「よむよむ」による朝の読み聞かせ」

図書室

1年生

1冊目は

『へびのニョロリンさん』

富安陽子/ぶん 長谷川義史/え 童心社

前々回、2年生でも読んでいただいた絵本です。

春が来て、冬眠から目を覚ましたへびのニョロリンさん。脱皮して大きくなったので、トメばあさんの家の屋根裏に住むことにしました。ニョロリンさんを見つけてはじめはびっくりしたトメばあさんですが、「こニョロちは。ぼくはへびのニョロリンというニョロよ」と礼儀正しくあいさつをするので、すぐになかよしになりました。一緒に朝ご飯を食べ、お散歩にもでかけるトメばあさんとニョロリンさん。ある日、家にどろぼうが入り…?

ニョロリンさんのように、子どもたちも礼儀正しくあいさつをして、しっかりと聞いてくれていました。

2冊目は

『かみさまからのおくりもの』

ひぐち みちこ/著 こぐま社

赤ちゃんが生まれると、神様からの贈りものを天使が運んできます。ほっぺのあかい赤ちゃんには「よくわらう」を、おおきい赤ちゃんには「ちからもち」を、泣いている赤ちゃんには「うたがすき」を、よく動く赤ちゃんには「よくたべる」を、すやすや寝ている赤ちゃんには「やさしい」を…。
みんなのところに届いた贈りものは何でしょうか?

著者のひぐちみちこさんは自身の子育て経験の中での気付きを元に、この絵本を作ったそうです。
貼り絵の雰囲気もとてもかわいらしく、ほっこりする絵本です。

2年生

1冊目は

『しんせつなともだち』

 軼羣/作 君島久子/訳 村山知義/画 福音館書店

野も山も雪に包まれた冬のある日、こうさぎは食べ物を探しに出かけます。かぶを二つ見つけたこうさぎはひとつだけ食べると、「ろばさんは、きっとたべものがないでしょう。このかぶをもっていってあげましょう」とろばの家に行きます。しかし、ろばは留守だったのでかぶを家に置いて帰りました。
ろばは家に帰ってびっくり。「これはどこからきたのかしら」。ちょうどさつまいもを見つけていたろばは、「やぎさんはきっとなんにもたべものがないでしょう。このかぶをもっていってあげましょう」とやぎの家に行きます。しかし、やぎは留守で…。ろばからやぎへ、やぎからしかへ、そしてしかから再びこうさぎへとかぶは渡されていきます。
友達を思う、優しい気持ちがつながっていく素敵なお話です。

読んでいる途中で、「誰からのリレーだっけ?」とすっかり忘れた(ふり?の)読み手が子どもたちにたずねると、「〇〇!」と元気に答えてくれていました。

2冊目は

『せかい一わるいかいじゅう』

パット=ハッチンス/作 乾 侑美子/訳 偕成社

怪獣のヘイゼルのうちに赤ちゃんが生まれました。お父さんお母さんも、おじいさんおばあさんも、赤ちゃんのビリーのことばかりで誰もヘイゼルをかまってくれません。ヘイゼルはビリーをとおいところに置き去りにしようとしましたが、何度やっても帰ってきます。おどかして追い払おうとしてもだめでした。しかたがないので、よその人にあげてしまいますが…?

怪獣の世界では「悪い」ことが素晴らしいとされ、褒められます。ヘイゼルも赤ちゃんが生まれる前のように、自分も褒めてほしいと願います。怪獣の世界でも、人間の世界でもお姉ちゃん(お兄ちゃん)ってやっぱり大変なんですね。

3年生

1冊目は

『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』

柏原佳世子/作 えほんの杜

王様がおでかけしている間、家来たちは王様の豪華な部屋でやりたい放題!ところが、王様が予定より早く帰ってきました。「お おうさまがかえってくるぞー!かえってくるまで……あと100びょうだ!100びょうでへやをかたづけろーーー!!」とカウントダウンがはじまります。
果たして、家来たちは100秒でちゃんと片づけられるのでしょうか…?

前後の見返しのところが間違い探しになっています。おでかけ前の王様の部屋と家来たちが片づけた後の王様の部屋を見比べると、おかしなところがいっぱいありますね。

2冊目は

『せかいでいちばんつよい国』

デビッド・マッキー/作 なかがわ ちひろ/訳 光村教育図書

1冊目は家来のお話でしたが、こちらは大統領のお話です。

むかし、大きな国がありました。その国の人々は豊かな暮らしをしており、自分たちの国は素晴らしいと疑うことはありませんでした。大統領は「せかいじゅうの人びとをしあわせにするため」にいろいろな国に戦争をしに行き、次々と征服していきました。
とうとう征服されていないのは、小さな国ひとつになりました。「ひとつだけのこしておくのもきもちがわるい」と大統領と兵隊たちは戦争に向かいます。しかし、その小さな国には兵隊がいませんでした。これでは戦争ができません。しかも、小さな国の人びとは大統領と兵隊を歓迎し、もてなします。
彼らはお互いに話をし、笑い合います。小さな国の遊びをし、歌を歌い、食事を口にします。兵隊たちは他にすることもないので、小さな国の人びとの仕事を手伝うようになります。
やがて、小さな国の「征服」に満足した大統領は大きな国に帰ります。すると、大きな国では小さな国の料理が作られ、人々は小さな国の遊びをし、小さな国の服を着ていました。大統領は「まあいいさ。どれもこれも、せんそうでぶんどってきたものだからな」とにやりと笑いました。

