特別講演・屏風鑑賞「日本美術の魅力」

 10月26日(水)の放課後、東京国立博物館学芸員の小島有紀子氏を講師としてお招きし、屏風鑑賞を中心に、「日本美術の魅力」についてご講演いただきました。今回鑑賞した作品は、尾形光琳作「風神雷神」および酒井抱一作「夏秋草図屏風」です。参加した生徒たちは、江戸時代の夜の明かりが再現された空間の中で屏風の対話型鑑賞を行いました。また、学芸員のキャリアなどについてもお話しいただき、芸術に携わる仕事の意義や内容について知ることもできる貴重な機会となりました。

〈生徒感想〉
・非常に有意義な時間だった。一人でこういう絵を見ると考え方、見方は一つに集約されてしまうが、こんなにもいろんな見え方があって、それが人それぞれで違うことを知れるなんてそうない。そして「風神雷神」の裏面に絵があったことを初めて知り、衝撃だった。人々が行き交う町を予想して裏面を見たが、植物や川みたいなものだけで、まさかという感じだった。しかし解説を聞いて、一見物静かで感じることも少ないその絵が考え尽くされた傑作だと分かった。僕はこの裏の絵は「好き」だと断言できる。来年もこの講座をうけたい。(高校1年生)
・「風神雷神図屏風」を好きかと聞かれ、最初は好きだと思った。何しろ、すごい屏風だし、迫力を感じていたから。でも近づいて見てみて、顔の表情とか見ると、何故かはわからないが、「あまり好きではない」と思った。こんな意見に達した自分にも驚いた。自分の中に、すごい作品だから好きにならないといけないと思っていた部分があったのだろうと思う。学芸員さんの質問に沿って考えると、自分の解釈ができていってとても面白かった。そういう質問を自分でできるようになれば、芸術作品の鑑賞がもっと楽しめると思った。また中1の時には好きになれなかった「夏秋草図屏風」が「風神雷神」に見劣りしないほど魅力的だと思えるようになった自分に驚いた。(高校2年生)

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