1年生

『もったいないばあさんのおばあちゃん』
真珠まりこ/作・絵 講談社
子どもの頃のもったいないばあさんと、もったいないばあさんのおばあちゃんのおはなしです。もったいないばあさんは、田んぼでお米作りをしていたおばあちゃんから感謝をすること、生きものたちへの思いやり、命のつながり、敬うことなど、大事なことは何かを学んできました。
「だいじなことは みんな おばあちゃんから おそわった。つたえないのは もったいない」
今の季節にぴったりのお話です。「うちは機械で田植えしているよ」などと話してくれました。
みんな静かに聞いてくれていました。
2年生

『むかしむかし とらとねこは…(中国のむかし話より)』
大島英太郎/文・絵 福音館書店
むかしむかし、トラとネコは山のなかで暮らしていました。そのころ、トラはいまと違って、とてものろまで、狩りをするのが下手でした。いっぽうネコは、トラよりずっと体が小さいのに、毎日、たくさんの獲物を捕ってくるのです。そこで、トラは「狩りの方法をこのおれにも教えてくれよ!」と、ネコに頼み、教えてもらうことになりましたが……。
はじめて聞くお話だったのか興味津々で、最後まで集中して聞いてくれていました。
3年生

『トランとブッチのぼうけん』
もとしたいづみ/ぶん あべ弘士/え ポプラ社
ここは南の島。姉さん犬のトランと、弟のブッチはのんきな村で暮らしています。今2ひきは毎朝きまってどこかへ行く黒い犬のことが気になっています。ある朝2ひきは、黒い犬のあとをつけていきますが…?
あべ弘士さんの色彩豊かな絵が楽しい絵本です。トランとブッチが黒い犬を探す場面では、「あ、あそこにいる!」と一緒に探してくれていました。
4年生

『今日にかぎって』
樺島ざくろ/作 奥野哉子/絵 BL出版
第40回 日産 童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作品です。
遊びにきた遠くの公園で、自転車のかぎをなくしたことに気がついたぼく。今日にかぎって一緒に遊んでたウッチーは先に帰ってしまったし、今日にかぎってケータイを充電したまま家にわすれてきた。仕方がないから、自転車を運んで帰ることにしたけれど、そこに現れたのは、苦手なクラスメイトの松田くん。一緒に自転車を運んでくれると言って、歩き出した。松田くんの案内で着いた先は、またまた苦手な山本くんの家! すると……。
少し長いお話でしたが、みんな静かに聞いてくれていました。
5年生

『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』
五味太郎/作・絵 偕成社
虫歯になったわにさんは、歯医者さんに行きました。虫歯の治療にどきどきのわにさんと、こわそうなわにさんにどきどきの歯医者さん。最初から最後までふたりのセリフがまったく同じだけれど、それぞれの気持ちがきちんと伝わってくる、不思議で愉快な絵本です。
『しりとりのだいすきなおうさま』
中村翔子/作 はた こうしろう/絵 鈴木出版
なんでもしりとりの順に並んでいないと気がすまない王様、
料理の順番も、もちろんしりとり。そして最後は好物プリンと決まっています。
間違ってラーメンなんかで食事が終わろうものなら、王様はかんかんです。
悪戦苦闘する家来たちは、そんな王様をこらしめてやろうと、ある作戦を考えました。
静かに、にこにこしながら聞いてくれていました。
他にご紹介いただいた本
『チョウになりたい』 マルク・マジュスキ/作・絵 吉井知代子/訳 金の星社
6年生

『ねことことり』
たてのひろし/作 なかの真美/絵 世界文化ブックス
ねこの仕事は、こぶしの木の小枝をたばねることです。ある朝、ねこが仕事をしようとすると、窓にことりがとまりました。「……おねがいがあります。そこにあるこえだを、すこしわけてもらえないでしょうか?」今にも泣きだしそうなことりをみて、ねこは一日一本ずつ、小枝をあげることにして……。
ねことことりの毛並みの1本1本まで丁寧に描かれた、細密で美しい絵に引き込まれます。青々とした緑の風景は、まるでこの美山のようです。ねことことりの交流に心温まるお話です。
※あらすじは出版社の内容紹介を引用または参考にしています。