読み聞かせの前に、子どもたちに「どの国がつよいと思う?」と聞くと「アメリカだと思う」、「ロシアかも」などの答えが。中には「時代によって違う」との意見もありました。
この絵本を読み終わった後、「どっちの国に住みたい?」と一人の子どもに聞くと「小さな国」と答えてくれました。

4年生

1冊目は

『こんとごん てんてん ありなしのまき』

織田道代/文 早川純子/絵 福音館書店

こんとごん、2匹のきつねが主人公の言葉遊びが楽しい絵本です。
「こんは(ドアを)こんこん とんとんとん」。「ごんはごんごん どんどんどん」。
「(こんは)すいとうでみずをのむ あっ たれた」。「(ごんは)すいどうでみずをのむ あっ だれだ?」

濁点、半濁点がつくのとつかないのとでは全然違う言葉になりますね。

2冊目は

『てんてんきょうだい』

山田慶太/文 田口麻由/絵 ポプラ社

こちらは濁点をつけるのが大好きな「てんてんきょうだい」のお話。いろいろな言葉に「てんてん」をつけていきます。「はね」にてんてんをつけると「ばね」、「おうし」にてんてんをつけると「おうじ」になります。兄役を「よむよむ」さんが、弟役をなんと担任の村田先生が読んでくれました。

3冊目は

『へんてこはやくちことば』

新井洋行/作・絵 小峰書店

身の回りのいろんなマークと早口言葉を合わせたユニークな絵本です。電車や駅のマークを6つ並べて、「でんしゃ ごとごと みごとごと あわせて ごとごと むごとごと」。信号のマークは「あかしんごう あおしんごう きしんごう いえてじょうしき しんごうありきの ひょうしきマーク」。楽しい早口言葉が続きます。まあまあじょうずに言えたきみは初心者マーク。うまく言えた君は「たいへんよくできました」のマーク。

噛んでしまいそうな早口言葉も、上手に読み聞かせしてくださいました。

5年生

1冊目は

『わごむいえでする』

杉原やす/作・絵 ひかりのくに

いつも使ったあとそのまんまにされて、どこかにとんでも知らんぷりされるわごむ。そうじきに吸い込まれそうになって、たまらず家を飛び出します。みずたまりで遊んでいると三輪車にひかれ、きれいなお庭でちょうちょとダンスしているとねこに襲われ……。新しいおうちを探しますが、なかなか見つかりません。すっかりくたびれたわごむは、元のおうちが恋しくなります。
家に戻ると「あぁ よかった。さがしてたのよ」「ないとこまるもんなぁ わごむ」とみんな待ってくれていました。わごむはうれしくってびょ~んと笑いました。

作者の杉原やすさんの家にはあちこちにわごむが落ちていて、よいしょと拾うたびにわごむが口をひんまげて文句を言っているように見えたそうです。わごむと心の中でおしゃべりするうちに、かわいく見えてきて、そして生まれたのがこの絵本とのことです。

2冊目は

『にひきのかえる』

新美南吉/作 鈴木靖将/絵 新樹社

『ごんぎつね』や『てぶくろをかいに』で知られる新見南吉さんの作です。鈴木靖将さんの色鮮やかな絵も目を引きます。

みどりのかえるときいろのかえるは、どちらが美しいか、けんかをはじめました。しかし、途中で冬眠に入ります。ぐっすり眠って、目覚めると「きみのきいろはうつくしい。」、「きみのみどりだってすばらしいよ。」と仲直りしました。

絵本の最後は「よくねむったあとでは、にんげんでもかえるでも、きげんがよくなるものであります。」と締めくくられます。

6年生

1冊目は

『まっくろネリノ』

ヘルガ=ガルラー/さく やがわ すみこ/やく 偕成社

小鳥のネリノはまっくろで、暗闇ではだれも見えません。4人(羽)の兄さんたちはネリノがあんまりまっくろだからと一緒に遊んでくれません。ネリノはいつもひとりぼっちでじっとしています。ある日、兄さんたちはきれいだからと捕まえられてしまい…?

リズムのよい美しい文章で耳に心地よく、みんな聞き入っていました。黒を背景に、色鮮やかでありながら優しいタッチの絵もかわいらしく、絵本の世界観を表現しています。

2冊目は

『さくらいろのりゅう』

町田尚子/作 アリス館

むかしむかしあるところに、村人から役立たずだからと「コイシ」と呼ばれる少女がいました。コイシはいつもひとりぼっちでした。ある日、深い山奥でコイシは龍と出会い、心を通わせます。ところが、そのことを知った村人は龍をお金儲けのために利用しようとします。龍を守ろうとするコイシと、コイシのために自らを犠牲にしようとする龍は……?

『いるのいないの』や『おばけにょうぼう』の絵が印象的な町田尚子さんの作品です。美しく独特な絵に、引き込まれます。子どもたちも、しっかりと見てくれていました。

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