頃、タヌキはニホンジカ、イノシシに次いで多く撮影されており、この3種で「学校林御三家」などと呼ばれていました。それがいつの間にかニホンジカの数が増え、タヌキやイノシシはどんどん姿を消していきました。最近は少し姿を見せるようになってきたものの、以前のような撮影数には戻っていません。
しかし、イノシシもタヌキも一時期は本当に撮影されなかったのですが、それが今年はどちらも撮影されるようになっています。このまま以前のように増えていくのでしょうか。楽しみに見守っていきましょう。
先日収穫したジャガイモを使った活動を実施しました。
水でしっかり洗ったジャガイモを薄く切って、加熱した油脂に浸すことで、パリッとした状態になります。ここに塩化ナトリウムを少量加えると、とても良い感じに見えますね。
部員数が多かったこともあり、あんなに大量に収穫したジャガイモの半分以上がなくなりました。残りは昨年と同様に合宿で使うことになりそうです。
UJI学(令和4年度宇治川魚類観察会)で興味を持った生徒により、
ハゼの調査をすることになりました。
同定方法と計測方法を学び、ハゼ科魚類の特徴を知りました。
体長を測定し、一匹一匹、胸鰭と背鰭の条数を調べました。
ゼリーの実験を試行錯誤しながら行っています。
どうも、胃薬の中にはタンパク質分解酵素の入っているものと入っていないものがあるようです。
キーウィーフルーツについても、実験結果がいろいろです。
今回はいろいろなフルーツを用意し、丁寧にすりつぶし、ゼリーができるかどうか確かめてみました。
最近、学校林に入ってセンサーカメラを回収するときは、上級生が1年生に電池やSDカードの交換方法を教えています。科学部のセンサーカメラは現在、学校林内の決まった場所に仕掛けているのですが、1年生にはその場所を覚えてもらう必要もあります。学校林は初めて入ると驚くくらい「森の中」といった感じなので、斜面もあって移動するのは大変です。そんな学校林に何度も入り、科学部の部員たちは森を歩くのに慣れていくのです。
回収したデータには、今回もニホンジカを中心に動物たちの写真がありました。中にはカメラにいたずらするアライグマも撮影されていました。動物の中には好奇心が旺盛な個体がたまにいて、特に仔ジカなんかはセンサーカメラに興味をもつことも多いです。アライグマは前脚が器用ですので、カメラをいじりまわすことも朝飯前なのかも知れません。
6月に入って、十分に大きくなったジャガイモを収穫しました。昨年たくさん植えたジャガイモですが、すべて順調に芋をつくってくれたみたいで大量でした。
5月に植えたトマト、サツマイモ、トウモロコシも順調に育ってきています。今年は部員数が激増したこともあって畑の面積を拡大したのですが、その分たくさんの収穫があればいいなと思っています。
さて、この収穫したジャガイモたちですが、どうやって利用するか検討中です。昨年は夏休みの合宿でつくったカレーの具材になりましたが、今年はどうしましょうかね。
<部員数>
27人(3年生:6人、2年生:6人、1年生:15人) ※2022年6月現在
<活動日>
水曜日、金曜日が中心
<活動場所>
生物実験室、学校林「莵道の森」、中庭(畑)、グラウンドの貯水池 など
<活動内容>
学校林の哺乳類調査、畑作り(サツマイモなど)、魚類調査、昆虫採集、生物標本作成、物理実験、化学実験、水質調査、莵道祭の展示、大会での研究発表 など
莵道高校だからこそできる活動をしています。生徒の皆さん、学校林で動物を追いかけたり、中庭に畑をつくって作物を育てたり、なかなか経験できないことを一緒にやりませんか?別のクラブと兼部しても大丈夫です。
1学期の中間考査が終わり、考査期間中に仕掛けていたセンサーカメラの回収に行ってきました。なんと、前回久々に撮影されたイノシシが今回も姿を見せてくれました。やはり学校林にイノシシが戻ってきています。
他にも、テンやハクビシン、アライグマといったいつものメンバー、たくさんのニホンジカが撮影されていました。特にニホンジカはカメラに接近して顔や体がアップになっているものも多かったです。写真の中に体を接写したものがありますが、その毛皮には白い斑紋が見えます。この斑紋はニホンジカの夏毛で見られるものです。よく仔ジカ(バンビ)の特徴と言われることもありますが、成長したシカにも見られます。白いお尻とならんで、シカの毛の特徴的な部分だと思います。
身近なものを実験材料とし、食品にかかわる実験をしています。
今回は、ゼリーの実験を行いました。
ゼリーはタンパク質が主成分ですが、タンパク質分解酵素を混ぜると固まりません。
タンパク質分解酵素は、パイナップルやキーウィーフルーツなどに含まれています。
このため、生のパイナップルやキーウィーフルーツでゼリーを作るのは難しいです。
まずは、ゼラチンの量と材料の量(キーウィーフルーツと胃薬)変えながら、
結果が分かりやすい量を探し出しました。
5月も中旬になり、だんだん暑さを感じるようになってきましたね。センサーカメラを回収しに学校林へ行くと、蚊にたかられるようになってくる時期でもあります。虫除けスプレーを準備する部員もいたりします。森に入って調査する以上、これは避けては通れない話なので、仕方がないところではあります。
さて、回収したデータを見ていると、今回ついに彼らが本格的に帰ってきました。そうです、豚熱という感染症により、2020年の冬に宇治地域から姿を消していたイノシシです。昨年(2021年)も10月頃に1回だけ撮影はされたのですが、それ以来姿を見ることもなく約半年が経っていました。そんなイノシシが、再び学校林に現れるようになったのです。同時に2頭が撮影されたりもしているので、宇治地域にイノシシの個体群が確実に増えてきていることを感じます。
以前はニホンジカの次に学校林で撮影される動物だったイノシシですが、これからまた撮影数が増えていくのでしょうか。今後のイノシシの動向が楽しみです。
科学部では中庭に畑をつくっており、そこで作物を育てています。現在、畑にはジャガイモがいい感じに大きくなっているのですが、追加でサツマイモ、トマトを植えました。
この時期サツマイモはツルを植えていくのですが、ちょっとツルが手に入らなかったので、ツル取り用の苗を植えて、ツルが伸びてきたところで切って植えてこうと思っています。
トマトについては、以前ミニトマトを育てたことはありましたが、普通の大きさのトマトは初めてです。ちゃんと育ってくれるのか楽しみですね。
今年はなんと15人もの1年生が入部してくれることになった科学部です。2、3年生も合わせて27人と、昨年までとは比べものにならない大所帯となりました。というわけで、1年生には少しでも早く学校林に慣れて欲しいので、一緒にセンサーカメラの回収に行きます。
今回は久しぶりにイタチが撮影されました。イタチは年に1~2回見られたら良い方という、学校林では結構珍しい動物です。科学部の調査では、イタチは「イタチ類」として記録しています。というのも、日本に生息するイタチはニホンイタチとチョウセンイタチの2種がいて、センサーカメラによる撮影だと、どっちか分からないんですよね。チョウセンイタチの方がサイズが少し大きいなど、並べて比較すると違いも分かるのですが、写真ではなかなか難しいです。もっとも、住宅街に近い場所に出るのは大体チョウセンイタチなので、学校林で撮影されるのもそうだとは思うのですが。
京都に分布するイタチのなかま、いわゆるイタチ科に属する動物としては、このイタチ2種の他に、テン、アナグマがいます。この2種はどちらも学校林でもよく撮影されており、今回も姿を見せてくれました。イタチ、テン、アナグマが揃って撮影されると、何だか嬉しくなりますね。
4月6日~4月20日は新入生の体験入部ということで、1年生がたくさん来てくれました。体験の内容としては、学校林に入る、センサーカメラ写真の確認、ウシガエルの観察、畑作業の手伝い、スライム作り、生物カードゲームで遊ぶなど、盛りだくさんでした。期間中の体験入部は3日間だけでしたが、20人以上が来てくれました。
最終的に、15人の1年生が入部届けを出してくれることになり、今年度の科学部は昨年度以上の大所帯になりそうです。今の3年生が入部する前年は4人で活動していたことを考えると、信じられないくらいの部員数になりますね。
そんな体験入部と並行して、4月20日には放送部から取材を受けました。今年度は全国総合文化祭に出場することもあり、科学部の活動をドキュメンタリーにしてくれるそうです。どのような形になるのか楽しみです。
莵道高校には「莵道の森」と呼ばれる学校林(裏山)があります。ここは京都市の大文字山から連なる峰の一部であり、ニホンジカをはじめとした多くの哺乳類を見ることができます。校舎のすぐ近くに学校林がある高校は京都府内でも珍しく、科学部では林内に自動撮影装置(赤外線センサーカメラ)を設置して、出現する動物の調査をしています。
センサーカメラは一度設置すると1ヶ月程度は稼働するため、春休みなど長期休暇中も設置しています。新学期が始まったので、そのデータを回収し、撮影された動物を記録していきます。今回もニホンジカ、テン、ハクビシンなど、様々な動物が写っていました。
学校林で一番多く見られる動物はニホンジカです。現在ニホンジカは全国的に増加しており、学校林でも年々撮影数が増加する傾向にあります。それどころか夜になって学校から人がいなくなると、グラウンドや校舎の近くまでやってきて、足跡を残したり、糞をしたり、花壇の花を食べたりしています。莵道高校はニホンジカと共にある学校なのです。
今回もそんなニホンジカがたくさん撮影されていました。特に興味深いのは、角がとれたばかりの雄ジカが写っていたことです。ニホンジカは雄にだけ角がありますが、この角は毎年生えかわっています。春先に生えていた角が落ち、また新しく伸びてくるわけです。だから、森の中で地面を探していると、シカの角を拾うことができたりするわけです。3枚目の写真は頭に黒い丸がありますが、ここが角の生える部分です。なかなか面白い状態の写真が撮れたと思います。
科学部がセンサーカメラを使った学校林の動物調査を始めてからもうすぐ5年が経ちます。昨年度は調査結果をまとめた研究発表で賞をいただくこともできました。今年度も、引き続き学校林の動物を見ていきたいです。
京都市動物園で開催されたイベント「野生動物学のすすめ2020」の2日目「あつまれ!ジュニアサイエンティスト交流会」に、科学部が参加しました。
イベントの前半では、動物園の研究発表に並んで、昨年度に発表した「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移」と「シカがくる学校」の研究発表をさせてもらいました。大学の先生や研究者の方、大学生から様々な質問・意見をいただき、新たな発見があったと思います。
後半は、座談会形式で野生動物を専門に研究されている先生のお話を聞くことができました。高校生にとって「専門分野に分かれて研究をする」ということは馴染みがないものですが、様々な分野の視点から、シカの増加問題、外来生物問題など、身近なテーマの話を聞くことができました。
今回のイベントに参加できたことは、部員達にとって貴重な体験になったと思います。声をかけていただいだ京都市動物園に感謝です。
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